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[2008.04.15]
■おしらさま
 岩手県遠野市…。ご存知の方も多いと思うけど、同地は遠野物語に代表される民話の里である。昔カッパが住んでいたとされるカッパ淵と言われる場所もあり、妖怪変化等の話も多い所だから、エキセントリックな事や不思議好きや日本昔話系の話が大好きな方にはたまらなく魅力的な所であるのは、まず間違いない!まして、”語りべ”と言われるお婆さんの独特な方言から語られる、民話や昔話は、教訓や感心事の宝庫でもあるんで、興味のある方は是非一度、同地に行ってみて欲しい…。 


 この遠野に普通に異彩を放ちながら奉られている神様がいる…。聞いた事がある方も多いと思うんだけど、「おしらさま」って知ってますかね?30cmほどのこのご神体は、頭を布から出したタイプと頭を布で包んだタイプがあって、頭を布から出したタイプには男神と女神の組み合わせと、ビックリする事に馬と娘の組合わせがある。男女の組み合わせはお雛様との関連性を感じるが、馬と娘ってかなり異質ですよね…? 
 
 なお、呼び名は奉ってある家によって違うみたいで、「オシラサマ」「オコナイサマ」「オクナイサマ」等と呼ばれているらしい…。一般的には養蚕神という事で、広く知られてはいるんだけど…。 
 
 「オシラサマ」が広く認知されたのは明治27年に遠野出身の人類学者・伊能嘉矩が人類学会で論文「オシラ神に就きて」を発表してからとされている。それから柳田国男の「遠野物語」によって全国的に流布された経緯があるようなの…。何年か前に大ヒットしたアニメ映画「千と千尋の神隠し」では大根の神様として紹介されたから覚えている方も多いでしょう?でもあの巨大化した大根のキャラクター設定には伊能も柳田もさすがに苦笑したでしょうけどね…。 
 
 でも、本当にオシラサマの古い記録はいつ頃からあるのかというと、宝暦12年(1762年)に著された「遠野古事記」にオシラサマと思える記載が読み取れる。 
 
「しあらというものを小箱とりだし祈祷云々…」この「しあら」が後に「おしら」と変化した可能性が高いという…。先ほどの馬と娘のオシラサマなんだけど、遠野で語られるオシラサマの昔話とは次のようなもので…。 
 
 昔、ある美しい娘がいた…ところが、この娘は年頃にもかかわらず、恋愛の一つもない状態…。心配した両親が娘の様子をうかがうと、な・なんと!その娘は家で飼っている馬と恋仲であったんだと…。当然年頃の娘を心配した両親は、その馬の首を切り、殺してしまう…。愛していた馬を殺された娘が泣き叫んでいると、突然馬の皮が娘を包み、そのまま天に昇っていったという…。娘が消えてしまい、落胆した父と母はそれから1週間後、娘の生まれ変わりのような小さな虫を授かる…。それがカイコでそれ以来、養蚕が始まったとされているのさ…。 
 
 遠野に行ったら伝承館という所に行ってみてほしい…。たくさんのオシラサマが奉られていて、少し不気味な空間ではあるけど、養蚕の神さまであると共に、恋愛や夫婦円満、安産の信仰もあるから、カップルの方は、特にいかがでしょう…? 
 

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PROFILE
タリズマン・マスター
タリズマン・マスター
1995年から、この伊達市に、占いスペースを開き、運命アドバイザーとして占いをおこなっています。  
札幌、苫小牧など、遠方よりお越しになる方も、多く占わせていただいています。  
 
占いに使うアイテムは、タロットカード、占星術、など、多岐にわたりますが、アイテムをガイドとして使いながら、霊感によって、その人の本質を霊視します。  
この仕事についたのは、運命だと思っています。 
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