■穴のあいた靴下
お気に入りの、毛糸の靴下に穴が開いてしまいました。 除雪に出ようと長靴に足を入れたとき、あ、冷たい、雪が入ってるのかしら、と思ったら、足の裏に大きな穴があいてしまっていたのでした。
これは、去年の冬にご近所のおばさんが編んでくれたものでした。
毛糸の靴下は温かくて大好きですが、なかなかお店には売っていせん。自分では編む時間も根気もないので、手編みの毛糸の靴下は、わたしにとって大変な貴重品です。
おばさんのは色合いがあったかくて、履いてもあったかくてとても気に入っていました。
帰ったら直さなくっちゃ。と思いながらまず外に出て除雪をしました。
案外早く終わったし、お届けものもあったので、そのおばさんの家をたずねました。
ひとしきり、おしゃべりして、お茶をごちそうになって帰る段になったら、お漬物やお菓子を山盛りおみやげにくれました。そしてさらに、「これ...」と何かを渡されました。
それは、手編みの毛糸の靴下でした。しかも2足も!
どちらも、なんとも素敵な色使い。ラメまで入ってきれい。
なによりも、今日穴が開いてしまったのを知っていたかのように、今日渡されたことに感激してしまいました。
お礼を言うと、「この前、毛糸もらったから編んでみたのよ。」と、こともなげに言います。
そうでした。
秋ころにバザーで、いろんな色のお古の毛糸を見つけたので、去年のお礼にと買って来たのでした。
しばらく体調を崩されていて、歩くのも大変と言っていたので、好きな編み物でもしてもらえたら、と思ったのですが、気を遣わせてしまいました。
でも、よく見ると、おばさんの足には新しい素敵な色のカバーが履かれていたし、おじさんも、白が基調で赤や青のアクセントのある靴下をはいていました。
どれも、オリジナルの色合いがとてもすてき。
わたしの心は一気にぽかぽかになりました。
そして、おおきな木のパテシェとして、受け取った方の心がまあるく笑顔になるようなおいしいものを作っていきたいなあと、しみじみ思ったのでした。