むしゃなび特集/2008年4号/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

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■ むしゃなび特集 2008年4号 ■
だて文化の未来その3 [4/5]
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冬の噴火湾文化研究所
野田 フランスでは「現代音楽研究所」を国がつくったのです。そこでは、人材をずいぶん育てているし、いい創作もしています。

楽木 「研究所」という名前で、良いこともありますよね。試行、試しができるということ。これは、ある程度の失敗も受け入れられます。大学の研究所でも素晴らしい研究がでてきていますしね。

拠点としての噴火湾文化研究所

野田
 最後になりますが ここを施設、拠点として、アートビレッジ構想の発信基地としてのご意見を伺えればと思います。

教育の場であり活動の場

野田 私は、ここが子ども達を育てるハイレベルの教育の場でありながら、実際に創作活動をやっている場になればいいと思います。音楽分野でも、教育の場でありながらも、先生方が泊まり込みで音楽をするための場所として利用されると良いです。
 

楽木 芸術、文化活動を将来においてつなげていくキーワードは「市民の寛大さ」ではないでしょうか。フォーラム参加者の中に、噴火湾文化研究所があるのを知らなかった、という人がいたそうですが、その人がその事実をどうとらえるかによって違ってきますね。知らなかったことが面白くないのか、それを知って良かったと思うのか。

信木 地元で創作活動をやっている方が疎外感を感じず、この活動を異文化でなく地元の文化だと思えることが大事です。ここが自分の活動の場であると思えるならば、一緒にやって行こうという気持ちになり、ここをシンボルとして、信頼しあい活動していけると思います。

大島 分かりました。信木先生流にいえば、まずはここを拠点にして周知を図る努力をするということですね。フォーラムで、10人の方の意見を聞いていて、そう思いました。
 「研究所」という名前が固いという方もいらっしゃいましたが。

 もう一つは、教室を2つくらい提供していただき、アトリエとして開放しモチーフを置き、描きたい人にきてもらえるようにすることと、展示室としての活用です。
 また、サロンが欲しいですね。フランスではいろんな分野の人、もちろん芸術家もいますが、皆が集え、芸術談義をできる雰囲気と場所があります。そういう場所がほしいですね。そこに行くと阿部先生に出会えるなんて、いいじゃないですか。
 活動としては、1ヶ月に1回なにかを行う。加賀乙彦さん、高橋睦郎さんが一つ、岩崎淑さん、洸さん、阿部さん、信木さん、私や永山さんのフェルメールなどの美術講座みたいなものが1回。そうすると12回くらいは今いるスタッフで埋まりますね。他に、バイロイト音楽祭の解説をNHKで長くやっていたワーグナー研究家、ドイツ文学研究家の高辻知義さん(東大名誉教授)と、プルースト研究家の保苅瑞穂さん(仏文、東大名誉教授、現獨協大教授)も手弁当で来てくれます。

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文化講演会「野田弘志・永山優子が語るダ・ヴィンチの世界」


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