■ ♪ ウクレレ話 「 PONO 」 & Ukulele の寿命
Ukulele に寿命があるとすれば、 まずは、修復不能なくらい完全に破壊された場合でしょうか・・・。
多少の 「 割れ 」 や 「 ひび 」 、 「 剥離 」 は修理できるようです。
但し・・・修理の箇所や程度によっては 「 新品が 1 台買えるくらい 」 の費用が必要となる場合が多々あるようです。
( それでも修理するかどうか金銭以外の 「 価値 」 は、人によって様々です )
次に 「 寿命 」 とされるのは、ハーブ・オータ先生がおっしゃるように 「 フレットがダメになったとき 」 かもしれません。
見た目のボディなどにダメージがなくても、音程を決めるフレットがすり減ってしまった場合のようです。
フレットも 「 打ち直し 」 ができるようですが、 「 元の音に戻らない 」 らしく、そうなるとオータ先生がおっしゃるように 「 フレットがダメになったら、どんなウクレレでも捨てるしかない 」 ということのようです。
でも・・・これは、ウクレレの神様であるオータ先生のレベルであり、フレットのすり減りでアマチュアがウクレレを捨てるというのは、とてつもない勇気が必要ですし、おそらくそうなるケースは稀でしょう・・・。
いまのところ、私の Ukulele で、寿命を迎えたものはありません。
しかし、 「 次代の準備 」 だけはしておこうと思いました。
これは、 Ukulele の寿命というより、展開著しい DUA に対する私自身の対応と言う方が妥当かもしれません・・・。
現在、ソロ演奏に使っているのが SAM's のテナー。
以前にも紹介しましたが、スプルースのトップで、サイドとバックは、きれいな杢目のカーリー・メイプル。
柔らかい音色と、抜群のサステインが持ち味です。
ネックの形状がクラシックギターに似て、私の手には扱いやすい Ukulele です。
たしか、 3 ~ 4 年くらい使っているでしょうか?
この、完全に 「 ソロ用に特化した 」 メイン器の後継器をどれにしようか考えていましたが、ようやく適当な Ukulele を見つけました。
ハワイのメーカーに Ko'olau (コオラウ) 社という 「 超高級 Ukulele 」 を作る有名なメーカーがあります。
コオラウ社の ジョン・キタキス 社長は、かの Martin 社の公認リペアーマンでもあり、楽器製作の腕は超一流。
いつかはコオラウのウクレレが欲しいな・・・と、思いますが、とてつもなく高価であるため、私にとっては 「 高嶺の花 」 ・・・。
ところが、そのコオラウ社が、私のような者にもコオラウ・プロデュースのウクレレを弾かせてあげようと思ってくれたかどうか知りませんが・・・。
「 PONO 」 というサブブランドを作ってくれました。
基本的な製造を海外で行い、それを全品、ハワイのコオラウ社に戻して、チェックと最終セットアップを同社のスタッフが実施するので、サブブランドと言ってもウクレレの品質はコオラウ・ウクレレそのもの。
私は、いまのところソロ用にはトップがスプルースで、サイドとバックはメイプルの組合せが好きなので、いろいろと探した結果、コオラウ社の 「 PONO 」 に行きつきました。
MPTSH-5 - Figured Maple Pro Classic Tenor Slot Head
長い名前ですが、これがモデル名です。
PONO のフラッグシップ・モデル( そのメーカーの最上級にランクされる象徴的製品 )です。
その中でも、これは、1 年間に数本しか作られないという希少モデル。
端正な姿。フィンガーボードとブリッジはエボニー( 黒檀 )。
ボディとサウンド・ホールはアバロン( アワビ貝 )の縁取りで控えめな装飾。
後姿。ネックもメイプル。
ヘッドのロゴ・インレイはマザー・オブ・パール( これは白蝶貝 )。
スロット・ヘッドはストリングのテンション確保に有効なつくり。
トップのスプルースも、サイドとバックのメイプルも 「 ものすごい 」 という形容がピッタリの杢目。
拡大画像( 実物は、杢目が驚くほど立体的に見えます。 )
ボディ内のラベル。その側の材の地肌にもくっきりと杢目が見えます。
音色は、やはり・・・スプルースとメイプルらしい音色です・・・すばらしい・・・音量もたっぷり・・・。
サステインを稼ぐには、もう少し 「 弾き込み 」 が必要かもしれませんが、きっと素敵な Ukulele に育ってくれると思います。
あっ! カリちゃんも観たいそうですが・・・ドキドキ・・・。
プリインストールしてあったストリングは、メーカー名は不詳ですが、間違いなくクラシック・ギターのストリングだと思います。
見た目も、感触も、音色も、クラシック・ギターのストリングの 「 太さ 」 そのもの。
なるほど・・・この手があったか・・・。
そういえば、タイマネ・ガードナーも 「 私の ukulele にはクラシックギターのストリングを使ってるの 」 って言ってたよな・・・。
またまた 「 ストリング遍歴 」 が始まりそうな予感です・・・。
余談 1
後継器をなぜ同じ SAM's から選択しなかったか・・・。
SAM's も品質向上努力の甲斐あって、評価はとても良くなってきました。
しかし 「 同じモデルでの音色の個体差がより小さい 」 が コオラウ 社の 「 PONO 」 を選択した理由です。
余談 2
むしゃなびさんで紹介いただいた 「 夢中になる人 」 の中で、みほっほうさんが、書いてくれたように 「 ウクレレを隠すにはウクレレの中に・・・ 」 は、これまではとても有効な手段でした。
しかし最近、女房も Ukulele を見る目が肥えてきたのか・・・。
この 「 PONO MPTSH-5 」 は、ある日の夕方にハワイのコオラウ社から届けられ、そのままウクレレたちの中に置いておきましたが、その後、帰宅した女房に一目で見抜かれてしました・・・すんごく、びっくり・・・。
あまりの杢目のすごさで、すぐに違いがわかったようです・・・もっとびっくり・・・。