■一粒のいちご
このところ、何件か落ち込むできごとことが続いて、どよーんとしていました。問題は自分にあることが多いので、ついずっと考え込んでしまいます。 心が痛み、頭の中にもやもやがあって、そうすると、思うように体が動いてくれない。
ブルーベリーの花
そんな時は、モンペをはいて、麦わら帽子をかぶって畑へ出ます。
WWOOFer(ウーファー)さんがいる間は、畑の草取りをお願いしますが、帰ってしまった後はもっぱらわたしの仕事です。
草たちを見ていると、それぞれ工夫して、一生懸命生きていることを思い知らされます。
土の中深ーく、太い根っこをはやし、スコップで掘ろうとしても途中で切れたら、そこからまた生えてくるもの。
地面の表面近くに輪ゴムのような伸縮性のある根っこでつながり、途中途中で葉を出して、万一途中で切れてもどれかは助かるという作戦のもの。
細い根をしっかり張って、引っ張ると切れてしまうので、なかなかすべては抜けないもの。
あっという間に花を咲かせて、種を作り、種をばらまいてどんどん増えるもの。
あの手この手で生きようとしています。
また、虫たちの活動も盛んです。
蚊、ぶよは常に顔の周りを飛び、黒すじちょう、紅しじみに混ざって、からすあげはも華麗な舞を見せてくれます。
去年に続いて今年も、バッタが大発生。ハウスの中はまるで大きな飼育部屋のよう。芽を出したばかりのやわらかい葉っぱが、容赦なくかじられていきます。(涙)
でも、こんなふうに親子で仲良くひなたぼっこしているのを見ると、ほほえましくてそっとしといてあげよう、と思うのです。
子どもたちは常に、虫取り網を持って追いかけています。
土の上にも中にも、たくさんの名前も知らない虫たち。自分の踏んでいる土の下には何十万の虫と微生物がいるといいます。
もしかして、そんな生き物の毎日の活動に比べたら、わたしの悩みややっていることが、ほんの小さなもののように思えてきました。そして自分自身は、なんてちぽけなんだろうと。
そう思って家の中に入り、着替えたら、窓際にいちごが一粒おいてありました。
思わず口に入れたら、あま~い!おいしさがじんわり広がって、この一粒のいちごに癒されました。
そもそも人間は、迷惑をかけながら生きていくものなのかもしれません。そして、簡単に落ち込み、案外小さなことで立ち直れるものなのかもしれません
せめて、同じ過ちはしないようにして、迷惑なことは少しずつ減らせるように、これからも生きていきたいなと思います。