しぜん標本箱/第8回「ブルペス ブルペス シュレンキ」/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

むしゃなび
むしゃなびに参加する ツール


掲載日:2005.12.05 [1175]


第8回「ブルペス ブルペス シュレンキ」




 「ブルペス ブルペス シュレンキ (Vulpes vulpes schrencki) 」呪文のような言葉ですが、北海道にいるキツネの「学名」です。 
 この世界共通の名前(学名)は、主にラテン語で書かれ「属名」と「種小名」そして「亜種名」に分かれています。 
 これはスウェーデンの生物学者リンネ(1702〜1778)が考えだし、いまは全世界で通用する名前(学名)となっています。この学名は生き物すべてに付けられており、学名を調べると色々なことがわかります。たとえば朱鷺(トキ)の学名はnipponia nippon 1属1種の学名。 
 


 ところで、このキツネ君は何を食べているのでしょうか。二十数年前のことですが、2年間にわたりキツネの糞を554個採取して食べ物を調べたことがあります。完全に消化してしまうものは別ですが、野山で食べることのできる食料はほとんど糞の中に未消化物として排出されます。野山の木の実や昆虫を採集しておいて、糞の未消化物を顕微鏡で一つ一つ確かめていくと、昆虫の羽があったり、マタタビやコクワの実の小さな種が見つかります。 
 


 これらを調べた結果、キツネは通年雑食性で、生活している環境によって食べ物に差があることがわかりました。また、動物質と植物質を摂食しており、昆虫類は4月から11月までの期間、特に昆虫の発生時期である5月から10月にかけて多く食べられ、キツネにとって主要な餌となっていました。昆虫類の主な種類は、バッタ、センチコガネ、クワガタムシ、オサムシ、ゴミムシなどの歩行性昆虫類でありました。秋にはコクワ、マタタビ、ヤマブドウ、冬には野ネズミなどを餌として行動しています。 
 
むしゃなび動物図鑑 No.10
動物名 キツネ(red fox) キツネ(red fox)
分 類食肉目 イヌ科
学 名Vulpes vulpes schrencki
分 布日本全国(一般に北海道はキタキツネと呼んでいる)
大きさ頭胴長70cm位、尾は40cm位
生息場所人里から山林
出現期通年
特 徴耳後面・手足の前面は黒色、尾端は白色
解 説雑食性でほぼ何でも食べる。妊娠期間約52日を経て、3月下旬から5月にかけて2〜6頭出産。
《飯塚淳市》

飯塚淳市プロフィール

飯塚淳市 
 
 生まれも育ちも東京の下町。まだまだ田んぼや池など広がっている中で、物心ついたころからナメクジやシャクトリムシなどの虫を牛乳瓶に入れては玄関に並べる、生き物好きの子どもだった。 
 幼稚園に入る頃のペットはナメクジ。小中学生時代は、部屋中に水槽や虫かご、鳥カゴを並べ、「小さなペットショップにいる生き物はすべて」ペットとして飼ったそう。高校生になると蛇に興味を持ち、アオダイショウを飼って卵を産ませ、幼蛇を飼育したことも。 
 そのまま生き物への興味を持ち続け、北海道の大学に入学し、昆虫学や動物学を学ぶ。キツネが年間にどれだけの昆虫を食べたかを研究し卒業論文に。身体の中のことが知りたくなって大学院へ進み、繁殖生理学を修めた。 
 その後、教師になり、子どもたちに生き物のことを教え、伝えている。 
 現在、北海道教育庁胆振教育局社会教育指導班の社会教育主事。伊達市のカルチャーセンター内の伊達市教育委員会社会教育課で、子どもたちとともに自然に親しむプログラムなどを年間を通じて企画開催している。 
《編集部》



◆ しぜん標本箱/第8回「ブルペス ブルペス シュレンキ」 掲載一覧 ◆
10/13
09/14
08/16
07/13
06/16
05/18
04/14
03/05
01/02
12/05
11/15
10/20
10/11
09/19
09/03
08/18
08/05

室蘭市、登別市、洞爺湖町などを含めた伊達市近郊の情報なら『むしゃなび』
Copyright © 2004-2018 株式会社アップデート All rights reserved.