むしゃなび特集/2008年4号/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

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■ むしゃなび特集 2008年4号 ■
だて文化の未来その3 [5/5]
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いつでも本物に触れ合える展示室を

石田 これから成長して行く子ども達に、積極的に本物を見せることが大切です。野田先生がこの街にいることを知らない人がいるので、子ども達にこれが世界基準だということを目の当たりにみせると良いでしょう。子どもにとってはそれが基準になりますからね。いつでも自由にみられる場所作りが大切です。
会場案内をする「かけはしの会」メンバー

街全体が活性化する働きかけに

信木 拠点づくりは環境づくりです。ここだけを見ず、街全体をみて、アクセスしやすさを考えることも大切です。ここに来たら面白い事をやっているとなるように告知力をつけ、規模は小さくてもいいのでイベントを重ねて行く。
 また、ここだけでなく、駅舎や商工会議所などに働きかけ市内にくつろげるスペースをつくる。そこで良いものを見られるようにして、さびしい街を活性化する一助とすることに使ってもらうなど。
 市民は、お役所の固い施設を使っているとなかなか足を向けてくれません。若者を巻き込むことが大切です。この施設を有効に使うことで、街全体が活性化するという働きかけですね。

石田 今でいうウィンザーホテル、以前のエイペックスホテルは山の上にあります。同じく噴火湾文化研究所は、伊達の中で一番高い所にあります。やり方を間違えると失敗しますが、ウィンザーはサミットが開けるまでになりました。ここも同じで、上から見るだけでなく、どうしたら下からどんどん上がってきていただけるものになるかです。伊達の市街地、また道内からも人が来てくれる方法を考えて行くしかありません。皆さんで知恵を出し合う機会をもちながら、北海道の中でもすぐれた研究所、という位置づけになるよう進めて行きましょう。
 個人的には岩崎先生のマスタークラスを10年支えなければいけないと思っています。

楽木 違った角度から、市民として発言しますが、音楽、文学、絵画もよくわからない、そういう人たちがたくさんいます。よく分からないけど嫌いでも好きでもない、そういう人が多いのです。そういう人が、自分の都合で芸術文化に関わっていける場所があるのは、素晴らしいことです。そうすれば、どんな人でも、やれることがいっぱいあります。

研究所と市民のかけはしに

楽木 自分の団体の話で恐縮ですが、これから大事にしなければいけないのは噴火湾文化研究所支援協会「かけはしの会」だと思っています。研究所が行う文化事業には、常に「かけはしの会」の説明があり、申込案内がある。文化事業と市民の接点がありそうでないので、かけはしの会を通して接してもらうという仕組みづくりが必要です。研究所の下部組織、お手伝いグループではなく、市民の芸術文化を持ち上げていくのがかけはしの会です。他の文化事業とのかけはし、それは市民活動です。そして繰り返しますが、その市民活動に企業が入れば幅が広がります。

野田 3回にわたり貴重なご意見、ご提言をいただきまして、ありがとうございました。


この特集は、3回の「アートビレッジ構想推進のための拠点づくり推進会議」と、「市民フォーラム」の4回にわけてお届け致します。今回はその3回目です。

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様々な分野の交流から生まれて来るもの

阿部 音楽、美術、哲学など様々な文化が独立して行われないことが大切です。それぞれの交流で生まれて来るものがあり、発信するエネルギーも生まれてきます。また、音楽、美術などのできあがったものの結果発表の場のみではなく、それをつくりあげる過程を共有できる場になると思います。これが、この研究所の一番の特色になると思います。


伊達市噴火湾文化研究所支援協会「かけはしの会」
目 的
 伊達市噴火湾文化研究所が行う文化資源の情報収集及び社会への還元、「協働によるまちづくり」の実現等の活動を支援し、噴火湾の文化と自然を子供たちへ引き継ぐための架け橋になることを目的とします。
活 動
1)文化を活かした「まちづくり」についてのさまざまな提言活動
2)学会やシンポジウム、学術講演会などの開催支援
 (企画や会場スタッフなど)
3)ジュニアボランティアの育成支援
 (自然教室、文化教室などの開催)
4)資料の整理や保存作業の支援
 (データベース作成、資料の補修・復元)
会 員
 180名


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