■一人の時間とちっちゃな手
気づくと、一人でいることが増えてきました。 いままでは、いつもそばに子どもがいて、手をつなぎながら、とか抱っこをしながらすべてをしていました。
お散歩するときも。
炒め物をするときも、掃除機をかけるときも。
お客さまが来て、玄関に出ていくときも、お茶を入れるときも。
クッキーを作るときも、ケーキを焼くときも。
だからいつも、ゆっくりペース、とぎれとぎれ。
このブログを書くのも、だいたいいつも何度か中断します。
けんかの仲裁をしたり、宿題を見たり。トイレに一緒に行ったり、お風呂の温度を確かめに行ったり。これみてーと言われたり、どうやってかくのーと聞かれたり。
きのうの朝は、雪に埋めておいた人参の選別作業をしました。
いたんだ部分や、頭からのびはじめてきた薄い緑の芽をナイフで切っていきます。
しとしと雨の音と、「でーでーぽっぽぽー」という山鳩の声が聞こえました。
それで初めて、あ、今ひとりなんだ、と気づきました。しっとり濡れた木々と、土の匂いがしみてきました。静かな春の空気を胸いっぱいに吸い込みました。
今日は、ゲストハウスのお掃除に行きました。
明日からウーファーさんが来るので準備です。
ほんの数十メートルですが、まだ雪のある敷地を行くのは結構歩きにくいです。それでも、一人なのでいつもより少しだけ早くたどり着きました。
道々、ふきのとうの赤ちゃんを見つけました。
川の水が増えて、雪が融け一本橋が渡りやすくなっていました。
掃除機をかけて、ストーブの灰をきれいにして、布団カバーをして、薪を準備して。
急いで戻ってきたつもりですが、30分はかかっていたでしょう。でも子どもたちは、楽しそうに遊んでいて、ほっとしました。
これから、もっと、こんなひとりの時間が増えてくるのでしょう。
わたしの手をぎゅっとにぎって離さない小さな手。
やわらかく、まあるいほっぺ。
やさしく高い声。
いつまでもそばにおいておきたいような。
一人が、ちょっぴりうれしいような。
複雑な今日この頃です。
今日は、ゴールデンウイークの疲れが出たのか、朝からずっと寒くて体が動きませんでした。だから、仕込みはなし。
だけど、うちの畑の小麦を石うすで挽いて粉にして、明日の仕込の準備だけしました。
ここまでするのに、春雪解け一番に麦をまき、
暑い中草取りをし、
刈り取って、
干して、
脱穀。朝から家族総出で作業です。子どもたちもお手伝い。
さらにシートに広げて干して、(去年は母も手伝ってくれました)
袋に詰め、
冬中、家の中でごみやしなびたものを取り除く選別作業。
それから、精米機で「磨き」をして、
石うすで挽くのです。
こうしてできた小麦の全粒粉を使って、クッキーやケーキを焼けること、誇りに思います。
食べると体が喜び、心もホカホカしてくるのは、気のせいではないでしょう。
材料から育てて、お菓子作り。
森のケーキ屋おおきな木はこんなケーキ屋です。