しぜん標本箱/第6回 自然から季節の贈り物:雪虫/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

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掲載日:2005.10.20 [1242]


第6回 自然から季節の贈り物:雪虫


山の木々が少しずつ色づき、朝晩は一枚は羽織りたくなる季節になりました。 
 昆虫や動物たちは、すでに越冬の準備に取り掛かっています。寒い北海道で越冬する昆虫の中には、体液にグリセリン様物質(不凍液)を蓄え冬の寒さに備える昆虫や、越冬場所を求めて旅立つ虫もいます。 


 何気なく窓の外を眺めていると、小さい綿のようなものがゆらゆらと飛んでいました。よーく見ると浮いているというよりも旋回したり、行ったり来たり。 
どうやら虫のようです。通称「雪虫」、この虫がふらふら飛びだすと冬の到来。もう少し秋を楽しみたいのですが……。
 
 正式な名前は「トドノネオオワタムシ」と言い、「トド松の根際にいる大きな綿虫」ということです。なんと今の時期は産卵のために飛び回っている雌なのです。 
 
 アブラムシ科のこの虫は、ヤチダモとトド松の間を年に二回移動しながら子孫を増やしているそうです。今の時期はトド松から離れて、ヤチダモの木に産卵するための飛行だったのです。 
 移動のメカニズムは、「気温の変化で移動するという説」と「日長時間の変化で移動するという説」があるようですがはっきりと分かっていないようです。 
 
いずれにしても、冬を知らせてくれる昆虫です。 
 インターネットの天気予報で地域の気候を即座に知らせてくれる時代ですが、「自然から季節の贈り物」を感じるこころを持ち続けたいと思います。 
 
むしゃなび昆虫図鑑 No.7
昆虫名 トドノネオオワタムシ(通称:雪虫) トドノネオオワタムシ(通称:雪虫)
分 類半翅目  アブラムシ科
学 名Prociphilus oriens
分 布日本全国
大きさ全長約6o
生息場所山林
出現期晩秋
特 徴トド松とヤチダモを主なすみかにしている。
解 説晩秋に見られるこの虫は、産卵をする羽根のあるメスである。
《飯塚淳市》

飯塚淳市プロフィール

飯塚淳市 
 
 生まれも育ちも東京の下町。まだまだ田んぼや池など広がっている中で、物心ついたころからナメクジやシャクトリムシなどの虫を牛乳瓶に入れては玄関に並べる、生き物好きの子どもだった。 
 幼稚園に入る頃のペットはナメクジ。小中学生時代は、部屋中に水槽や虫かご、鳥カゴを並べ、「小さなペットショップにいる生き物はすべて」ペットとして飼ったそう。高校生になると蛇に興味を持ち、アオダイショウを飼って卵を産ませ、幼蛇を飼育したことも。 
 そのまま生き物への興味を持ち続け、北海道の大学に入学し、昆虫学や動物学を学ぶ。キツネが年間にどれだけの昆虫を食べたかを研究し卒業論文に。身体の中のことが知りたくなって大学院へ進み、繁殖生理学を修めた。 
 その後、教師になり、子どもたちに生き物のことを教え、伝えている。 
 現在、北海道教育庁胆振教育局社会教育指導班の社会教育主事。伊達市のカルチャーセンター内の伊達市教育委員会社会教育課で、子どもたちとともに自然に親しむプログラムなどを年間を通じて企画開催している。 
《編集部》



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