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◆ ひいらぎ座 初公演を前に ◆
掲載日:2015.02.06 [1397]

 
伊達市〜豊浦町に在住の 
十代の若者4名が中心となって結成した「ひいらぎ座」が、 
2月22日に初の舞台公演を行う。 
 
 
演目は「アトレウス王家の滅亡」。古代ギリシアを舞台にした王家の物語。 
復讐と愛、伝統と心情、矛盾しながら一体で在ることの苦悩を物語る。
 
 
奥田柊斗(おくだしゅうと) 14歳  
オレステース役
 
 
この劇団発足の発端となった奥田くんは、夏は野球に熱中している。 
演劇は小学3年のときからはじめた。しかし夏は野球で忙しく、稽古などになかなか参加できずに消化不良ぎみだった奥田くん。「冬に思い切りやりたい」と新劇団を提案。「ひいらぎ座」は、奥田くんの名前の「柊」からとって名付けられたものだ。 
 
演劇は、自分とは違う人物になること、そしてその人物として人に何かを伝えられることが良いと感じている。共感してもらえたら嬉しい、と語る。
Q、あなたの役柄は?  
ギリシャの王子で3人兄姉弟の末っ子。姉が2人います。 
オレステースは家族や身内を大切にする優しい人物で、人を殺すようなことは出来ない。 
自分も人に悪いことをしたくない。気持ちが弱いところがあって悩んだり落ち込んだりします。 
 
Q、自分と重なるところはありますか?  
あんまりないです。 
重なるところがないから、僕と真逆というか、裏側の自分みたいに思う。僕だったらさっさと復讐を果たしてしまうんじゃないかと思います。 
 
Q、自分と全く違う人物を演ずるのは難しい?  
今まで演じた中で一番難しいと感じましたが、なりきろうと思って取り組んできました。稽古を重ねるうちに、僕とは違うオレステースの考え方や感情が湧いてきたりして、オレステースという人物のことが前よりもわかるようになりました。 
今はオレステースは偉いなと思います。人にも自分にも悪くすることをできない、というところが。 
 
 
Q、お客さんにどんなところを観てほしいですか?  
どんなにいろんな決まり事のために何かをしなくちゃならないとしても、正義とか優しさの方をとる、そして人も自分も大切にする、そんなオレステースの姿を観ていただきたいです! 
14歳とは思えない堂々とした演技ぶりをご覧あれ。
 
 
甲斐田沙羅(かいださら)16歳 
エレクトラー役
 
 
甲斐田さんは演じることが大好き。 
普段の生活の中でも、対面する相手によって色々な自分になることを感じている。そんな意味で演じることは自然なことだとも。 
 
自分以外の人物の考えを、自分なりに解釈して表現するのが楽しいそうだ。 
自分ではない自分とはいえ、それは「私の中にもある」と語る。 
今回の「やさしい心・憎む心」「好き・嫌い」が同居する役柄について「自分にも(誰にも)そういうところがあると思う」と。
 
Q、あなたの役柄は?  
ギリシャの王女さまです。お父さんがお母さんによって殺されて、王家の王女という立場からかたき打ちの慣わしに従ってお母さんに復讐をします。 
でもただ慣習に従うのではなくて、殺したお母さんや遺された弟をとても愛している。優しさと激しさの両方を持っていて、その中で決断してゆける強い人物だと思います。 
 
Q、役柄の人物をどう思いますか?  
エレクトラーはいくつかの感情を持っています。例えば母を愛しながら父を殺した敵として憎んでいる、弟のことも愛しているけれど厳しく復讐を迫る、そういう風にいろんな感情が合わさっているのは私にもあるなと思います。 
 
Q、お客さんにどんなことを伝えたいですか?  
はじめ台本をもらったとき、怖くて救いようのない話だと思いました。 
家族が家族に復讐するなんて理解できない、と。 
でも演ずるうちに、エレクトラーが母親を愛しながら憎んでいたり、いろんな感情の中で決断して行動してゆく姿は、私もそうですが現代を生きてゆく人にも通じるところがあるのではないかと思うようになり、最初の頃とお話の印象がずいぶん変わりました。時代は違っても、感じたり考えたりすることは同じなんだなと思います。その辺りをぜひ観ていただきたいです! 
 
 
甲斐田さんの、芯のある澄んだ声が会場に広がる。
 
 
赤坂瑞稀(あかさかみずき)19歳  
クリュタイムネーストラー役
 
 
長女を生贄にすることを承諾した夫を、時を経て暗殺する妻クリュタイムネーストラーの役を演じる赤坂さん。 
 
取材の時は都合で稽古に不参加。 
残念ながらお話を聞けませんでした。 
本番が楽しみです。
 
 
大本英晶(おおもとひであき)13歳  
従者役
 
 
お話していると何だか楽しい大本くん。 
思ったことをそのまま、自分の言葉で伝えてくれるところが魅力的。 
 
演劇について、 
「色々な性格になれるのが面白い」。 
またこんなことも。 
「普段(の生活の中では)、大きな声とか、変な声とか、おかしなことは言えないけど、そういうことを普通にやれるから演劇は面白い」 
 
 
そして、「なんかいつも、へんな役ばっかりなんだよなあ」と言いつつ、 
まんざらでもない様子。 
今回の従者役は、この物語の解説役的な一面もあり、深刻なストーリ−の流れは、大本くんの、ほっとさせてくれるようなおどけた場面を添えて幕となる。
 
 
 
ピアノ演奏と歌唱で出演するのは、井上美豊子さん。 
歌の指導も。
 
 
井上美豊子さんプロフィール 
 
札幌生まれ札幌育ち。 
札幌で井上美豊子音楽教室を主宰し、ピアノや歌・合唱指導、ピアノ演奏・弾き語り・クラシカルクロスオーバーの歌手として、ジャンルを超えて音楽の楽しさを伝えている。 
 
北海道文化財団北海道舞台塾講師/劇団ひまわり講師/札幌市生涯学習センター「ちえりあ」市民カレッジ講師/札幌市教育文化会館演劇フェスティバル講師/札幌市白石区民センター区民講座講師/北海道各地でのヴォイス・トレーナー・ワークショップ講師等/ちえりあ運営協議会委員 
 
 
 
 
 
 
ひいらぎ座 初公演「アトレウス王家の滅亡〜宿命と創造〜」
 
日時
 2015年2月22日(日)/ 開場14:30 開演15:00〜16:30終演予定 
場所 豊浦町とわにーホール(豊浦町87-9 ) 
入場 大人2000円 小人1000円(〜高校生) 
   ※小学3年生以上よりご入場いただけます。 
問合せ 電話・FAX 0142-82-3910/メール hananoie2011@gmail.com (花の家) 
 

出演 

 奥田柊斗 甲斐田沙羅 赤坂瑞稀 大本英晶   
 千村ひろ美 他 
 
ピアノ演奏・歌唱 井上美豊子  
作・演出 川手鷹彦 
 
<ひいらぎ座> 
物語に親しみ、演劇を愛する若者たちによって結成された自主演劇集団。 
普遍の美と詩歌を追求する。 
 

あらすじ・解説 

狩猟の女神アルテミスに言挙げをしたために、ギリシア水軍の出帆を嵐で止められた総帥アガメムノーンは、女神に長女イーピゲネイアーを生贄に差し出すよう求められる。 
母クリュタイムネーストラーと妹エレクトラーの執拗な反対にもかかわらず、 
イーピゲネイアーは父に同意し、自らが犠牲となることを決断する。 
十年後、辛くも勝利を得たアガメムノーンは帰国の途に就くが、凱旋の入城が湯殿での妃による暗殺で締め括られるなどとは、夢にも思わなかった。 
この殺害によって、クリュタイムネーストラーは娘エレクトラーと息子オレステースに狙われることとなる。 
オレステースの逡巡とは異なり、エレクトラーは父が死を迎えた同じ湯殿で母を手にかける。 
知らせを聞いたオレステースは衝撃を受けるが、更に彼を苦しめたのは、今や自らが、愛する姉エレクトラーを仇に追わねばならぬことだった。 
生贄になったはずのイーピゲネイアーがタウリスの神殿でアルテミスに仕えていると聞き、オレステースは逃げるように王都から遠い黒海の奥地へと向かう。 
錯乱したミュケーナイの王子が、辺境の地で出会ったものは何か? 
 
絶望、諦念、それとも新たな希望 
・・・本稿は、ギリシア三大悲劇詩人、アイスキュロス、ソポクレス、オイリュピデスがそれぞれ描いた「アトレウス王家の呪い」にまつわる数々の作品を参考に、時代と民族を越える世界観、美と哀しみを訴えるべく書下ろされた。 
古い文化の伝統と新しい時代の要請に挟まれ、また神々の呪いに滅亡への道を追われる王家の人々が、自らの生き方を問い、探り、そして生と死に学ぶ姿・・・極めて複雑で困難な役柄に実人生を重ね合わせ、演劇をこよなく愛す若者たちが挑戦し没頭する! 
偉大にして荘厳なる古代ギリシア舞台。 
 
 
ひいらぎ座 初公演「アトレウス王家の滅亡〜宿命と創造〜」
 
日時
 2015年2月22日(日)/ 開場14:30 開演15:00〜16:30終演予定 
場所 豊浦町とわにーホール(豊浦町87-9 ) 
入場 大人2000円 小人1000円(〜高校生) 
   ※小学3年生以上よりご入場いただけます。 
問合せ 電話・FAX 0142-82-3910/メール hananoie2011@gmail.com (花の家) 
 

※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2015年)  

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