むしゃなび特集/2008年5号/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

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■ むしゃなび特集 2008年5号 ■
市民フォーラム 「アートビレッジ構想」を考える [4/6]
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本物のすごさを感じた

内山 構想の説明に、街の文化度を上げようとする試み、とありました。一般的に、若者文化と大衆文化とハイカルチャーは違うと思われています。でもここで話されている文化の裾野を広げるというのは、すべてを含んでいますよね。幅広く広げるということで大切なことは、子どもも含めた市民が、文化とはこういうものだということを理解することが大切だと思います。
 今年伊達中吹奏楽部が47年振りに北海道吹奏楽コンクールで金賞をとりました。理由は、ここのマスタークラスの先生のように、ニューヨークでフルートを吹いていた素晴らしい先生に6、7回指導していただいたから。
 子ども達は私が指導している時よりずっと生き生きしています。その先生の技を何とかして分かりたいと思い、ずっと見ている中で大きな違いを発見できました。
 それは、「私には子ども達はここまでしかできないだろうという先入観があり、子どもの甘えを許していた」ということ。その先生は、初めて会った時から子どもたちにとてつもない欲求をしていきます。子どもたちはそれに応えようとし、実際に応えて行くんです。
 プロの先生に教えていただくのはすごいという実感がありました。そういう実体験があったので、今日、この場に来るのが楽しみでした。

だて歴史の杜カルチャーセンター

シャーマンコレクション
収蔵室を見学する参加者

良いものに触れてみたい、から底辺は広がる

内山 子どもたちは家で「お母さん,ニューヨークから来た先生だよ」と話をします。先生に来ていただいて、カルチャーセンターでコンサートをやったら900人も入りました。やはり、良いものは聴きたい、やってみたい、触ってみたい、というのは、子どもも大人も必ずもっているもの。僕はそうやって底辺が広がって行くのではないか、と思いました。
 そこで重要なのは、そのジョイント部分で、それがここにいらっしゃる皆さんだと思います。ピアノの先生など音楽に携わっている人もたくさんいます。そういう方が一堂に会する機会がコンサートであり、展覧会となるような機会があればいい。そういう人が集まれたら,素敵なアートビレッジになると思います。

岡部 実例を含んでいらして、大変説得力のあるお話とお聞きしました。

教師や地元の指導者にできること

増岡 伊達にピアノの先生は50〜60人います。今自分たちにできることを考えてみると、私たちが音楽コンサートに連れて行かねばならない。今後のことを考えると、今の小中学生を育てて行かねばならないと思います。一方でピアノマスターコースですが、見ていただくような生徒さんがなかなかいないという現状です。また、伊達でチェロをやっている人は少ないのではないかと思います。フルートだったら吹奏楽があるし良いと思いますが。
 良いものに触れることは大切で、良いものを見せてあげていくようにしたいと思います。
 学校では、コンサートや演劇の開催について、プリントを配って知らせるだけでなく、「先生も行くから行ってみようよ」と声をかけることが大切です。できることからやるのが大切なこと。



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