洞爺湖周辺の大地(ジオ)の恵みを味わおう パート1/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび


◆ 洞爺湖周辺の大地(ジオ)の恵みを味わおう パート1 ◆
掲載日:2012.12.11 [1151]

 
 
<<<洞爺湖周辺が食材の宝庫である理由>>>  
 
札幌から洞爺湖に移住して早4年。 
正直、札幌にいた時は、洞爺湖というと温泉位しか思い浮かばなかったが 
思う以上に食材が豊富で、肉、野菜、魚介etc・・・。 
と何を食べても本当に美味しい!! 
前職で北海道の食べ歩きコラムなどを書いていたので、 
北海道の食材についてちょっと語らせてもらえれば、 
道内でも随一の食材王国だと個人的には思う。 
 
でも何故、このエリアにこれほど山海の幸が揃っているのか。 
その大きな要因は伊達方面から洞爺湖へ向かうと 
ど〜んとそびえ立つ有珠山にある。(写真・上) 
 
日本初で世界ジオパークに認定された、まさにこのエリア象徴の山だが、 
誕生したのは約2万年前で、その後、現在までに9回噴火を繰り返している。 
その度に周囲に甚大な被害を招いたが、反面、大地に大きな恩恵も与えた。 
 
<噴火の恩恵 一つ目は土壌>  
 
噴火によってもたらされる火山灰は、 
通常、酸性で大地を死滅させるといわれているが、 
有珠山の場合は幸いにもアルカリ性で、 
降り注いだ火山灰や軽石が長い時間を経て風化することで 
ミネラル分が豊富な土壌を作り上げた。 
有識者によると有珠山周辺の土は、1822年文政噴火の際の火山灰が 
土台で、黒ぼく土と言われる排水性の良いものだとか。 
 
 
(羊蹄山を望む洞爺湖町高台にはとうもろこし、豆などの農地が広がる)
 
洞爺湖町では実に約200種類もの野菜が生産され、 
壮瞥町では砂状の火山灰土壌に適したリンゴ、ブドウ、サクランボなど 
約20種類を栽培。豊浦町のイチゴ、伊達市の野菜の知名度は高く、 
2012年4月移転オープンした道の駅「伊達歴史の杜」の伊達市観光物産館では、 
通年を通して多品種の野菜が販売されて人気を博している。 
 
(壮瞥のくだもの村では春〜秋にかけて果物狩りが体験できる)
 
 
<噴火の恩恵 二つ目は洞爺湖の浄化>  
 
洞爺湖は11万年前の噴火でてきた巨大な窪地に 
長い年月をかけ雨水や川の水がたまったもの 
 
かつてオロフレ峠近くに 
道内最大の硫黄鉱山があったのをご存じだろうか。 
そこから流れる強酸性の排水が長流川を経て 
洞爺湖に流出することで湖水が酸性になり、 
1970年頃には生息する魚介類がほとんど死滅してしまった。 
 
1972年に排水の中和が開始され、1973年に鉱山が閉山したが、 
湖水を大きく浄化したのは1977〜78年の有珠山噴火だ。 
アルカリ性の火山灰が降り注いだことで湖水が中和された。 
そのことで大正時代から洞爺湖漁協が続けてきた 
ヒメマス、サクラマスの稚魚放流がやっと報われ 
再び洞爺湖にヒメマスが戻ってきた。 
 
(毎年、春になると地元小学生がヒメマスの稚魚を洞爺湖に放流)
 
 
現在は12月〜3月、6月に限定して 
ヒメマス、サクラマス、ワカサギ漁を実施。 
洞爺湖のヒメマスはエビ科プランクトンを食べて 
生育するため身が赤く、魚体が大きいのが特徴だ。 
 
 
洞爺湖のヒメマス料理は旬の時にしか味わえない
 
 
<噴火の恩恵 三つ目は噴火湾の地形>  
 
噴火湾ではホタテ、タコ、カレイなど様々な魚介類が 
水揚げされるが、その要因の一つはすり鉢状になった地形にある。 
周囲の山々から流れ込む養分が止まりやすく、 
魚のエサであるプランクトンが豊富なのだ。 
また噴火により噴火湾沿岸に崩れた無数の岩山が海に流れ込んだ事で、 
海底に岩礁が多く魚の絶好のすみかとなっている。 
 
(噴火湾産ホタテの水揚げは11月中旬〜3月)
 
ちなみに噴火湾でのホタテ養殖は 
礼文の若い漁師たちが水産普及指導員の協力のもと昭和41年からスタートさせた。 
 
現在、全国4ヶ所に「ホタテ養殖発祥の地」の記念碑があるが、その一つがいぶり噴火湾漁協・礼文出張所に建っている。 
 
(記・後藤洋子)
 

※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2012年)  

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