野田 構想の中身について、音楽と美術のマスタークラスの推進や、またそれらを市民に啓発するための事業をどのように推進してゆくべきか、ご意見を伺いたいと思います。
北海道のジュニアを
どう育てるか
阿部 マスタークラス自体が、2泊3日のキャンプの形をとれると良いと思います。個々のレッスンがあり最終日に発表を行う、または施設や学校へ行き公演することができれば市民が受益者となり、事業の意義が分かりやすいでしょう。
対象を考えた場合、フルートに関しては音楽を専門にやっている子よりも普通の中高校生を対象としたいです。前回もお話したとおり、のびのび育った北海道の子は伸びる可能性が高いのです。現状では、中学高校では吹奏楽に偏り、専門的に学べない子が多いので、そこに指導に入ると良いと思います。
野田 大人よりも子ども、それが理想です。地元の子ども、北海道のジュニアをどう育てるかが重要です。
地域への広がりを意識して
阿部 高名な方に指導で参加していただくことで、全国的にも注目度があがります。開催時期を検討すれば子どもは集まります。指導には空き時間を有効に使えるようアシスタントが必要で、レッスンを受ける場と同時に同じ建物内に個人で練習できる場があると理想的ですね。
|
|
2泊3日のキャンプで、子ども達はがらりと変わります。最後はホールなどでコンサートを開催。指導陣のコンサートをすることで、会自体のグレードもあげられます。
また、札幌から教えに来ている弦楽器の先生がいるそうですが、その生徒たちが岩崎先生のレッスンを聴くことができるようになると、より深い地域との関わりがでてくるでしょう。
岩崎淑、洸先生のマスタークラスはどこの都市にもっていっても成立しますが、伊達ならではの実施方法を考え、地域への広がりに知恵を絞るのが大切だと思います。
地元からの参加者を
増やすために
石田 岩崎先生のピアノマスタークラスに伊達から参加したのは1名だけです。他は他の街からです。地元から人材を出すという構想がこれでは問題です。
子どもにとっては、岩崎先生との出会いが大切なのだと思います。先生は上手な人を求めている訳ではなく、伸びる人を求めています。これからも「さあマスタークラスをやります、生徒を集めてください」と地元に投げ掛けるだけでは、うまくいかないと思います。「この子は伸びると思うが、どう指導すべきだろうか?」という指導方法の相談ができる機会をつくることは可能でしょうか?
阿部 指導者対象コースができた場合も、そこに指導者が参加しようという気持ちを引き出すことが大切ですね。
|