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掲載日:2005.08.05 [1302]


第1回 ホタルが棲む町 伊達市


第1回 ホタルが棲む町 伊達市

第1回 ホタルが棲む町 伊達市
 こんにちは、今回からこの『むしゃなび』でネイチャーコラムを連載させて頂くことになりました、飯塚淳市です。 
 
 私は普段、カルチャーセンターの社会教育課で仕事をしています。そうすると、子どもたちが、いろいろな生き物をもってきてくれます。先日も「これは何ていう名前?」とクモをもってきてくれました。よく見かけるクモなんだけど名前を知らない。 
 
 そう思ってまわりを見てみると、実は知らないことでいっぱいです。例えば毒毛虫。触るとかぶれて大変なことなるというのは知っているけれど、名前は知らないし、成虫になったときにどんな姿をしているのか分からない。 
 このコラムでは、意外と知られていない身近な自然に焦点をあてて、紹介していきたいと思います。たった一つの生き物の名前やその暮らしを知ることで、以前よりずっと親しみをもって接することができ、まわりを見る目も変わってくると思います。 
 
 子どもたちは、疑問をいっぱいもってやってきます。そんなときに、ちょっとした知識があれば、親は子どもたちを生き物の奥深い世界へと導いていけると思います。このコラムが、そんなきっかけになるとうれしいです。 
 
 さて、記念すべき第1回目は「ホタルが棲む町 伊達市」です。 
 
ヘイケボタルの成虫

ヘイケボタルの成虫
 夏の夜に光りながら飛ぶホタルは、夏の風物詩と言われていますが、近年ではその生息地が限られてきています。伊達市は人口3万6千人、温暖な気候に恵まれ市内の数箇所でホタルの生息が確認されています。 

 
 ホタルについてよく質問されることで「ホタルはきれいな水で、流れのある川に居るんですよね」いつもこのように答えます「それはゲンジボタルです。北海道にはヘイケボタルがいて、このホタルは水田や池や沼地に棲み、ボウフラが居るような処を好むんです。大きさもゲンジに比べるとひとまわり小さく、光り方も小さいのです。」「そうなんですか。」とみなさん驚かれます。 
 
 カブトムシの仲間であるホタルですが、日本には40数種が生息し、その内クメジマボタル・ゲンジボタル・ヘイケボタルの3種の幼虫が水中生活をしています。 
 
ヘイケボタルの幼虫

ヘイケボタルの幼虫
 北海道にいるヘイケボタルは一生のうち約11ヶ月は水中で過ごし、主に巻き貝(肉食)を餌としています。6月に水辺の土中で約1ヶ月間、蛹(さなぎ)の状態で蒸し暑い夏を待ちます。7月中旬頃より、午前中に雨が降り午後から夏のお日様が照りつけるようになると羽化が始まります。 
 
 そして、羽化したホタルの成虫は約1〜2週間、葉についた朝露をなめる程度で一生を終えます。 
 
 この間に光交信をして雄と雌が出会い、卵を産んだ後一生を閉じます。伊達市では例年7月中旬から8月下旬までホタルの光が見られます。 
 
ホタルの生息地

ホタルの生息地
 市内生息地のほかに、北海道伊達高等養護学校、伊達市立西小学校、伊達市開拓記念館庭園、伊達市立有珠小学校、洞爺青年会議所、西いぶりリサイクルプラザ、北海造園(株)が飼育に取り組んでいます。 
 
 水性昆虫であるホタルは人間生活と密接に関わりながら生きています。環境問題を考えさせる昆虫の一つです。ホタルの「ちっちゃな光」は次代を担う子どもたちのこころに残り、育てられてきた自分と自分以外の命を感じ、命を尊ぶ光になればと考えています。 
 
むしゃなび昆虫図鑑 No.1
昆虫名 ヘイケボタル ヘイケボタル
分 類鞘翅目 ホタル科
学 名Luciola lateralis
分 布北海道・本州・四国・九州
大きさ全長 7〜10mm(成虫)
生息場所湿地、池、沼、水田
出現期7〜8月(成虫)
特 徴本州などに生息するゲンジボタルに比べると小さく、光量も少ない。
解 説卵から孵った幼虫は水中で4回脱皮して5令幼虫となり、土中でさなぎになりそして成虫となります。成虫は1〜2週間の間に産卵して一生を終わる。
《飯塚淳市》

飯塚淳市プロフィール

飯塚淳市 
 
 生まれも育ちも東京の下町。まだまだ田んぼや池など広がっている中で、物心ついたころからナメクジやシャクトリムシなどの虫を牛乳瓶に入れては玄関に並べる、生き物好きの子どもだった。 
 幼稚園に入る頃のペットはナメクジ。小中学生時代は、部屋中に水槽や虫かご、鳥カゴを並べ、「小さなペットショップにいる生き物はすべて」ペットとして飼ったそう。高校生になると蛇に興味を持ち、アオダイショウを飼って卵を産ませ、幼蛇を飼育したことも。 
 そのまま生き物への興味を持ち続け、北海道の大学に入学し、昆虫学や動物学を学ぶ。キツネが年間にどれだけの昆虫を食べたかを研究し卒業論文に。身体の中のことが知りたくなって大学院へ進み、繁殖生理学を修めた。 
 その後、教師になり、子どもたちに生き物のことを教え、伝えている。 
 現在、北海道教育庁胆振教育局社会教育指導班の社会教育主事。伊達市のカルチャーセンター内の伊達市教育委員会社会教育課で、子どもたちとともに自然に親しむプログラムなどを年間を通じて企画開催している。 
《編集部》



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