■映画 ベアテの贈り物
市民会館 5/12 上映会 1:30,13:30 “リストの再来”と謳われたピアニスト、レオ・シロ
タの娘として、1923年、ウィーンに生まれたベアテ・
シロタ・ゴードンさん。5歳の時、山田耕筰に招かれ
東京音楽学校(現・東京芸術大学)の教授となった父
と共に来日した彼女は、第二次世界大戦を挟み再来日
した際、日本国憲法の草案作成の委員に起用され、そ
こに女性の人権の確立を盛り込んだ。生憎、条文の多
くはGHQの委員会で削除されたが、人権に関する14条
と男女平等に関する24条に彼女が書いた条項の一部が
残った。そして46年11月3日、日本国憲法公布。以
来、日本女性の社会進出は目覚しい。46年には女性が
初の選挙権を行使し、39名の女性議員が誕生した。ま
た、労働省に婦人少年局が置かれ、山川菊栄が初代局
長に選ばれた。47年、家父長制度が廃止、更に教育基
本法が施行され男女共学が実現。その後も、“国連婦
人の10年”の女子差別撤廃条約の批准、国籍法の改
正、家庭科の男女共修、男女雇用機会均等法の成立な
ど、真の男女平等を遂げつつある。日本で度々講演を
行っているベアテさんは、最後にこう締め括った。
「今の日本の女性は素晴らしいです。どうかこの憲法
を一層生活の中に活かし、今度は世界の女性たちのた
めに働いて下さい」と。