むしゃなび特集/2006年8号/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

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■ むしゃなび特集 2006年8号 ■
伊達を起点に 体験型観光スポットその1ノルディックウォーキングコース [2/3]
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はじめてのノルディックウォーキング

フィンランド生まれのニュースポーツ


 ノルディックウォーキングというスポーツをご存知ですか?
 フィンランドで生まれた、まだ新しいスポーツで、ポール(ストック)を使って歩くウォーキング法です。クロスカントリースキーの選手が夏の間、体力を維持・強化する目的で行われたトレーニングとして始まりました。
 誰にでも簡単に習得することができ、運動効果が高いとあって、フィンランドをはじめ北欧、ヨーロッパに急速に広まったスポーツです。最近では日本国内でも健康作りに最適と注目されています。

大滝は、日本に紹介された最初の地

 このフィンランド生まれのスポーツは、フィンランドのノルディックスキー複合の元オリンピック選手、トピ・サルパランタさんによって日本で初めて大滝に紹介されました。トピ選手は、大滝村教育委員会(現伊達市)のスポーツインストラクターとして、2シーズンクロスカントリースキーを指導していました。夏の運動として市民を対象に講習会が開催された1999年6月8日が、日本で一般向けに普及が始まった日とされています。
 クロスカントリースキーのコースには、大滝の間伐材を破砕してつくったウッドチップがク敷かれ、夏季はノルディックウォーキングにも利用できるようになりました。
 2000年には全国に先駆けてノルディックウォーキング協会が設立され、毎年指導者養成講習会を開き、ここで育った約80名の指導者が、全国で普及活動を展開しています。
 また毎年夏に「おおたき国際ノルディックウォーキングイベント」を開催、今回で7回目を迎え、国内外から愛好者が集います。


はじめてのノルディックウォーキング

 大滝ノルディックウォーキング協会の会長をされている菊地賢一さんは、フィンランドのトピ選手に直接指導を受けたお一人。現在は指導者として活躍、各地で指導されています。
 大滝中学校グラウンドに隣接する「大滝ノルディック・ウォーキングコース」で指導をしていただきました。
  
 まず、身長を聞かれ、大きなゴルフバッグのような袋より、ポールを選び出してくれました。ポールの長さは身長×0.7が目安となる。ちなみに、このポールは菊池さんがフィンランドに行った際、あるスポーツメーカーから大滝での普及用にとプレゼントされたものだそう。持ってみると、見た目よりずいぶん軽く感じます。

 ポールの握り方 ポールには左右があり、ストラップはマジックテープで手にしっかり固定されるようになっている。擦れることがあるのでグローブは必需品。


ストレッチ

 まず初めにストレッチ。ポールを使うので安定していてふらつかない。「ゆっくりでいいですよ。痛くなく気持ちいいところで止めてください」と声をかけられる。ポイントは、反動をつけずゆっくり伸ばし、その状態で10秒ほど止めることだそうだ。

基本の歩き方をマスターする

 コースに入る前に平地のグラウンドで、3つの段階を追って基本の歩き方を練習した。まず、ポールをにぎらず引きずるようにし、軽く手をふって歩く。次もポールはにぎらず、手を振るときに手首のスナップを効かせるようにしてポールの先を地面にひっかけながら押して歩く。3段階目でようやくポールを軽くにぎり、ポールで地面を押しながら、リズミカルに歩く。ポールをつく位置は、基本的に足と足の間。歩幅より前や後ろにいくことはない。
 頭で考えながら動くと、ぎこちなく、同じ側の手足が同時にでているなんてこともある。そんなときは、1段階目にもどり、だらんとポールを引きずってあるくと良い。菊地さんが「いいですねえ、その調子」と何度も声をかけてくれるので、初めてという緊張感もどこへやら。あんまり深く考えず、自然に体を動かしているとなんとなくペースがつかめてきた。

 下りの時のみ、足の前にポールをつく。ひざに負担がかからず、楽に下れる。


林間コースで森林浴


 コースに一歩踏み出すと、ウッドチップの柔らかい感触。一歩一歩踏むごとに、心なしか、木の香ばしい香りがただよってくる。新緑の木々の上部からは、春先にひと月ほど鳴くというエゾハルゼミの大合唱。
 菊池さんは「人の体には660の筋肉があるといわれていて、普通のウォーキングではこの中の430の筋肉を使いますが、ポールを使うノルディックウォーキングでは600もの筋肉を使うんですよ。消費カロリーも15%、最高で40%もアップします」と説明してくれた。

 確かに、普段なにげなく歩くより、肩を中心とした上半身をずいぶん動かしていると実感できる。肩こりにも効きそうだ。緑の中を、こんなに気持ちよく歩きながら、カロリー消費量も高いなんて、世界的に人気が急上昇というのもわかる。
 多少のアップダウンのあるコースを、周りの景色を眺めながら進む。木陰のコースは涼しいが、木々がないところでは、意外と蒸し暑かった。時期によってはブヨがたくさんいるそうなので、帽子と虫よけ対策が必要だろう。


 しばらくして慣れてくると、さらに上級編として、ポールをもつ腕を、お尻の後ろまで大きく振り、進むというステップを教わった。菊地さんは、きびきびと軽やかに進んでいく。この歩き方だと時速6kmにまでスピードアップできるそうだ。
 リズミカルにさっさと足がでて、さっそうとしたステップ。取り残されないようにと後ろをついていく。
 ポールできっちり地面を押せた時は、腰が後ろから押されたように意識せずとも大股になる。ぐっと前に平行移動したような気がして、なんだか愉快。これがうまく続くと大股になって、ぐいぐい前に進んでいく。踏み出す足が、もっと先へついてくれたら、と自分の足が短くなったような不思議な感覚を覚えた。

みどころ沢山 変化に富んだコース


 せせらぎの音も涼しげな川沿いの道、新緑のトンネルに囲まれた道、急に開けて、目の前に徳舜瞥山が見える絶景ポイント、それに大滝のナイアガラと呼ばれる長さが数十メートルも広がる滝など、変化に富んだコースで大満足。

大滝のナイアガラとよばれる滝。
 
 1時間半ほどで、何種類もの美しいチョウチョや、ウッドチップから顔をだしたキノコ、それにアオダイショウにも出会えた。
 ここでは、ノルディックウォーキングをするだけでなく、森林浴とネイチャーウオッチングもできてしまう。少し汗ばむ程度の運動で、こんなに爽快気分になれたのは、きっとこの自然環境のおかげだろう。
マイナスイオンの値を示す看板があった。

大滝観光もわすれずに

 最後のストレッチを終え、菊地さんにお別れをし、コースをあとに国道沿いの食事処で昼食をとることにした。日替わりの定食を頼むと、セリの鮮烈な香り際立つおひたしに、ウドの酢みそ和え、フキの煮物、それ大滝名産のグリーンアスパラが。予期せず大滝の山の幸をいただけた。セリや蕗は、店主が朝採ってきたばかりという。これも大滝ならでは。農産物直売所も昨年からオープンし、地元の新鮮な野菜や山菜などが並びます。
 
 少し足を伸ばして、三階滝公園へ。滝を眺め、名物のアロニアソフトクリームを食べ、甘い水と遠方からも汲みに来る人が後を絶たない「甘露法水」をいただいていると、コースからは雲に隠れて見えなかった、徳舜瞥山が顔を見せてくれた。
 これで温泉に入ってゆくっり休めば完璧だ。

●ノルディックウォーキングコースについてのお問い合わせは
伊達市教育委員会 教育部 大滝教育事務所
〒052-0311 伊達市大滝区本郷町84−1 TEL0142-68-9333

●ノルディックウオーキングについての情報・お問い合わせは
大滝ノルディックウォーキング協会
伊達市大滝区優徳町64-10
TEL&FAX 0142-68-6106(藤田)
http://www.phoenix-c.or.jp/~fujita/



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