■東京に戻って行った妻
12日の朝、伊達門別駅8時47分発の『スーパー北斗1号』で心の伊達市民第2号の妻が東京に帰って行った。初めて会う人に『私は心の伊達市民第1号で、女房は2号です』とジョーク風に紹介すると、女房はすごく嫌がる。でも、事実である。 その女房が1週間の東京への里帰りをすることになった。
これは伊達に来る前からの約束だ。今までの夏は一度も東京に戻らなかったが、今年から戻ることになった。帰るのは伊達が嫌になったからでも、私が嫌になったからでもない。
色々と事情はあるが、毎年ここへ一緒に連れて来ていて、市内のMさん宅に預かってもらっていた愛猫の『ラーちゃん』が、今年は娘の家にいる。
そのラーちゃんにも会いたいし、留守宅を見てもらっている家政婦さんが年をとって頼りなくなったこともあるし、また行きつけの美容院にも行きたいし、私もたまには1人になりたいし、というような理由から毎月1回は東京に戻ることになった。
早朝の伊達門別駅は寂しい。本当は早朝でなくても、いつでも寂しい。
テレビ番組で『廃線になるローカル線の旅』なんていうのに出て来そうな駅だ。
定刻に発車したスーパー北斗は女房を乗せて走り去って行った。感動的な別れの場面も無く、特に感慨も無かった。それより、夕食は何を食べようかという方が気になった。
入れ替わりに、翌日は東京から私の中学・高校時代の友人が2人でやって来る。
彼らは女房の留守中の1週間を私と一緒に過す計画だ。
これから、ゴルフと海釣りと酒の毎日が始まる。独身時代に戻り、それもまた楽しみだ。
(おまけの話)
鬼の居ぬ間の内緒話だ。
今から30年ほど前のことだが、ある日、女房は庭で不要の物を燃やしていた。
その日は植木屋さんが来ていて、前日に銀行から下ろしたお金を支払うことになっていた。支払う段になり、お金を封筒に入れてあったお金を探したら無い。
色々と考えたら、なんと庭で燃やしてしまったのだ。
すぐに庭に出てみたら、1万円札の燃えカスが見える。
会社にいた私に電話がかかって来たので、銀行に話したら、『そのままそっと箱に入れて、日本銀行本店に持って行ってくれ』ということになった。
女房は小さな娘を連れて日本銀行へ行った。こういう人は多いらしく、大きなガラス板の上に燃えカスを広げて、ピンセットでつまみながら枚数を数える。10万円は全て帰って来た。大喜びの女房は隣の日本橋三越の特別食堂で美味しい物を食べ、買い物をして帰って来たら、10万円は殆どなくなっていた。