■いらいらいらくさ
「痛いっ!」 よもぎを摘もうとして、イラクサに触ってしまい、手に痛みが走りました。
細ーいとげが何本も刺さっていて、抜こうとしてもきれいに抜けません。この痛みは、数日続いてしまうのです。
こんな経験みなさんもありませんか?
大滝に来た当初は、何度も被害にあい、あっという間に伸びるムラサキがかった太い茎と濃い緑色の葉を遠巻きに、恨めしく見ていたものでした。
それが食べられると知ったのは、それから間もなくでした。
山菜の本に載っています。
半信半疑でゆでてみると、きれいなムラサキ色のゆで汁になってあっというまに柔らかくゆであがりました。
ごま和えにしたらおいしい!ほんのりぬめりがありますが、くせがなくいくらでも食べられます。それからは、イラクサを見る目が変わりました。
調べてみると、イラクサはヨーロッパや北米では、「ネトル」と呼ばれ、ハーブティーとして親しまれているようです。
造血、浄血、抗アレルギー作用があり、花粉症や皮膚炎などのアレルギー症状・貧血に効果があるのだそうです。
今朝も、春のイラクサ採りに出かけました。棘がささらないように、ゴム手を着用します。朝露にぬれたイラクサは、なんだか愛らしく、とてもおいしそうに見えます。ぽきぽきと手で簡単に折れます。
よもぎも採りごろです。こちらは、ナイフで根元を切っていきます。
ていねいに洗ってから、大なべでゆでます。このときも、ゴム手は必需品。ゆで終えるまでは、離せません。
朝ごはんのおかずに、半分は胡麻和え、
半分はあとでケーキを焼きまましょう。
それから、よもぎは春の定番おやつ「草もち」にしましょう。
今回のイベント、地球笑店でも好評でした。
体の中の血をきれいにしてくれる作用のネトルを春に食べる。なんて理にかなって、なんて素敵!
いらくさは、卵や乳製品なしのナチュラルケーキにしてみました。
そして、草もちはきれいな若草色のもちもちおもちになりました。
両方とも、腹ペコさんたちのおなかの中にあっという間に消えていきました。
なにかあるとすぐにいらいらするのはもしかして、人間だけかもしれません。
いらくさのとげだって、お鍋でゆでたら柔らかく、体を内からきれいにしてくれる、薬草になるのです。
見方をちょっと変えて、自分から動いてみたら、物事も変わってくるのかもしれません。