■ 「 KAMAKA 蘇生プロジェクト 」 Report 11 ( トップ板復元作業・その 1 スペシャルウェポン No.1 登場 )
次なる大きな大きな山場です・・・ テイル側からヘッド側へ向かって、 1 弦側で約 95 % 、 4 弦側で約 80 % ほど、剥がれて浮いているトップ板
完全に剥がれているのも修復が大変ですが、一部がボディに残った状態を復元するのは、もっと大変かと思います。
どういう手順で実施するか、軽く 1 週間以上は悩みました・・・(苦笑)
まずは、
一気に全部を接着させるか、それともネック側とテイル側の作業を日をおいて実施するか・・・
わずかしかない 「 隙間 」 に、どうやってタイトボンドを塗布するか・・・
筆? 爪楊枝? 指? どれも一長一短・・・
塗布後の固定は、ウクレレのどこをどうやって固定するか・・・
下手に固定してボディにダメージを与えることはぜったいにできないし・・・
タイトボンド自体もオープンタイムが 15 分 ( メーカー推奨 ) しかないので、時間のロスを最小限にして進行するため、予行演習を入念に・・・
工具の準備と配置、扱いもスムーズにしないと・・・
そもそも、トップ板も一部が割れて剥がれているので、接着の際にサイド板に乗せるための方向と角度にやや制約もあります。
などなど・・・とにかくカマカを眺めて、ここはこう、そこはこう・・・と、イメージトレーニンングを何回もしながら手順を検討しました・・・ ( 正直・・・結構、消耗します・・・笑 )
クランピングする際の 「 当て板 」 の位置を検討中
ほかのクランプを邪魔せず、ブリッジをかわして、かつ、ひび割れ箇所は接着剤がにじみ出るし圧力をかけたくないので、それらもかわし・・
当て板は、まるで 「 パズル 」 でした・・・笑
クランプ各種
ほとんど今回補充したクランプたち。
これらの使いこなしが出来を大きく左右します。
いまはいろいろと便利なクランプが身近で売られていますね。
この小さなクランプたちは Mr. Kimoto が貸してくれたモノ
今回、各所で大活躍しました。
そして・・・・
この作業の成否を大きく左右する接着剤塗布作業のために用意した
「 スペシャルウェポン No.1 」 がこれです。
カマカに薬剤を注射するわけではありません・・・笑
塗料や接着剤を細部に送り込む 「 工作用シリンジ 」 です。
当然、針先は丸く加工されていますので、刺さることはありません。
これさえあれば、接着作業の大きな懸念が、ひとつ解消されます。
しかし・・・このご時世・・・何でも売っていますね・・・
シリンジの下に見えるのは、塗り伸ばし用の工作筆。
さてと・・・
あと、必要なものは・・・
私の 「 覚悟 」 かな?(笑)