今月、9月6日、石蔵ミュージアムでコンサートイベントが行われます。
ジャンベ(アフリカンパーカッション)を中心にした「N’DANA Meets BENOIT」。
伊達での開催を担う「大衆文化企画」の櫻井知津子さんに、お話を聞きました。
-----<大衆文化企画では>-----
「大衆文化企画」は
伊達にミュージシャンを呼んで音楽を楽しもうという活動を数年前から始めていますが、今後、内容をさらに充実させていく予定。
「大衆文化企画」の櫻井さんは社会福祉法人伊達コスモス21・ふみだすに勤め、また「伊達肢体不自由児者父母の会」の事務局でも活動しています。
「自分が音楽が好きだということもあって伊達に色々なミュージシャンを呼んで生で聴けたら、と思って始めたんですが、その他に、もう一つの思いがあって」
と櫻井さん。
「障がいのある子どもは、でかけることができないんですよ。コンサートなんて行ったことがないんです。子どもばかりではなく親も、介護していたらゆっくり音楽を聴きに行くことなんかできないし、リラックスする時間もなかったり」
重度の障がいのある子どもも、そして介護する親にも、音楽を楽しんでもらいたくて始めたのが毎年のクリスマスコンサート(伊達肢体不自由児者父母の会)。
ベッドや点滴や看護師さんも一緒に会場に来ることができた子どももいました。その子にとってそれがはじめての外出だったそうです。
「一般のコンサートでも、専門の者がいて受け入れていたら、介護者も安心して一緒に楽しめますよね。それで9月のコンサートは、一般の料金は大人2000円ですが、障がい者は介護者と2人で一人分の料金にしています。みんな一緒に楽しみたいんです」
また、
「室蘭や函館に来ても、伊達をスルーされてしまうのが悲しくて」とも言います。
地元側の協力者がいなければ公演はできません。
その役割を担っていきたいと櫻井さんは考えます。
「誰でもが楽しめるコンサートがあること、色々な素晴らしい音楽があることを、皆に伝えたいんです。自分が一番楽しみたいんですけどね!」
-----<9月のコンサート、開催決定のきっかけは・・・>-----
伊達駅前商店街で新しい建物の建築がはじまり、
それまで武者まつりと同時開催していた「ろじうら祭り」も消えることになりました。
「毎年、お祭りの日は路地裏でぷらぷらして久しぶりの友達と会って飲んだりしていたんですが、路地裏がなくなったから、どうしようか、と「青葉」の新田知子さんと話し、結局祭りの夜は二人で飲むことにしたんですよ」
年に一度のお祭り気分は路地裏がなくなったからといって消えず、場所を変えて飲みながら、
「酔っぱけて(笑)、夜の11時半に二人で「山ちゃんの音が聞きたいね〜」と盛り上がって、勢いで電話したら、電話に出たんですよ。「まだ寝てなかったよ」って」
その「山ちゃん」とは、N’DANA(ンダナ)のメンバーでジャンベ奏者の山北紀彦さん。
約10年ほど前に櫻井さんが企画した障がい児と父母のためのクリスマスコンサートに、出演者として呼んだのが、付き合いのはじまり。
N’DANAはそれ以後も様々な所で演奏活動をしていますが、山北さんは北海道を出て現在は奄美大島に在住。
櫻井さんは武者まつりの夜、山北さんと電話で話し、9月にツアーで北海道に来るということを知りました。
「だったらもうやるしかないと思ったんです!」と櫻井さん。「9月6日がちょうど空いてるということで、伊達でのライブを即決しました」
-----<「N’DANA Meets BENOIT」出演者は>-----
9月6日(金)に予定されているコンサートの出演者は、N’DANA(ンダナ)と、アフリカから来日するBENOIT MILLOGO(ベノワ・ミゴロ)さん。
N’DANAのメンバーは、山北紀彦さん、MASATOさん、三田健司さんの3人ですが、
最近は山北さんとMASATOさん、2人での活動が多く、今回もこのお二人。
-----<N’DANA、出会いのエピソード>-----
アフリカンパーカッションのユニットN’DANAと言えば、洞爺や伊達では覚えのある方も多いかもしれません。
そのN’DANAの山北氏は、はじめ一人でジャンベを叩いていました。
山北氏のライブのポスタ−を、函館のある飲み屋で見てスタッフとして手伝いたいとやってきたのが三田氏。彼は和歌山からバイクで旅をしている途中でした。
少しタイコがたたけると三田氏が言ったので聞かせてもらうと「けっこう上手くて(山北氏談)」。一緒にやろうということになり、三田氏は和歌山に帰らずに函館に留まることに。
そのころのユニット名は「ドンパラ」。
(三田さんは現在、洞爺を中心に活動するユニット「トヤトヤ」のリーダーとしても活躍中)
その後、ドンパラのライブの日、準備のために早い時間に会場に入ると、すでに誰かがタイコをたたいていて「それがすごくうまいんで、しかもすごく若く見えて、そんなに若いのになんでそんなにうまいんだ?と思っていたら、実は自分より10歳上だったんで、ならわかる、と思ったんですが」
それがニューヨークから帰ってきたばかりのMASATO(木村優斗)さんでした。
自分でジャンベを作っている山北さんは、そのジャンベを叩いてみてくれとMASATOさんに。それをたたいたときの音は「もう、すごくて。あまりにもいい音で、頭がおかしくなるくらいビックリしたんですよ!」
次の日、札幌でのライブの予定だったので一緒にやらないかと誘い、札幌でのライブの2日間、共に演奏しました。これが3人での演奏のはじまりだったそうです。
そして今回のツアーでは西アフリカから来たBENOIT(ベノワ)さんと一緒に演奏します。
BENOITさんと山北さんは、淡路島在住の音楽ユニットを介して出会いました。
「BENOITさんは、明るくて、人を楽しく盛り上げ、ステージの上でも下でも変らない演奏をする人。やさしい気持ちを持った人」と山北氏。「気持ちが合うんです」。
全身にタイコのリズムを感じたら、イヤなことは全部忘れて何かを発見する?
そんなコンサートかもしれません!
飲食店「めしカフェ」から軽食などの出店も予定。
2013年9月6日(金)
場所:石蔵ミュージアム(伊達市・伊達紋別駅東側)
時間:OPEN 18:30 START 19:00
料金:2,000円 中学生以下 1,000円 車椅子介助必要な方 2人で2,000円
問:前日まで0142-21-1112(青葉)/当日は090-9520-2415(桜井)
出演者プロフィール
※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2013年)
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