◆ 西いぶりファーマーズマーケット! ◆
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西胆振で野菜を作っている人たちが集まり、 5月から10月の間、月1回のペースで開かれる 西いぶりファーマーズマーケット! 会場は室蘭市中島町のシャンシャン通り「お元気広場」。 作っている人と話をしながら、納得して選び、 お野菜ひとつでも、大切に買うことができます。 5月29日に出店していた農家さんに、野菜のことを聞きました。 青山農園(洞爺月浦) 作物は、ほうれん草、アスパラ、苺、夏からはとうきび(ピュアホワイト、ゴールドラッシュ)、トマト、初秋には自慢の果物が出来始めます。 月浦は火山灰質の土壌、加えて坂が多く、水はけが非常に良く、その土地を利用して主に果樹を育てているとのこと。 「果樹は坂がいいんですよ。茶畑なんかも坂ですよね。ほかの作物もよく育ちます」 坂の畑はトラクターも傾くそう。 次回6月の開催日はさくらんぼの収穫のはじまり頃。出るかな、さくらんぼ! プラムなど色々実る9月からが青山農園さん果物の本番だそうです。 (虻田駅前、洞爺湖などの道の駅でも販売) 長芋が英字新聞に包まれておしゃれ。 作物は、長芋、ゴボウ、じゃがいも、など。次回からは、とうもろこし、トマト、リーフレタスなども。 洞爺の高台で、根もの野菜を中心に作る丸田農園さん。 寒暖差がジャガイモの質を良いものにするそう。 噴火の火山灰が豊かにした土壌で、じゃがいものほか、長芋、ゴボウなどの根菜類を育てます。 土にこだわり、輪作を必ず守り、緑肥にオーツ麦を蒔いたり、土壌に病気が入らないように特に注意をはらっているそう。 長芋は、春に植えて、4月に掘って雪の蔵(氷室)に保存。 春からの販売には、雪の蔵から出してきた根菜たちが並びます。 今時期は農繁期なので「今ごろ主人は畑で農作業してます」ということで、出店販売担当は2代目のお嫁さん。 「ゆっくり話しながらの販売が楽しいです」と。 〜長芋のおいしい食べ方〜 「私はとろろ(すりおろし)が好きなんですが、 千切りにキムチをのせるのが、家族がみんな好きですね。 醤油漬けや、グリルして塩コショウで食べるのも美味しいですよ」とのこと。 手作りラベルのお豆がかわいい! 作物は、豆、ジャガイモ、ごぼうなど。季節によって野菜の苗も。 販売担当は、埼玉から小林農園に嫁いできたお嫁さん。 「今の時期はみんな忙しいので」。やはり春の畑は大忙しですね。 ファーマーズマーケットへは、楠本さんや同じ地域の農家さん方から誘われて参加するようになったそうです。 (洞爺道の駅でも販売) 温泉の恵みを受けて育てられたオロフレトマト。 このトマト、真っ赤ではないのはお客さんのことを考えてのこと。 「真っ赤なトマトの方が美味しそうに見えますし売れますが、糖度は変わらないんですよ。買った方がすぐ食べなくても(すぐ食べてもおいしいですよ!)、日持ちがするようにこのくらいのちょうどいいものを選んで収穫してきたんです」。 温泉の湯を暖房にして作られているそうで、その技術は30年間に渡るもの。なんと2月中旬頃から収穫がはじまるそうです。 盛夏前にはすでに来年用の新しい苗を育てはじめており、トマトなのに苗は冬越!深い雪の中のぽかぽかハウス、、、なんだか夢のよう。 「食べ方はナマが一番!」と、夢のハウスから来た農園4代目の新藤さん。「この時期の出店は大変ですよ。田植えを終わらせて来ました」 自分のこだわりで減農薬につとめているという大作農園さんは、この日はほうれん草を販売。 「いい土を作り植物自体に元気をつけることで虫を寄せ付けないものを作ろうと勉強中です」。 虻田から壮瞥に越し新規就農して9年目。「虻田町を裏切った男、と呼ばれています」。 6月はいよいよ評判のミニトマトがお目見えの予定! (Aコープ、壮瞥などの道の駅でも販売) 販売するのは、ネギ、トマト、レタス、そして米、花なども。 道南でしか育てられていない貴重な大豆「たまふくら」も販売予定。 「たまふくらはふっくら煮上がって、他にはないおいしい豆です」。 大粒で甘みがあってふっくらとしたお豆だそう。収量が安定していないのであまり出回っていない豆、、、叶わないでしょうが、たまふくらの大粒枝豆食べてみたい! しんちゃんファームさんは伊達の末永町で喫茶店も経営しているとのことで、八雲〜苫小牧間などで野菜の移動販売をしているそうです。 いろいろなトマトの苗も。どちらも固定種(次の世代も同じ実をつける品種)。他では手に入りにくい苗です。 おしゃれ雑貨ま〜の(室蘭) イコロ農園さんのグラスジェムコーンを使ったアクセサリー! 自分で作る体験型オプションも。 エコガイア(白老) これがあれば、外で煮炊きができます!庭に欲しい! キッズスペース(室蘭) こどもたちは親の買い物に飽きたらここで遊ぶことができますね! 手のひらでスタンプする面白そうなコーナーもありました。 ほかに、玉子やさんや、飲食ブースもあり。 西いぶりファーマーズマーケット実行委員長の楠本謙志さん(上写真左端)は、去年、道外から室蘭に戻ってきたそうですが、そのとき改めて、西いぶりは土壌が良くて色々な作物が採れることに注目したそうです。 また、アメリカで暮らしていた頃、あちこちで野菜を売るファーマーズマーケットを見かけ、日常的に皆が買い物をする光景がありました。 「スーパーで並ぶものとは違う野菜を買うことに感心を持つ人たちは、路上マーケットで野菜を選ぶことができます。どこでどういうものを買うか選択肢があるんです。それは庶民の中に定着したもので、さらに広がってきています。 室蘭周辺には農家さんがいっぱいで、いいものを作ってますよね。 でも室蘭自体は農業中心の町ではないので農家さんから直接野菜を買う機会がない。こういうマーケットで買い物ができるようになれば、と思ったんです。 販売として効率的ではないんですが、昔の八百屋さんのような活気のある所で野菜が買えたらいいなと思うんです。直販だと、例えばトマトが赤くない理由なども聞いて納得して買える。 スーパーで無言で買うのでは分からないことも、知ることができれば、食べるときの感覚的な部分がプラスされて、よりおいしく食べられたり、良い野菜ってどんなものなのかという価値観も変わりますよね。活気だけではなく、意味あることなんです。アナログだからこそ良いんです。 作り手も、お客さんの顔が見え、評価されます。農家の人はそういう場がないですからね。お客さんの要望も聞けますし、忙しい時期の出店でも、それぞれ得ることがあるので、楽しみながら参加してくれています。 月に一度の開催は、単なるイベントではなくマーケットとして認知してもらいたいからです。 規模は今のところこれ以上は大きくできないんですが、参加者が自分でやることができれば、、、実行委員会でテント、トラックなどをさらに借りることになると、出店料がかなり高くなってしまうことになるので現実的ではないんです。 安心、安全な野菜を欲する人はたくさんいます。アメリカなどのようにこういうマーケットがあちこちにあるといいなと思っています。各地でもやってほしい。そして定着すればいいな、と、そんな思いでやっています」(楠本さん) 西胆振ファーマーズマーケット http://nfm.hokkaido.jp・facebook ※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2016年) 《他の特集を読む》 |