しぜん標本箱/第15回 モグラ?/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

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掲載日:2006.08.16 [1105]


第15回 モグラ?


 


森の小道を歩いていると、ネズミのような小さな動物が死んでいることがあります。大きさはタラコくらいで、シッポは長からず短からず、ビロードのような短い体毛で覆われています。
 モグラ?いえいえ「トガリネズミ」といいます。「・・・ネズミ」の名前が付いていますが、ネズミの仲間ではありません。どちらかといえばモグラに近い種類です。しかし、モグラとの違いは、耳介がはっきりわかり、歯の先端が赤褐色に染まって、シッポには毛(成熟個体ではうすくなっていることもある)が生えています。 
 動物分類学上は食虫目(トガリネズミ科とモグラ科)に属し、完全な肉食で主に歩行性の昆虫類やミミズなどを食べています。また、体を維持するために起きている間中は餌探しに大忙しだそうです。寿命も1〜2年と短く、林道で死んでいることが多いのは天寿を全うしたと考えられています。ちなみに、北海道にはモグラは生息していません。 
 また、夜行性のため、生きているトガリネズミを昼間に見ることは滅多にありません。しかし、二十数年前に一度だけ昼間に見た数秒間の出来事は今でも忘れません。それは、親のシッポの付け根を子どもが噛みつき、そしてその後をまた子どもがというふうに数匹がつながって歩いている姿を林道脇の草むらで目撃しました。 
 後に、動物学の先生にこのことをお話ししたら「文献には記載されているが見たという人に初めてあった」と言われました。カメラを向ける間もなく、草むらに姿を消してしまいました。記録に残したかった場面でした。 
 
 
むしゃなび動物図鑑 No.19
動物名 エゾトガリネズミ エゾトガリネズミ
分 類食虫目 トガリネズミ科
学 名Sorex shinto saevus
分 布サハリン、北海道、国後島
大きさ頭胴長60mm位、尾は50mm位
生息場所山林
出現期通年
特 徴ビロードのような短い体毛で覆われ、耳介がはっきりわかり、歯の先端が赤褐色に染まり、シッポには毛(成熟個体ではうすくなっていることもある)が生えている。
解 説
《飯塚淳市》

飯塚淳市プロフィール

飯塚淳市 
 
 生まれも育ちも東京の下町。まだまだ田んぼや池など広がっている中で、物心ついたころからナメクジやシャクトリムシなどの虫を牛乳瓶に入れては玄関に並べる、生き物好きの子どもだった。 
 幼稚園に入る頃のペットはナメクジ。小中学生時代は、部屋中に水槽や虫かご、鳥カゴを並べ、「小さなペットショップにいる生き物はすべて」ペットとして飼ったそう。高校生になると蛇に興味を持ち、アオダイショウを飼って卵を産ませ、幼蛇を飼育したことも。 
 そのまま生き物への興味を持ち続け、北海道の大学に入学し、昆虫学や動物学を学ぶ。キツネが年間にどれだけの昆虫を食べたかを研究し卒業論文に。身体の中のことが知りたくなって大学院へ進み、繁殖生理学を修めた。 
 その後、教師になり、子どもたちに生き物のことを教え、伝えている。 
 現在、北海道教育庁胆振教育局社会教育指導班の社会教育主事。伊達市のカルチャーセンター内の伊達市教育委員会社会教育課で、子どもたちとともに自然に親しむプログラムなどを年間を通じて企画開催している。 
《編集部》



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