■はじめての車、はじめての借金、損をして徳をとる。
(私が19の時の愛車、スカイラインの6代目DR30型。)
この時のスカイラインは、6気筒エンジンのGT型と4気筒DOHCのRS型の2タイプに分かれていました。人気はなんといっても石原軍団のテレビ西部警察で使われた赤黒のRS型です。この19歳の時は、すでにRSスカイラインは中古市場でしか手に入りませんでしたが、その人気はまさに絶頂だったと言えます。購入相場で150万~230万円だったと思います。
その19歳の時、私は親から貴重な高い学費を払ってもらう専門学校生でありながら、とにかく「このDR赤黒スカイラインに乗りたい!」という無謀な考えの持ち主でした。いやいや幼稚な考えそのものですね。お恥ずかしい限りです。
車を手に入れる為には、アルバイトをしなくてはなりません。親からの援助金など間違いなくゼロです。「好きな車を持ちたい」という相談をしても門前払い、当然苦虫をかみつぶしたような顔に変身です。車をもてば、事故というリスクも増えるし、手に入れる為の返済が滞るリスクもある。それに車はとても便利なようですが、ウラを返せば諸費用のオンパレードです。
とりあえず、専門学校1年の夏休みから猛烈なアルバイト人生です。学業との二刀流・・・ではなく本末転倒のバイト人生がスタートしました。平日の学校帰りは、札幌駅前ビルの印刷会社さんで夕方から最終のJR時間あたりまで働きました。週6日勤務で、月5~7万円あたりの収入。そして日曜日だけのアルバイトも探し、うまくガソリンスタンドで仕事が見つかりました。日・祝、4~5日の勤務でこちらは月2万円ぐらいでしょうか。
少しづつ形にはなってきましたが、おわかりのように休みがまるでありません。しかも勉強する時間は学校の授業を受けるだけで精一杯。アルバイトをいつ解雇させられるかの可能性もあります。まさにバカな私は突き進んでしまいます。いよいよ車購入に動き出します。
札幌のマチでかなり探し歩いたのですが、やっと秋頃、岩見沢にあった日産ディーラーの中古販売店で見つけました。走行距離2万キロ、購入時諸費用込みで150万円。とにかく父親に対しては、「迷惑はかけない。アルバイトで借金はしっかり返す!」という頼りない説得だけを繰り返し、しつこ過ぎるバカ息子に渋々あきらめムードで同意してくれました。
そしてもう一つ驚きの現実が・・・
ずいぶんあっさり150万円のお金を学生に貸してくれたディーラーローンさんでしたが、実は当時の金利で、なっなんと16%という破格の利息でした。もうこれはサ○金とあまり変わらないぐらいのレベルです。4年の48回払いでボーナス払いも年2回組み込み、総支払いは・・・
200万円ちょっと超えました!つまり利息だけで50万円以上も積み増し。でも親にこれ以上甘えることはできないですし、通常の金融機関で貸してくれるわけがありません。最悪、もし返済できない何かトラブルでもあれば、すぐに売却して学生時代だけは何とか乗り切れるという頭でした。あとは社会人になってから残ったローンだけ払っても悔いはないと思ったのでどんどん進めました。
いよいよ冬の季節から悲願のDR30を所持できたのですが、今度はリスク管理も伴います。間違いなくこれまでの人生でもっともギャンブル性の高かった2年です。アッサリ絵に描いたように事故を起こしフロント部分の修理代が、さらにプラス16万円。春になったらなったで夏タイヤの摩耗がひどく新品購入でプラス6万円。
アルバイトをやってもやっても手元に残るおこづかいらしきものはいつも数千円しかない生活が続きます。ひと言で言うと、車を所有する為だけの人生であって、好きな車に乗って満喫するドライブ時間はない。笑っちゃうしかないです。それでも後悔したり悲観することはなくバイト人生と学校生活、わずかなドライブという1年半でした。
2年目の冬に東京への就職が内定し、幸運にも「売って欲しい」という後輩に何も問題なく売却できたのでおよその借金を清算し、何も未練なくやり遂げることができました。同意してくれた親にも感謝しています。
駆け抜けた専門学校の2年、今だからこそ笑い話にできますが、やはりセオリー無視、非常識な展開だらけで何も自慢するものはありません。いつも寝不足と疲労の日々だったので、大きな事故で人にケガを負わせてしまう可能性も十分ありました。その責任は学生の私ばかりか親にだって当然、追求されるところでした。
ただアルバイト内での人間関係やお客様との接し方、また給料管理や支払い責任など、数多くのことを実践という形で学べました。何となくですが働く意味というのは、「それなりに真面目に努力しないとダメだよな~」みたいなものをその時に気づけたのは大きかったです。
また私のこのシナリオは別としても、借金そのものの考え方として、利息を払ってでもを先に”欲しいもの”を手に入れて有効的に使いこなす、という意味では決して間違えばかりではありません。
企業として大きな借り入れの決断をする時、また自宅の大きなローン返済、自家用車の返済、生命保険もそうですが、常に見直すという感覚と金利については敏感に向き合うことでよすね。
それにしてももう一度あの時と同じことを今は間違いなくできません。若さって説明できないぐらい単純明快で良いよな~♪
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