◆ I Love Gaeden お庭大好き! Vol.new01 ●美智さんの薬草の庭 ◆
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伊達市、美智さん(80代)の庭は小木類が茂り、 一見するとごく普通の、懐かしい面持ちの庭に見える。 しかし、足を止めてじっくり見てみると、 果樹に混ざって薬草系の珍しい植物が隠された、おどろきの庭だ。 玄関前には大きな花を咲かせた牡丹がいい香りを放つ。 ふわふわの花びらに頬ずりしたくなる。 これは大粒の実が実るグミの木。たわわに花が。 ビタミンEが、フルーツ類では最も含有量が多いと言われる果実。 主な有効成分:ビタミンE、βカロテン、リコピン 効能:抗酸化作用、粘膜細胞の活性、免疫力を高める、アンチエイジング こちらは、大滝での栽培が有名なアロニア。 言わずと知れた目にいいアントシアニンの女王。 こちらもアントシアニンたっぷりのすっぱい実をつけるハスカップの花。可憐。 足元を見ると、ユキノシタが。 その成分に美白美肌効果があるともてはやされている。 いっぱい生えている。化粧水を作りたい! 主な有効成分:アルブチン、フラボノイド、ベルゲニン、サキシフラギン、クエルシトラン 効能:外用では、湿疹、カブレ、腫れ物、火傷、しもやけ 服用では、中耳炎、外耳炎、扁桃炎、咽喉炎 これは春の味覚、爽やかな香りのウド。もう80cmほどに育っている。 冬ごもりから出てきた熊が一番に食べるといわれ、苦味にはデトックス作用が。 主な有効成分:ジテルペン、フラボノイド、クロロゲン酸、カリウム 効能:強壮、頭痛、神経痛、解熱、毒素排出 イワミツバも群落を作っている。 ミツバと同じように、香りでストレス解消、繊維質で便秘予防など。 行者ニンニクやエゾカンゾウも。 美智さんはいつも草の上にちょこんと座って庭仕事。 積んだ枯れ枝の中からツクシと競ってアップルミントが。 ・・・・・・・・・・ そして、この庭のきわめつけが、これ! これはただの雑木ではない。 貴重な、エゾウコギ。 エゾウコギの根は、万能民間薬として効能が高麗人参より数倍〜数十倍高いと言われている。 全草が薬用として利用され、乾燥したものを煎じて飲用したり焼酎に漬け込むなどして利用。 特に根に有用成分が高い。 40年以上前、山で見つけた幼木一本を大切に植えたのだという美智さん。 「掘り起こして煎じて飲みたいんだけどねえ」 重機がなければ掘り起こせない大株になり、また何株にも増え、ちょっとした林を作っている。 主な有効成分:数種類のエレウテロシド、クロロゲン酸、イソフラキシジン (トリテルペノイド系などの配糖体で、16種類以上の成分)他 効能:滋養強壮、倦怠感解消、抗ストレス、集中力を高めるなど様々な力を持つ 蝦夷五加(エゾウコギ): 高さは2〜3m。特に幼木の茎には「ヘビノボラズ」と呼ばれるほどの鋭い刺がある。 高麗人参、ウドなどと同じウコギ科に属する植物で、古くから薬用植物として利用されている。 日本の北海道に自生することから、北海道(蝦夷地)の五加(ウコギ)と呼ばれ、他にロシアのアムール州、サハリン州、中国の黒竜江省、吉林省に分布。 古くからアイヌの人たちは民間薬として使用、神聖な植物として珍重してきた。また中国では約2000年前から薬用として利用。 左上:エゾウコギ(葉にツヤがあり特に幼木にトゲが沢山ある) 右下:ウコギ(葉にツヤがなく少し丸い。トゲがほとんどない) 昔、製薬会社では、製品のために山ごと買って根を掘ったという。 現在でも栽培して大量に育てることは難しいそうだ。 思わず「売ったらかなりの額になりますよね?」と下世話なことを聞くと、 「一株何十万もすると思うよ。でも、売るより、自分で飲みたいんだよ なんとか掘れないものかな」と。 アサツキがそこいらじゅうに。 ウルイ(ギボウシ)も春先の山菜。 葵の御紋でおなじみの、アオイの葉。江戸時代から親しまれている。薬草ではない。 地面から勢い良くせり出してきたヤマユリの芽。白く妖艶な花を咲かせる。 おめでたい紅白のボケ。実は果樹酒に。 赤い茎のトウキは、葉を少しちぎるだけで漢方臭があたりに広がる。 香りを嗅ぐだけでも効きそうな気分になる。 主な有効成分:精油成分のリグステライド、ブチリデンフタライド、ビタミンB12 効能:皮脂分泌促進、保湿効果、抗炎症、抗アレルギー、美白効果 《他の特集を読む》 |