■アキバで萌え萌え
(2015年5月22日) 神田明神のお祭りの後に、混み合うお茶の水駅を避けて、秋葉原駅に向った。秋葉原が近付くと、ビルの壁面が派手なイラストで埋め尽くされていて驚いた。
アニメのキャラクターなのか、可愛い女の子の絵が多い。
町中が萌え萌えなのである。
幟も萌え萌え
昔の秋葉原は家電の安売りの町で有名だった。
私の世代だと、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などが安く買えると評判だった。
その頃、一世を風靡したのは「ヤマギワ電気」、「石丸電気」、「ラオックス」である。
ビルの壁面は全てアニメのキャラクターで埋められている。
それが郊外に安売りの大型店が出来て来て、家電販売が駄目になり、家電の取り扱いを止めてパソコン関連になった。それもしばらくして駄目になり、メイドカフェやAKB48などという私の理解を超える流行の発信地となった。
昔の店は殆ど時代の流れに乗れず、よく知っていた名前の店はどこかへ消えて行ってしまった。
ここは以前は「ラオックス」のあった場所だと思うが・・・。
久し振りに秋葉原の町を歩いて、あまりの変りように73歳では付いて行けない。町を歩いているのは、オタク風の若者と外国人観光客である。
外国人も普通の感じではなく、やはりオタクっぽい。
萌え萌えの看板だらけ。
街角には相変わらずメイドカフェの客引きのねえちゃんが立っていて、私にもチラシをくれる。漫画が壁面いっぱいに書かれた店を覗いても、外からは何を売っているのかよく分からない。
きっとゲームソフトや、キャラクターグッズを売っているのだろうが、中に入る勇気は無い。
店の入り口も萌えている。
騒々しくて、気分が悪くなり駅に向う。
昔は駅前で必ず何かの実演販売をしていて、それを見るのが楽しみだった。
しかしその場に行ったら何も無く、実演販売のオジサンもこの町を見捨てたのかもしれない。
秋葉原駅前。
若者はいつもスマホをいじり、ゲームをやり、イヤホーンで字余りの歌詩の音楽を聞いている。こんな人達がこれからの時代の中心になって行くのだと思うと、どうも日本の将来は暗い。
私の若い頃にも年寄りは、「最近の若い奴・・・・」と言って嘆いていたのだから、あまり心配は要らないのかな? でも、心配だ。
巨大な萌え萌えキャラクター。歩く人と比べると分かる。
でも、結局は「萌え萌え」とは何か分からずに帰って来たのである。
(おまけの話)
現役の時は秋葉原によく行った。 私の会社の取引先があったからだ。
この会社(A社)は私の会社の販売先で、一部上場企業の協力会で知り合った。
A社はバブルの時に隣の狭い敷地を購入し、ビルを新築して5億円の借金をした。そしてバブル崩壊で行き詰ってしまった。
ビルの上まで巨大な「萌え萌え」。
同じくB社は名古屋の会社だったが、バブルの時に株式投資の失敗で行き詰った。社長は養子だった。
C社は浜松町にあったが、能力不足と放漫経営でバブルとは関係なく行き詰った。この会社の社長も養子だった。
この街で萌えていないものは無い。
この3社に共通していることは、社長の生れ年が昭和8年で、いずれも取引先の会社の協力会の会長を順送りでしていたことである。
当社はこの3社と取引をしていたので、合計で1億円ほどの損失を出した。秋葉原に行く度に、このことを思い出して腹が立つので、なるべく秋葉原には近寄らないようにしている。
「もえてる?」と言われても、何屋か分からない。