■リサイクルクリーニングは、いまだに画期的なこと
ドライクリーニングのドライについては、そもそも水を使わず、油溶剤で洗濯するという意味から、水の反対の”ドライ”となっています。フランス人のジョン・ジョリが、こぼしたランプの油(カンフェン)がテーブルクロスの模様を消すことを偶然発見したことが始まりとされ、日本では白洋舎が初めて行ったとされています。
ドライクリーニングの洗濯目的は、衣類の原型を保ち、寸法の収縮を抑え、また色合いの変化も安全に洗えることです。さらに、アイロンを使った仕上げの作業性がとても効率的になるので、安価なクリーニング全体を実現できます。
但し、汚れ落ちは油成分が良く落ちますが、汗などの水溶性には不向きと言えますし、溶剤の乾燥不十分などにも要注意です。そのようなデメリットを解消する意味でも、当社では“汗とりドライ”を広くご案内させてもらっています。
さて、本ブログで過去に何度か紹介させてもらいましたが、ドライクリーニングの生命線、技術力は、洗濯中の汚れたドライ溶剤を瞬時にろ過(蒸留)する”カートリッジフィルターの善し悪し”となります。
ドライクリーニングの方法は、家庭洗濯とは大きく違い、まずススギ工程がありません。ススギに近いことはできますが、原則、毎回毎回、工業用排水・下水などに捨てることができません。ドライ機器の循環中に、高性能なフィルターを通し、瞬時に溶剤の汚れを吸収し、さらにろ過クリーンを果たした溶剤だけ、再度ドラム内へ送り込みます。これらを運転中、何度も繰り返すことで、ススギ工程のいらないドライクリーニングを実現できます。
究極のリサイクルクリーニングと言えますし、またドライクリーニング技術となると、それらカートリッジフィルターの管理方法だと言えます。長持ちさせればコストダウンになりますが、やはり寿命を超えてまで使用すると、ろ過する力は日に日に低下していきます。当社の洗う運転回数や入庫点数から、およそ寿命は2~4ヶ月ぐらいの間で入念なチェックを繰り返します。
寿命の判断材料は、経過日数、運転回数、ソープセンサーの値、フィルターにかかる圧力、被洗物の総合点数、洗濯後の衣類風合い・・・こまかく言えば、他にもまだあります。逆に、このような大切な材料を軽視し、目視や感覚だけで交換するかどうか?を決めているとしたら、あまりプロとしては誉められることではありません。
(脱色のひどい喪服でしたが、まずは丸洗いをしてから色掛けに入ります。)
工場内は、お客様から見えない部分が多いので、こればかりはどのように表現すべきかはいつも戸惑うことですが、私個人のモットーとしては、いつ、突然、お客様や保健所から、「オタクのドライ溶剤を検査させて下さい!」と指摘を受けても自信をもって対応できるぐらい、クリーンな管理でいるつもりです。
(エリが綺麗になった状態からの色掛けなので、染料の入り方が違います。)
”正直とか誠実とか”、時間はかかるかもしれないですが、私にとって唯一の近道であると思います。
スティーブン・コビィー氏「主体性とはよく聞く言葉だが、人間として自分の人生に対する責任をとるということである。私たちの行動は周りの状況からではなく、私たち自身の選択によって決まるのだ。私たちは感情を価値観に従わせることができる。そして物事を成し遂げる率先力を発揮する責任を負っているのだ。」
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