木村友子(きむらゆうこ)さんは陶芸をはじめて15年。
「はじめたきっかけは現実逃避です」
今も思いのままに自由な創作を続けています。
「陶っ歩や(とうっぽや)」と名付けた木村さんの工房は、稀府のガーデンエクステリアショップ「山樹園カレン」の店舗の中にあり、生徒さんが集う創作の場となっています。
木村さんは、自分以外の人の作品にはいっさい手を入れたくないと言います。
「その人の作品ですから。私が手を入れると違うものになってしまいます」
また、お互いに教え合っている、と木村さんは言います。
「みんなから色々なアイデアが出て来て、誰かがやってみて、それを見てまた誰かからアイデアが出る、というように」
そうやって様々な作品が「陶っ歩や」から生まれてきます。
「ここでは何を作ってもいいんです。なんでもやってみたいことをやれる教室です」
基本だけでなく完成まで手取り足取り教えてもらいたい、という方はいませんか? と聞くと、
「そういう人はここには向いていないかもしれません」
きっぱりと言って笑います。
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現在、木村さんが作品で表現しようとしているのは「想い・愛」。
愛を求める気持ちは誰の心の中にでもある思い。
そんな思いを幼い子供の仕草や表情に見つけ、作品にします。
そしてもうひとつのテーマは「光と影」。
陶器に透かし(抜き)を入れ、そこから光を通すことで、作品自体から光が抜け出、また、その光によって周りの壁や床に美しい形の影が落ちます。
影も含めた「光と影」の作品です。(写真)
「どんなふうに作ればきれいな光になるか、試行錯誤を続けています」
「陶芸を始めたきっかけは現実逃避です」と、笑いながら語る木村さん。
確かに物作りというのは、そういう側面が常にあるのではないかと思いもして、はっとしました。創作による現実逃避は、現実を直視することと表裏一体。
陶芸を始めた当時、木村さんは勇払郡厚真町に住み、近くの陶芸教室に通っていました。
ろくろを使い始めのころは
「くずれて、さわって、くずれて、もうさわるなと言われて、でもさわりたくて、またくずれて、という繰り返しでした」
その後、夫の転勤で約10年前に伊達に来ましたが、しばらくの間は厚真まで時間をかけて通っていたそうです。
そんなとき、知人から、不用になった「窯」があるので使わないか、という話がありました。
窯があれば自宅で焼けるということもあり、よろこんでもらうことにしたのですが、運搬や、また設置にかなり大がかりな用意が必要だったと言います。(窯は自宅に設置)
やがて、自宅で焼きものを創作しているのを知った近所の人から、町内の陶芸教室をやってもらえないかという要望があり、それ以来、教室を続けています。
「今はみんなでわいわい作ることが楽しいです。お昼にみんなでお弁当を食べたり(笑)」
木村さんが教室に顔を出せないときでも、皆がそれぞれ都合のいい時間に来て制作できるようにしています。
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陶っ歩やで創作をする方々の合同展があります。(入場無料)
陶っ歩や ねんどあそび作品展 in カレン
時:2011年9月4日(日)10:00〜15:00
所:山樹園カレン エクステリア展示場
(屋外の展示場です。庭に置かれた作品を探す楽しみもあるとのこと)
陶っ歩や ねんどあそび作品展 in 大町ギャラリー
時:2011年9月5日(月)〜9月17日(土) 10:00〜17:00 日曜定休
所:
大町ミニギャラリー
北海道伊達市大町3−7(郵便局の斜向い)和美工房
ねんどあそび陶芸教室(見学自由):
場所:山樹園カレン内「陶っ歩や」
日時:毎月第2第4の水曜〜土曜 10時〜16時
(曜日はその月によって変更ありますのでお問合わせください)
(午前または午後のみの参加も可能です)
費用:粘土1Kg2500円(釉薬・焼き上げなど、全ての費用が含まれています)
※基本的には1回2日間で仕上げる短期受講です。
※ねんど1Kgは、中くらいの皿2枚分が作れるくらいの量です。
※2Kg以上の場合は、1500円/1Kg(数回にわたって続けたい方)
詳細はお問い合わせください。
陶っ歩や
北海道伊達市北稀府町85 山樹園カレン内
電話 090-5221-4068(木村)
陶っ歩やHPはこちら
山樹園カレンHPはこちら
※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2011年7月)
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