FMびゅーってどんなところ? <レポート by S >
FMコミュニティー放送をご存知ですか。
基本的に1自治体に1局が認められた、出力20Wの小規模な民間放送局です。
小規模と言っても、大きなラジオ局も小さなラジオ局も、聞こえ方は同じですから、リスナーから違いは分かりません。電波の出力が100Wなら、ちょっと遠くまで届くといった違いです。
室蘭市輪西町から放送しているのがFMびゅーです。
「室蘭まちづくり放送株式会社」が運営しています。
輪西町のキクヤという家具店の2階に、
放送局があります。
狭い事務所の中には、
室蘭の人にとってはラジオで耳慣れている、
あの声のあの人が…。
こちら(写真下)は、
パーソナリティーの古屋ひかるさん。
スタジオは窓際にあり、この日はちょうど古屋ひかるさんがパーソナリティ−をつとめる「ミラクル!」を放送中でした。お昼の人気番組で「ジャンケンで5連勝する」といったテーマ等で、月〜金。
ひかるさんの机はちょっと乱雑ですが、目標をパソコンに張るといったアナログなところがイイな。
こちらは真面目にパソコンに向かっているパーソナリティーのけんみさん。けんみさんは伊達市民なんだ。毎日、輪西に通っているので見かけたら手を振ってね。
現在、FMびゅーは伊達市の黄金町ぐらいまでしか電波が届いていない。性能の良いカーラジオなら山下町でも聞こえるけれど、ポータブルラジオじゃ聞こえない。そこで、噴火湾文化研究所の敷地内に中継アンテナを立てる計画が着々と進んでいる。
順調にゆくと8月中には伊達市内のほとんどの地域でも番組が聴けるようになりそう。地域密着型の放送局だから応援したいね。(S)
パーソナリティーになってみよう!<体験レポート by M>
今年2012年8月から、伊達でも聴くことができるようになる予定のFMびゅー。
このFMびゅーは、放送局を支えるサポーターやパーソナリティーを一般から募集し、ボランティアスタッフ等として誰もが参加できる仕組みになっている。
会員として入会し(会費あり)、規定の講習や、番組を想定した試作を経て、ラジオ局から認定されるとパーソナリティーとしてラジオ番組を持ったり、番組を制作することができるのだ。
(他に、スポンサ−を見つけて番組を作るという場合もある)
昔、眠いのに夢中で聞いていた「オールナイトニッポン」のような番組を作ることができたら、どんなに楽しいだろう!
などという夢を抱きつつ、室蘭在住のTさんと一緒に、伊達在住のわたくしMは、まず「パーソナリティー講座」を受けることにした。
<パーソナリティ−への道1・講座を受ける>
講座は、FMびゅー輪西スタジオの中にあるもうひとつのスタジオで行なわれる。
約4時間ほどの講座で、パーソナリティ−としての心構えや、番組制作の基本を教わる。
先生は、パーソナリティ−でもある沼田勇也さん。物腰がやわらかいこの方は、このラジオ局を立ち上げるために2001年から準備を始め、今も毎日全力で動きまわっている「室蘭まちづくり放送」の代表。
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ラジオの歴史からはじまる講座は、ラジオとはなんぞや、そして
コミュニティーFMの役割とは? などの説明へと進む。
改めて知ることもあり、また、ラジオについての知識をトリートメントされるような気持ちで聞く。
「ラジオは、TVと違って、リスナーからの声を聞きながら進められる「2WAY」メディアである」「リスナー自身が想像力を自ずと働かせる余地のある貴重な媒体」などなど。
けっこう面白く「ラジオっていいなあ」という気持ちが、ぐっと盛り上がる。
中でも、
「ラジオは弱い電力(20W)で発信できて、
災害のときにはどのメディアより強い」場合があるというお話。
災害時は、電気がなくTVが映らなかったり、ネット回線もパンクしたり、と、まだ問題も多い。大きな災害を予想すると、送り手にとっても受け取る者にとってもラジオは心強い味方なのだ。
しかも地方発のコミュニティーFMならごく身近な情報を得ることができる。
伊達の中継所ができて伊達でも聴くことができるようになると、有珠山噴火などの緊急時に、連絡や情報の命綱となる場合だってあるかもしれない。
これは、心して、協力したい。思わず力が入るというものだ。
もちろん普段の放送にも役目がある。そのあたりのお話も大切。
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そして次は
制作のためのお話。
どんな番組が求められているのか?
役に立つ地域の情報と、楽しいエンターテイメント的な要素の両立を考えつつ番組を作るのが基本。そのための手法はいろいろある。
ここで講習も半分まできて、10分の休憩。
先生は休憩、しかし、生徒にとって休憩とは名ばかりのシンキングタイム。休憩前にこんな宿題が出されたからだ。
「一分間 身のまわりニュース」を作る。
身のまわりに起きた出来事を一分間でしゃべってみよう!というもの。
作るためのコツやヒントを聞き、自分ニュースをまとめる。
TもMも、うけとった紙にメモをはじめたり、
外に出たり、トイレに行ったりしながらも、考えている。
さあ、発表の時間が来た。
Tの1分間自分ニュースは、見事なものだった!
最近出会ったオモシロ人物の話題で、二人のリスナーからは爆笑までもをもぎ取った。声もいい。
沼田先生が褒めた。「何も言うことがないです!カンペキです」そして「今のは何分だったと思いますか?」生徒たちは時計を見ない状態でスピーチしている。先生は私たちの予想を待たずに前のめりで言った。「なんと、1分3秒でした!」
・・・Tよ、あなたは人間時計?
さて次はMの番。
話題は「わすれもの」。ごく最近のはずかしい忘れ物と、過去の忘れ物事件を発表。
出だしで、いきなり、言わないほうがいいコトバ「というわけで」からはじめそうになるも、ぐっとがまんして飲み込む。
少しだけ笑いをとったのを期に途中からはとにかく夢中で喋る。
終わったあと「何分だったと思いますか?」と聞かれ、生徒二人は「1分は越えている」とは確信していた。「1分30秒くらい?」
すると先生「2分30秒でした」と言い放つ。そうか、話がノッてきたあたりからうっすら気づいていたが、先生の表情のあの微妙な変化は「もう時間越えてます」という表情だったのか、と腑に落ちる。
そして先生、指摘。
「はじめのほうは、ニュースではないですよね」「盛りだくさんすぎる」など。
他に自分自身の反省としては「おしゃべりにのめり込んでくるとどんなコトバを使ったのかぜんぜん気にしなくなる、時間もまた同じ」というあたりだろうか。
普段から話し言葉を整えてゆく必要かある、と感じた。
そして時間的な目安が、自分の中に少し記憶されたような気がした。
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その後は、パーソナリティ−としての「
言葉」について。
発音や、イントネーション、そして放送禁止用語。
色々と面白い発見をして、生徒、盛り上がる。
「開局のとき発音の練習をして、顔の筋肉痛になりました」と沼田氏。
「筋肉痛で、本番、話せなかったりして。ふがふがふが」と生徒T。
「あ、こんな言葉も放送禁止なんだ?」とM。
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8月には番組の企画書を提出、9月には試作の番組を録音し、審査を受け、
オッケ−となれば10月から番組を持って放送開始の予定。
うまくいくでしょうか。オンエアを目指し、レポートを続けます。
自分もパーソナリティ−になりたい!という方は、下記、FMびゅーまで連絡を!
(M)
パーソナリティ−の佐藤美里さん。西胆振の夕方を伝える「イブ・ラジ」生放送中。
室蘭まちづくり放送株式会社
〜まちを音で伝える〜
FMびゅー<84.2MHz>
〒050-0085 北海道室蘭市輪西町1−32−8 2F
電話 0143-84-1662 / FAX 0143-84-1663
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※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2012年)
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