楽木 芸術、文化活動を将来においてつなげていくキーワードは「市民の寛大さ」ではないでしょうか。フォーラム参加者の中に、噴火湾文化研究所があるのを知らなかった、という人がいたそうですが、その人がその事実をどうとらえるかによって違ってきますね。知らなかったことが面白くないのか、それを知って良かったと思うのか。
信木 地元で創作活動をやっている方が疎外感を感じず、この活動を異文化でなく地元の文化だと思えることが大事です。ここが自分の活動の場であると思えるならば、一緒にやって行こうという気持ちになり、ここをシンボルとして、信頼しあい活動していけると思います。
大島 分かりました。信木先生流にいえば、まずはここを拠点にして周知を図る努力をするということですね。フォーラムで、10人の方の意見を聞いていて、そう思いました。
「研究所」という名前が固いという方もいらっしゃいましたが。
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もう一つは、教室を2つくらい提供していただき、アトリエとして開放しモチーフを置き、描きたい人にきてもらえるようにすることと、展示室としての活用です。
また、サロンが欲しいですね。フランスではいろんな分野の人、もちろん芸術家もいますが、皆が集え、芸術談義をできる雰囲気と場所があります。そういう場所がほしいですね。そこに行くと阿部先生に出会えるなんて、いいじゃないですか。
活動としては、1ヶ月に1回なにかを行う。加賀乙彦さん、高橋睦郎さんが一つ、岩崎淑さん、洸さん、阿部さん、信木さん、私や永山さんのフェルメールなどの美術講座みたいなものが1回。そうすると12回くらいは今いるスタッフで埋まりますね。他に、バイロイト音楽祭の解説をNHKで長くやっていたワーグナー研究家、ドイツ文学研究家の高辻知義さん(東大名誉教授)と、プルースト研究家の保苅瑞穂さん(仏文、東大名誉教授、現獨協大教授)も手弁当で来てくれます。
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