洞爺湖有珠山ジオパークを体感しよう・パート1 /伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび
◆ 洞爺湖有珠山ジオパークを体感しよう・パート1 ◆
掲載日:2013.05.31
[1169]
<大有珠山頂体験>
やっと春らしい気候になって、
例年より10日ほど遅く洞爺湖周辺の桜も開花。
見頃は過ぎてしまったが新緑が気持ちよく、
外遊びが楽しいシーズンがやってきた。
そこでエリアまるごと世界ジオ(地球)パーク(公園)という
洞爺湖有珠山エリアを体感する新シリーズをスタートさせよう。
第一弾は有珠山の最高峰である大有珠山頂へ。
通常、大有珠山頂は立ち入り禁止区域だが、
年1回、火山マイスターなどが同行し、
自然災害への備えを学ぶ学習会でのみ入山できる。
5月25日に実施すると聞き、早速、参加させてもらった。
参加者は観光関係者など58名、
登山初心者なので不安だったが、最高齢は85歳と聞き一安心。
中腹の北外輪山までバスで移動し、
標高733mの大有珠山頂を目指した。
素晴らしい洞爺湖の景観を背後に、
まずは1977~78年の噴火で誕生した標高669.6mの有珠新山へ。
有珠山は約2万年前に形成したが、その後、何度も噴火を繰り返し、
山頂噴火ではオガリ山、大有珠、有珠新山などの新山が誕生、
今回はその中の二つを約2時間かけて巡る。
30分ほどで有珠新山へ到着。
眼下に広がるのは有珠山頂最大の「銀沼火口」だ。
この火口も1977~78年の噴火によってできたもの。
噴火以前は森林に囲まれた沼の周囲に牛が放牧され、
地元の人がハイキングや遠足でよく訪れたという。
1977年8月7日に始まった山頂噴火は噴煙が高さ1万m以上に達し、
街には噴石や降灰が降り注ぎ、多くの建物が被害を受けた。
洞爺湖温泉には昭和新山火まつりを見物するため、
沢山の観光客が訪れていたそうだ。
今も白い噴煙が立ち上る生々しい火口から
視線を先にのばせば、噴火湾沿いに市街地が広がり、
火山が思う以上に近いことをつくづく実感。
一息ついてから、有珠新山の峰沿いを歩きいよいよ大有珠へ。
山頂に近づくにつれて付近一面、ごつごつした溶岩となる。
触るとぽろぽろと崩れそうな岩肌は、
瞬時にマグマが冷やされて固まったため。
それでも年月を経て所々に植物が根付いているのだから驚きだ。
頂上付近から1943~45年に誕生した昭和新山が見える。
畑地だった場所から噴火により
ムクムクと地盤が隆起した火山は標高398m。
当時の壮瞥郵便局・三松正夫氏が噴火過程を
つぶさに観察・記録したスケッチは、
「ミマツダイヤグラム」と命名され、
今もなお火山誕生の記録として高く評価されている。
大小異なる溶岩に足をとられながら、
慎重に歩を進めて何とか頂上に到着。
一息ついて見下すと洞爺湖に浮かぶ中島の先に、
雲のかかった羊蹄山が見える、まさに絶景だ。
中島や羊蹄山は毎日のように見ているが、
火山マイスターから様々な話を聞き、
直に触れることで体感する感動があることを
久しぶりに思い起こした貴重な体験となった。
ちなみに有珠山ロープウェイを利用すると片道6分で有珠山中腹まで登ることができ、苦労して登山しなくても、手軽に昭和新山、洞爺湖、噴火湾を一望できる。
山頂駅から続く「有珠山外輪山遊歩道」は、大有珠、有珠新山などを間近に見ながら銀沼火口を展望できるフットパスコースだ。
火口原展望台から600段の階段を下り、折り返しポイントの外輪山展望台まで片道約70分とちょっとハードだが、汗をかいただけの苦労は報われるはずだ。
記事:後藤洋子
※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2013年)
《他の特集を読む》