■一粒で二度おいしい梅干しのつけかた
暑い日が続いています。北海道はつゆがなくてさわやかなのがいいですね。 注文しておいた梅が四国から届きました。最低農薬の香里農園産の梅です。玄関中い~いにおいに包まれて、思わずかじってしまいたくなります。でもダメダメ、青梅は生では食べられません。
規格外で、大小さまざま。大粒で50gもあるのも混ざっていて、得した気分です。
梅、というと梅干しのほか、梅酒、梅ジュース、梅ジャムなど思いつくと思いますが、我が家では毎年、これぜーんぶ自家製で作っています。
手間と時間こそかりますが、自分で漬けたり作ったものは、安心ですし味加減も自分好みにできるのが好きです。
今回は、一粒で二度おいしい梅干しの漬け方をお教えしちゃいます。
まず梅をよく洗って、一つひとつへたを取ります。よく拭いて、普通は塩を入れるのですが、まず砂糖を用意します。
梅シロップを取るのです。
梅の重量の20%の砂糖を梅と交互に樽に入れていきます。リッチにするときははちみつでも。
梅の3倍程度の重し(これがポイント!)をして置いておくと、3~7日でシロップが上がってきます。
そうなったら、梅をざるなどに上げてシロップだけ別容器に移します。5~6倍ほどに薄めたら、さわやかな夏のジュースの出来上がり。砂糖の濃度が低いので、このシロップは要冷蔵です。
次に、梅干しを作ります。
梅の(元の)重量の10%のお塩をまぶしながら樽に入れていきます。軽めの重石をかけて、梅酢が上がるのを待ちます。梅酢が浸かっている状態ならよい。
あれだけシロップが出たのに、さらに梅酢が上がってくるのには、感激ものです。赤じそができるまで待って、塩でもみ加えたら赤い梅干し。
そのままなら、薄茶色の梅漬けになります。
しそは、梅の重量の10%ほどを用意。塩はしその20%を用意し、2つに分けておきます。
半量の塩で、しそをよくもんで出てきた黒っぽい汁を投げます。よく絞って、残りの塩でもう1度良くもみます。十分に水けを絞って白梅酢を加えてさらによくもみます。入れた瞬間、梅酢がパーッときれいな紫色に変わります。
汁ごと隙間なく梅の上に広げます。梅がかぶるまで梅酢を注ぎ、梅がかぶる程度の重しをして20日ほど置きます。
お天気の良い日をねらって、ざるの上で3日3晩外に干します。露にあたると梅干しがふっくら柔らかくなるのです。
赤梅酢を透明な瓶に入れ、ラップをしておひさまに当てるとさらに色がきれいになります。
梅干しは、古臭い、とかすっぱくて、と敬遠されがち。でもそのすっぱさに、素晴らしい殺菌作用があるのです。本州並みに暑くなる最近の北海道。朝炊いたご飯が、昼にはもう痛んでいることもあります。でも、梅干し1粒入れておくだけで、腐敗を防げるのです。昔からの知恵はとても理にかなっているものです。
ただ、これは「はちみつ梅」のような甘い味の付いた梅干しでは残念ながら効果はあまり期待できません。
「減塩」とうたっているものも、実は普通に塩で漬けたものを水の中で塩抜きして、「保存料」などとともに甘味料やカツオ風調味料などで味付けしているそうです。
本来、梅干しはそれ自体に腐敗を防ぐ力があるのに、それにわざわざ保存料を加えるのはどうかなと思うのです。
もし、すっぱいのが苦手な方は、梅干し1個に対して小さじ1杯ほどのお砂糖を加えてねりねりしたら、甘くて食べやすい練り梅になりますよ。
我が家で大好評だった、ノンオイル『梅ドレッシング』のレシピもどうぞ。
材料*約1カップ分
梅干し 8個
だし汁 1/2カップ
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
しょう油 大さじ1
こしょう 少々
作り方
梅干しは種を取って軽く実をたたき、他の材料とともに瓶に入れて、よく振り混ぜる。
できあがり!
細切りの長いもと和えたり、蒸し物にかけたり、そうめんのつゆにくわえたり、おかかと一緒にごはんにかけてもおいしい!
このドレッシングは、梅干しだ~いすき長男のおハコです。今日も、倍の量で作ってくれました。
子どもでも簡単にできて、あっさりさっぱり夏の味。お試しくださ~い。