2017年12月10日(日)、伊達西小学校体育館で開催されたパラスポーツのイベント
「ガチパラ!Vol.2 in 伊達」
のレポート後編です!
前編はこちら
自分たちが動いて発信すること!実行委員長・池崎選手
「地元でシッティングバレーボール広めたい!」
風間さん
さて、会場にひときわ明るく元気な声が響いていました。
声の主は、今回唯一の地元選手、風間みさよさんでした。
シッティングバレーボールは、座った姿勢で行うバレーボールです。
立位バレーボールに比べ、コートが狭かったり少しルールが異なりますが、基本は同じです。
常に床にお尻を接触させてプレーしなければならず、サーブ、ブロツク、アタックなどで
立ち上がったり、飛び跳ねたりすると反則になってしまいます。
風間さんは登別出身で伊達在住。数年前にシッティングバレーボールと出会い
、全日本の合宿や、東北シッティングバレーボール交流会にに参加し、
2014年には初級障がい者スポーツ指導員の資格を取得しました。
目標は、この地域でチームを結成すること!
伊達・登別・室蘭にシッティングバレーを普及させたいと話します。
「シッティングバレーボールの魅力は、
体ひとつあればできるところです。
車イスを使う競技はいつも乗って練習している人との
レベルの差が出てしまいますが、シッティングはそれがありません。
障がいのあるなしに関係なく楽しめます。
それから年齢層も幅広いです。
「私もう〇〇歳だから」と諦めなくていい。
強い選手で40代後半という方もいるんですよ。」
高校生の時に怪我をして車イスを使う生活をするようになった風間さん。
辛さをどのように克服したのでしょうか?
「私は怪我しましたが、「障がいがあるから不幸だ」とは思わないんです。
不幸ではないけれど、不便。
大変だし苦痛だし辛いけれど、
それが不幸の元になるわけではないんです・・・
ただ、地域の障がいへの認知度ってまだ低いな、というのはよく感じます。
「えっ車イスの人ってそんな外に出るの?」
という反応されることがよくあります。
電動の車イスで外出している年配の方はよく見かけますが、
若い人ってほとんどいないんですよね。
パラスポーツを通して、そういうところも変えていけたらいいですね。
まずはチームを作って定期的に練習をすること。
そしていずれは大会なども開催したいです。
こんなに広い北海道だから、きっとできると思うんですよ!」
現在、風間さんは登別・室蘭・伊達近郊の体育館などで練習をしていますが、
悩みのタネはなかなか練習場所が見つからないこと。
体育館によっては、バレーがやれる時間が決まっていたり、
壁打ちができない、一般球を使わせてもらえない、ということも。
また利用するためには何人以上など、様々な条件があることも。
練習環境の確保。
まずはここをクリアすることが課題となっているようです。
会場で行われた風間さんと「ガチバラ!」実行委員長・池崎大輔選手(ウィルチェアーラグビー日本代表)の対談で、池崎さんはこんなアドバイスをしていました。
選手だけでも、地域だけでもダメで、いかにファンを獲得するか?
というのが大切になってきます。
パラスポーツ普及のために選手として必要なことは、イチに結果を出すことです。
結果を出せば人の心を動かすことができる。熱意と結果が評価になるんです。
沢山の支えがあったから今の自分があるのですが、
まずは支えてもらえる 「自分」を作ることなんですね。
そこまでの力をつけると、次第に環境も整ってくると思いますよ。(池崎さん)
いやーーーー深い・・・・。
これってパラスポーツに限らずいろんなことに当てはまりませんか?
仕事や子育て然り、勉強、趣味の活動然り。
ハンディを抱えながら自分の限界を超えて努力した人でないと語れない言葉だよなあ、、、
と心の中で激しく頷きつつ、背筋の伸びる思いでした。
さて、現在、風間さんは一緒にプレーする仲間を募集しています。
障害の有無に関わらずどなたでも参加できますので、
興味のある方は風間さんにお問い合わせください!!
パラスポーツファン続出!!
「ガチバラ!in伊達」
最後はメインイベント!!
ビッグディッパーズメンバーによるエキシビジョンマッチが始まりました。
ウィルチェアラグビーは、1チーム4名でバスケットボールと同じ広さのコートを使用して行います。
通常のラグビーと違い、男女混合で競技するほか、前方へのパスが認められています。
車いすのぶつかり合う激しい音が、体育館中に響き渡ります。
振動がこちらまで伝わってくるほど・・・手に汗握って観戦。
チェアワークの目にも止まらぬ素速さ!
細やかな動きとぶつかり合いの激しさがダイナミックです。
激しいタックルやチェアワークのため、プレー中のパンクや転倒は日常茶飯事なのだそうです。
その度にメカニックやスタッフがコートに入ってサポートやメンテナンスします。
制限時間は1分以内。ベンチには予備のタイヤがたくさん用意されていました。
試合後の選手たち。
「こういう時ってガッツポーズ、よくするでしょ。
でも僕らは手が動かないからこんな感じで、、ブラックジョークですよ!」
皆さん、ガチでカッコイイです!!
発信する・伝えること、環境を整えること、出会い・繋がり・・・
そういうことの大切さを、パラスポーツからたくさん教えてもらった一日でした。
障がいがあるから「特別」だとか「違う」、とかではなくて、通常のスポーツと全く同じ。
それがベースで、その上に車イスのタックルだったり、アンプティの激しさだったり、
パラスポーツならではの面白さがある。
ガチンコ勝負の鬼気迫る様子に、すっかりファンになってしまった人、
多いんじゃないでしょうか・・・chもその一人です!
アスリート達のオープンマインドな人柄も半端なく素敵でした。
地元ボランティアとして会場確保等に協力した手塚広幸さんは、地元アスリートの風間さんに参加してもらえたことがとても嬉しい!!と話していました。
今回偶然、伊達でもやっている人がいることを知り、風間さんに参加していただくことができました。いちばん望んでいる方に届いたことがとても嬉しいですね。
人と人との出会い、そしてつながりを作るという意味で、「ガチパラ!」は潜在能力の高いイベントだと思います。
実行委員の皆さんには馴染みのない街での開催で不安もあったと思いますが、一つのモデルになれたらいいなと思います。これからも応援していきますよ!
※手塚さんが手にしているウェアはパラスポーツ応援するブランド「REAL HERO」。売り上げは障がい者スポーツ支援に使われます。
次はどの市町村で開催するのでしょう??お近くの市町村に来たら、家族やお友達と目一杯楽しみながらパラスポーツを応援しましょう!
「ガチパラ!」詳細はフェイスブックページをご覧ください↓↓
https://www.facebook.com/gachipara/
★記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2017年、ライターch)
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