普通は「麻雀」と書くマージャン。
この教室では「麻将」と書きます。
これは、最近、一般社団法人となった「日本健康麻将協会」からくるもので、
関内地区に在住の飛塚睦子さんはレッスンプロの資格をもって
女性限定のレディース教室を開いています。
緑に囲まれた東関内町、昼下りのレッスン教室にうかがってみると、
部屋の中は女性たちのいい香り。たばこの匂いなどいっさいしません。
いい空気の中で、皆さん、良い姿勢で、卓に向っていました。
このときは2つの卓を使い8人の女性がゲームを進めながら学んでいました。
健康麻将は『賭けない、飲まない、吸わない、健康マージャン』。
純粋な「頭脳スポーツ」なのです。
「マージャンと言えばとかく悪いイメージがありますが、ここではいっさい賭けません」
高齢者にもおすすめのうってつけのゲームなのだと飛塚さんは言います。
「頭を使いますし、コミュ二ケーションのためにもいいんですよ。麻将は4人で行うゲームなので、1対1ではないのがとても良いんです。勝っても負けても対戦相手に悪い感情を持ったりしませんよね。4人というのは楽しめるベストな人数なんだと思います」
なるほど、です。
「賭けないと気合いが入らない、という方は、ここにはいませんし、向きません。健全な頭脳スポーツだということをもっと多くの人に知ってもらってマージャンのイメージが変ればいいなと思っています」。
飛塚さん自身はマージャンと言えば子供の頃に家族で楽しんだ家族マージャン。
その温かい思い出があり、そんな明るくて楽しいマージャンを皆に知ってもらいたいと考えます。
「仕事(自営業)のほうの忙しさが少し一段落したとき、北海道新聞社主催のマージャン教室の生徒募集を見かけて、なつかしいなあ! と思ったんですよ。それでインターネットで色々調べて日本健康麻将協会のことを知りました」
東京の日本健康麻将協会の本部で
レッスンプロの資格を取ったのは、
約3年前。
「息子が勧めてくれたんですよ。点数の数え方だけ必死で覚えて東京に向いました」
生徒さんたちは室蘭や伊達から月3回ほどこの教室に通っています。
習いはじめたきっかけは、
「主人がやっていて自分も覚えたいと思った」
「少し知ってるけれど点数を数えられるようになりたくて」など。
お弁当持参で昼食をはさんで、わきあいあいと息抜きをして、
また頭脳ゲームははじまります。
この健康麻将では、
牌を捨てる時は大きな音を立てない、とか、リーチするときの動作の順番、その意味なども
ルールやマナーとして教えています。
最近、国際ルールもできつつあるという競技としてのマージャン。
中国や日本の他にどんな国がマージャンをやっていると思いますか?
なんと、アメリカ圏をはじめヨーロッパ各地でも楽しまれているそうです。そしてなんと、
「チートイツ(七対子)は、アメリカから来たんですよ」。
逆輸入!? 英語では「Seven Pairs」。「ニコニコ」とも言われ、初心者でも知っている、あの手です。
「国内の名人戦の他、国際大会も行われています。このレディース教室でも年に一度、温泉に泊って大会を開いて表彰したり、ほかに「平和賞」もあります」
平和賞とは?
「上がらなかったけど、振りもしなかったので、点数がはじめに配ったときのままだった人の賞です」
そして飛塚さんは言います。「勝負は、上がれないときに、きちんと降りられるかどうかが大切なんですよ。いつまでも「あたったらどうしよう」と迷わずに、はっきりした牌で当たらないように降りことが肝心なんです」
へえ!
「リーチした人は、誰かからあたろうなんて思ってませんからね。リーチ、ツモで、役を狙ってるだけです」
へえ!なるほど!
初心者(の私)などは、いつまでも自分の手に未練を持って、あたってしまう。
きちんと降りる、それが大事。勉強になりました。
このレディース教室をおとずれ、飛塚さんのお話を聞いて、
マージャンというものが、もっと面白い、広がりのあるものなのだと感じ、驚きました。
「健康麻将」は、色々な面で、マージャンの別世界でした。
教室では、何も知らない初心者の方のために、4枚の手牌から始めるマンツーマン指導も行っています。
飛塚さんは、今後、
高齢者のための健康麻将教室を開催できたら、と考えています。
また、目の不自由な人も楽しめるよう点字で作られた「点牌」での健康麻将についても学びたいと考えているそうです。興味のある方は下記まで。
健康麻将 レディース教室
講師:飛塚睦子(健康麻将レッスンプロ有資格)
水曜日・10:00〜16:30・月3回・レッスン料1ヶ月3500円
北海道伊達市東関内町4−10
電話 0142-25-3987
参考:
日本健康麻将協会
※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2014年)
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