しぜん標本箱/第7回 日本固有のニホンザリガニ/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

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掲載日:2005.11.15 [1526]


第7回 日本固有のニホンザリガニ


昭和30年代後半、東京でもまだまだ水田や池が多くありました。学校から帰るやいなやランドセルを放り投げ、ブリキのバケツをぶら下げて、こころを踊らせながら真っ赤なザリガニ獲りに熱中していました。 


餌は近所の駄菓子屋で甘辛いイカを買い求め、半分を口にほおばり、残りを釣り糸に縛り付け「ザリガニ釣り」をしていました。今となっては貴重な体験です。 
 
この真っ赤なザリガニはアメリカザリガニ(当時、東京の下町では「マッカチン」といっていた)といい、昭和初期に食用蛙の餌として本州に輸入され旺盛な繁殖力で生息域を拡大していったそうです。 
 
しかし、北海道には日本固有のザリガニがいたのです。 
 
それも北海道と東北北部にのみ生息し、体長は4〜6センチメートル位、湧水を好み、冷たい水の流れのある小川の石の下でひっそりと生活しています。 
 
ところで、ザリガニは私たちのような背骨を持っていません。その代わり硬いキチン質の外皮で覆われています。そのため、成長のたびに硬い皮を脱ぐ必要があります。これが「脱皮」です。脱皮直後は外皮が軟らかいため、外敵に襲われることがしばしばあります。複数のザリガニを水槽で飼育すると脱皮直後に共食いされることもあります。 
 
ニホンザリガニは湧水を好むため、水質の悪化が生息地域を狭めているらしいのです。 
 
なんと、環境省のレッドデーターブックに記載され、絶滅危惧種U類(絶滅の危険が増大している種)になっています。 
 
物の豊かさだけを追い求めた結果、地球上の生きものがここ数十年の間に姿を消し続けています。「真の豊かさ」の価値観を持ち続けたいものです。 
 
むしゃなび昆虫図鑑 No.9
昆虫名 ニホンザリガニ ニホンザリガニ
分 類エビ ザリガニ
学 名Cambaroides japonicus
分 布北海道南部・東北
大きさ体長約4〜6p
生息場所湧水
出現期通年
特 徴日本在来のザリガニ。体色は茶色でアメリカザリガニと容易に判別できる
解 説環境省のレッドデーターブックに記載(2000年)され、絶滅危惧種U類(絶 滅の危険が増大している種)に認定された。
《飯塚淳市》

飯塚淳市プロフィール

飯塚淳市 
 
 生まれも育ちも東京の下町。まだまだ田んぼや池など広がっている中で、物心ついたころからナメクジやシャクトリムシなどの虫を牛乳瓶に入れては玄関に並べる、生き物好きの子どもだった。 
 幼稚園に入る頃のペットはナメクジ。小中学生時代は、部屋中に水槽や虫かご、鳥カゴを並べ、「小さなペットショップにいる生き物はすべて」ペットとして飼ったそう。高校生になると蛇に興味を持ち、アオダイショウを飼って卵を産ませ、幼蛇を飼育したことも。 
 そのまま生き物への興味を持ち続け、北海道の大学に入学し、昆虫学や動物学を学ぶ。キツネが年間にどれだけの昆虫を食べたかを研究し卒業論文に。身体の中のことが知りたくなって大学院へ進み、繁殖生理学を修めた。 
 その後、教師になり、子どもたちに生き物のことを教え、伝えている。 
 現在、北海道教育庁胆振教育局社会教育指導班の社会教育主事。伊達市のカルチャーセンター内の伊達市教育委員会社会教育課で、子どもたちとともに自然に親しむプログラムなどを年間を通じて企画開催している。 
《編集部》



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