室蘭市中島町、シャンシャン通りにある「ナニナニ製菓」にならぶのは、
できるだけ安心して食べられる材料で作ったという
パンやマフィン、スコーン。パイなどのお菓子も季節によって色々。
店主の庭山貴行さんと、パティシエの庭山なをさん。
屋号の「ナニナニ」はアイヌ語で「そのまま・ありのまま」という意味で、
アイヌ民族史専門家に「そう解釈しても良い言葉」だと確認をもらったという、
面白くもあり、この店の意に叶った屋号。
ちょっとした古民家のような雰囲気の店内、
そこにならぶパンたちは、とても居心地がよさそう。
さて、市販のパンといえば添加物は当たり前。気にしはじめるとパンは食べられません。
しかし「ナニナニ製菓」さんは違います。
添加物(化学調味料、人工甘味料、香料、保存料など)はいっさい使用せず、
道産小麦や、西いぶり近郊の食材を使った地産のパンを作っています。
「ナニナニ製菓」は
約1年前にオープンしました。
東京でフードライターをしていた貴行さんは、実家のある室蘭に帰省するたび、食材についてリサーチをしていたそうです。東京では手に入りにくく高価な無農薬(運搬時に使用する薬品も含め)の食材が、室蘭近郊で色々手に入るということが分かりました。
それ以前はプロレス雑誌の編集部、そしてフィットネスクラブのマーケティングや広報にかかわってきた貴行さん。室蘭でお店をはじめることを考え、フードライターへと転職したそう。
「色々なお店に取材に行きました。自分では普通行かないようなレストランに何件も行けましたし、勉強できました」
一方、なをさんは、有名菓子メーカー勤務などを経、出産を期に安心安全な食を探求。
フードコーディネーター、食育インストラクター、菓子衛生士の資格を持ち、
野菜スイーツ専門店やオーガニック系飲食店のスタッフとして活躍後、いよいよ室蘭へ。
元は布生地の販売店だった店舗を改装し、オープンしたのは2013年12月3日。
この日はシャンシャン共和国(通称シャンシャン通り)の「大統領」(町内会長的な通りの代表)の誕生日で、
「ケーキをもって行ったんですよ。このとき初めてうちのケーキを食べてもらったんです」。
シャンシャン共和国に店を持ち、仲間入りしたのがこの日でした。
店内には小さな子供を連れた方のためにと畳の小上がりや、
ちょっとしたカフェスペースがあるので、その場で味わうことも可能。
オリジナルブレンドの有機栽培豆「ナニナニ珈琲」や、
そして、道産の小麦粉なども並んでいます。
収量が安定しないため幻の小麦粉と言われてきた「はるゆたか」、
現在は以前よりも安定してきたということですが、
この日は売り切れ。やはりマボロシなのか?
お店のパンには「はるゆたか」が100パーセント使われています。
「色々試しましたが、やっぱり「はるゆたか」です。
パンにしたときの、小麦の風味や、もっちり感が、
うちのパンにはぴったりなんです」
ということはここのパンはマボロシに近いパンということでしょうか。
多分、この粉をメインに使うパン屋さんは現在でもめったにないと思われます。
クリスマス〜年末年始のお菓子作りに、
ナニナニ製菓さん自信の、良い小麦粉を使ってみるものいいですね。
クリスマスや年末年始用のお菓子やパンもどうぞ。
ケーキ、予約受付け中(下記)。
保存料不使用でも賞味期間の長い焼き菓子「シュトレン」もあり、
今年は伊達産の栗が入ったシュトレンだそう。
また、アレルギーを持った子供たちも食べられるケーキやパンも
オーダーメイドで注文できます。
「家族みんなで同じものが食べられるように」と、ナニナニ製菓さんは考えます。
卵、乳製品、小麦の不使用について相談して注文を。
ナニナニ製菓
北海道室蘭市中島町1丁目38-5 1F (シャンシャン通り)
電話 0143-83-6854
Mail post@7272.me
ブログ http://nsb7272.exblog.jp/
※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2014年)
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