新シリーズ「夢中になるひと」のはじまりです!
第1回目に紹介するのは、
ウクレレに夢中になる人、木元克弘さん。(伊達ウクレレ協会代表)
5年前に初めてウクレレを手にしてから、
ウクレレ熱がヒートアップしつづけ、
1年前に「伊達ウクレレ協会」を立ち上げました。
現在、様々な場所で演奏するように。
所有するウクレレは20台以上。
「どれひとつとして同じ音色はない」と木元さん。
その中から何台かのウクレレを見せていただきながらお話を聞きました。
初めてウクレレを買ったときのこと
木元さんが初めて手に入れたウクレレは「
Ko’aloha(コアロハ)」というメーカーのもの。
もともとハワイが好きで何度か訪れていた木元氏でしたが、ウクレレを買おうと思ったのは、「弟が弾いていて、それを触ってみた」のがきっかけだそうです。
「弦のチューニングに驚いて、なんだこりゃ!と思いました」
ウクレレのチューニングには「 Low-G」「High-G」という2通りあって、High-Gは、普通の弦楽器とは違って音の高さが順番に高くなる(又は低くなる)のではなく、一番低いはずの弦が高い音を出します。
そのことを知った木元さんはウクレレという楽器に興味を抱き、惹き付けられ、次にハワイを訪れたとき、意気揚々とウクレレショップに向いました。
この時はまだウクレレに詳しいわけではありませんでしたが、買おうと考えはじめてからウクレレについて調べた末、「
KAMAKA(カマカ)のウクレレを買おう」と考えていたそうです。(後になって、初めての一本にカマカを買うのは「免許取り立ての初心者がベンツを買うようなもの」だった、と分かったそうです)
幸か不幸かハワイのウクレレショップにカマカのウクレレはありませんでした。
そこで、ショップの人に簡単なレクチャーを受けてウクレレを弾いてみて、「正にウクレレ」と言われているハワイのメーカー「コアロハ」のコンサートサイズの一台を購入しました。
このウクレレは、ハワイに育つ「コア」という木で作られており、ウクレレならではの「からっと明るい、ハワイっぽい」音を出し、初めての一台には最適なもの。
人間に例えると「陽気な次男坊」タイプだと木元さん。
弾き込んで5年が経つこの一台は、一緒に育ってきた想い出深い一台。
ウクレレには4つのサイズがありますが同じコアロハのソプラノタイプを愛用しているのは、木元氏の奥様の早苗さん。このウクレレは明るい音を出し、また早苗さんにとって何より弾きやすい一本。人に例えて言うなら「陽気で元気な末娘」。
(ウクレレのサイズは、小さいものから、ソプラノ、コンサート、テナー、バリトン)
早苗さんは、伊達赤十字病院にお勤めで、震災のとき現地に飛んで大活躍した看護師さん。
ブログむしゃなび「LET’s UKULELE」で人気の、あの「猫まんが」の作者でもあり、初めてお会いしたとき、編者は思わず握手を求めていました。
(早苗さんについては、改めて別の機会にご紹介することにします!)
ウクレレとネコが大好きなこのお二人。並ぶと、まるで夫婦漫才でも始まりそうな楽しい雰囲気。このコンビネーションの良さが伊達ウクレレ協会の柱なのでしょう。
いろいろなウクレレ
入門用におすすめなのは「
アラモアナ」のウクレレ。
安定して冒険しない、おっとりした、おとなしい性格。
クマやウサギの形のホールがかかわいいウクレレは、
YouTubeで人気の「あみぐるみバンド
U900 」という ウクレレ デュオのキャラクターウクレレ。ひょうたん型のほかにパイナップル型もあり、音は「ころんころん」した感じで、こう見えてなかなかの優れもの。ヘッドの模様もかわいい!(でも、かわいすぎない、いい感じです)
ギターメーカー「
コリングス」のウクレレは、マホガニー材を使って丁寧に作られた一本で、ホールから中を覗き込むと見える木目の細かさや接合部分の正確さは、さすがコリングス、と木元さん。
台湾のメーカー「
サムズ」のウクレレは細工模様の美しい色白のウクレレ。
やわらかい音で、そして音の伸びが非常に良く、長い残響音が特徴。
最近、人前で演奏するときはほとんどこれを使っているという「忠実で、信頼できる相棒」。「世話になっている」ウクレレだそう。
編者が思うに「台湾からやって来た誠実でロマンチストな美青年」というところだろうか。
背面にはハチドリの図柄の模様が入っていて、
「この裏面は、演奏中はみなさんの目に触れることはありません。 私が、トリッキーな演奏方法をマスターしたら、裏返して演奏するかもしれませんが」(ブログより)ということ。その日をぜひ目の当たりにしたいものです。
さて、お待たせしました。
最後に紹介するのは、木元氏曰く、ウクレレ界のベンツ「
カマカ」のウクレレです。
先にも書きましたが、一台目のウクレレを購入してから5年が経った今(取材に伺った前日)到着したばかりの念願の一本です。
「どうですか?やっぱりいいですか?」
と聞いているうちにも、うっとりした陶酔の表情でカマカを奏で、自分の世界にひたってしまっている木元氏。
「・・・新しいウクレレが来ると夕方6時頃から夜中の2時までずっと弾いてますから」と早苗さん。
このカマカのウクレレについてはブログ(下記)で、木元さんがメロメロな表情が目に浮かぶような文章で詳細を語っておりますので、そちらをご覧いただくのが一番かと思います。
名言?
さて、木元氏は、ここで紹介した意外にもたくさんのウクレレを持っていて、これからも増えてゆきそうな勢い。
そのせいか「考えてみると最近、練習時間よりメンテしてる時間が長くなったかもしれない」と木元氏。
なぜそんなに欲しくなるのかをたづねると、
「ためしてみたくなるんですよ」。
すると早苗さん、カンパツ入れず、
「またウクレレを買ったのがわかって何か言うと、いつも「ためしに」って言うんですよ!」
演奏する曲の数だけ、曲に合う音のウクレレを探し、「ためしに購入」。
「ためしに」って、、、すでに購入しているではないか、と誰もがつっこみたくなりますよね。
すると、また、木元氏の口から、こんな名言も。
「ウクレレを隠すのは、ウクレレの中・・・」
つぶやいて、にやりと笑う木元さん。
「でも、密度の違いになんとなく気づく」という早苗さん。
素晴らしい仲良しご夫婦なのでした。
余談:ブログ「LET’s UKULELE」内部事情
木元夫氏は伊達ウクレレ協会のブログ「LET’s UKULELE」で、ウクレレについて沢山の記事を書いていますが、実はアクセス数が跳ね上がるのは、早苗さんが愛猫の写真をコマまんがに仕立てた「猫まんが」をアップしたとき。
そこでブログのタイトルを「LET’s Cats」にしてみたところ、思わくは外れ誰にも気づいてもらえなかった、という笑い話があります。
「磯辺さんもソーラスさんも(フォロー抜群のむしゃブロガー)気づかなかった!」
それで1週間後、やはり元の「〜UKURERE」に戻したそうです。(が、早苗さんはちょっと悔しそう)
ネコウクレレありませんか?
今後手に入れたいウクレレの一本はネコがモデルのウクレレ(ヘッドや、ホールの形がネコだったりするもの)。どこかにあったら絶対欲しい、と。
木彫細工師か、楽器メーカーか、とにかく「ネコウクレレ」を制作している方、これを見たら、木元氏まで連絡を!
伊達ウクレレ協会
〒052-0013 北海道伊達市弄月町 TEL: 050-1111-7659
むしゃなび内伊達ウクレレ協会のページ / ブログ「LET’s UKULELE」
動画:音色聴きくらべ
※記事の内容は取材時の情報に基づいています。
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