■うちの鶏さん
窓の外は、春の日がまぶしく雪を照らしています。庭の低い場所には雪解けでできた水たまりがあちこちにあります。でも…外に出てみると、案外空気が冷たいのです。 そんな春の昼下がり、家族で鶏を絞める作業が行われました。
鶏は、冬の間(11月中~2月末)、エサは食べるけれど卵を産みません。3月頃~日が長くなるにつれ、少しづつ産み始めるようになるのです。
はじめは2個だったのが、4個、5個と増えていき、7個産まれていた日は歓声をあげました。
ところが、すぐに、また2個とか1個しか取れなくなりました。よくよく見たら、どうも産まれた卵を食べてしまう鶏がいるようなのです。
それから数日、ちょくちょく鶏小屋にチェックに行き、あやしそうな鶏を別室に分けることにしました。どうも、それは1羽だけではなさそうです。
そして、とうとう、卵を食べているらしいものや、調子が悪そうなものを絞めることになりました。
名前こそ付けていませんが、かわいい家畜です。食べるのはかわいそう、とも思いますが、最後まで自分たちで手をかけて、感謝していただくのは飼うものの責任だと思っています。
つれあいが絞めて、子どもたちが羽を抜いてくれ、私がばらして、調理します。そしてみんなでありがたくいただきます。
うちで飼っている鶏は、卵も産むし、お肉としても食べられる種類のものです。でも、1年で次々と更新するケージ飼いの鶏とは違い、2~3年のいわば年寄り鶏です。また、鶏小屋の中や庭を常に駆け回っているので、筋肉が発達しています。イコールお肉が硬いということです。そのまま、焼き鳥や唐揚げにすることはできません。
まず、圧力鍋で長時間蒸し煮にしました。そうすると簡単にお肉が骨から取れます。それから、煮込んだり、揚げたりするのです。
そして、この時のスープは、大変おいしい鶏ガラスープになっています。ここに、玉ねぎやお芋を入れただけで、極上スープになるのです。
卵のたまごや、レバー、砂肝なども佃煮にしました。
今、お金を出せば何でも手に入ります。でもこうして、いきものを飼ったり育てたりして、その命を自分の命としていただけること。そのおかげでこれからも元気に過ごせること、本当にありがたいと思います。
おいしさをかみしめながら、今日もご飯を頂きたいと思います。