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[2010.07.01]
■錬金術
 人間の欲望の中でも、金銭欲ほどタチの悪いものはない…。しかし、この金銭欲に裏打ちされて盛んに行われた錬金術が、近代科学の揺りかごになった事は否定出来ない事実ですよね…。そもそも、金は変質しない金属で、古代よりその価値を認められて来た。それ故に、権力の象徴であり、いつの時代でも人々は魅せられて来た訳で…。錬金術とは、卑金属(放置すると簡単に酸化する金属)を金や銀等の貴金属に変える技術の事で、錬金術の広義は、金に変える過程で人間の魂や肉体を浄化し、生成する事もその技術とされている。 


 錬金術の理論は、自然界に存在する様々な物質を構成している元素の割合を変化させる!というところにあって、すべての物質は、化学変化をさせる事で元素の比率が変わり、別の物質に変化する!と考えれていたようだ…。錬金術における元素とは、物質の本質を表す土・水・空気・火の4つの精霊を指している。まぁ、元素=精霊で、錬金術師はこの4つの精霊を操る術者であって、適切な比率で処置を行う事が出来たら、卑金属を金に変える事が出来る!と考え研究を重ねていたらしい…。 
 
 卑金属を金に変える錬金術…。ただ、金に変成する際に必要不可欠とされている霊薬がある!ロールプレイングのゲームが好きな方はよくご存知とは思うんだけど、その霊薬の事を”賢者の石”、または”エリクサー”という。非金属(不完全な物質)を金(完全な物質)に変える触媒となるのがこの賢者の石なんだけど、実際のところはその形状や性質は謎に包まれている…。 
 賢者の石は、錬金術師であれば誰もが喉から手が出るほどのアイテムだったのは間違いない!ある意味、賢者の石を創造する事、手に入れる事こそが、錬金術の奥儀!と言っても過言ではない!これが拡大解釈され、賢者の石を手に入れる事が出来れば、全ての精霊を支配出来、不老不死の力を手に出来て、金の生成だけでなく、生命の変造や創造すら出来ると信じられていた。 
 
 元々錬金術を行うための技術は古代エジプトやメソポタミアの化学技術がベースになっているという…。紀元前16世紀の「エーベル・パピルス」には油脂を煮立ててアルカリを加えて石鹸を作る方法が記されている他、ミイラを作るために様々な薬品を作る必要があったようで、天然の炭酸ソーダを採取し使用していた形跡がある。メソポタミアでも化学工業が発達していたらしく、ウルの遺跡で発見された壺は、紀元前に作られた電池ではないか?とされている。 
 
 13世紀に入るとヨーロッパで盛んに行われた錬金術…大半はロウや水銀・硫黄を使ったトリックを行う詐欺師がほとんどであったのだけど、現代に残した功績もある。例えば中世ヨーロッパにおいて磁器は輸入品であり、非常に高価なものであったのをヨーロッパで生産する方法を見つけたのも錬金術師だし、蒸留器の発明やそれにともなう高純度のアルコールの精製、火薬を発明したのも、様々な化学物質をも発見した…。 
 
 最強の錬金術師を紹介しておこう!詐欺師がほとんどの錬金術師の中で16世紀に活躍したパラケルススは別格なんだと!錬金術師であり、医者であり、哲学者だった彼は、恋仲の男女を結婚させるために小銭を金貨に変えたとか、食事をご馳走になったお礼にと、焼き串を金に変えたとか、鍛冶屋の鉄敷を金にした等、多くの金属を金に変えたエピソードが伝わっている。また、パラケルススは後進のために多くの魔術・錬金術の著作も残しているのだけど、その中の「ものの本性について」という本で紹介しているのが、ホムンクルス(人造人間)についてで…。 
 ここに著されているホムンクルスを作る方法は、人の精液を40日間、蒸留器に密閉すると、精液が生きて動き始める。腐敗を進行させると、ほとんど透明な人の形した生き物が現れるんだと(笑)!この生まれたばかりのものに、毎日人の血を与え慎重に養い、かつ馬の胎内と同じ温度で40週間保存すると、それは生きた子供になるという…。ただ一つ違うのはこれ以上は絶対大きくならず、小さいままなのだそうだが、ルネッサンス期最高の錬金術師パラケルススでさえこの程度ですからね(笑)…。 
 
 人間楽して一攫千金を夢見るより、コツコツ毎日努力したほうが良さそうですね…。 
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タリズマン・マスター
タリズマン・マスター
1995年から、この伊達市に、占いスペースを開き、運命アドバイザーとして占いをおこなっています。  
札幌、苫小牧など、遠方よりお越しになる方も、多く占わせていただいています。  
 
占いに使うアイテムは、タロットカード、占星術、など、多岐にわたりますが、アイテムをガイドとして使いながら、霊感によって、その人の本質を霊視します。  
この仕事についたのは、運命だと思っています。 
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