■地獄
世界には、俗に三大宗教と言われるものがあって、皆さんよくご存知のように、仏教・キリスト教・イスラム教ですよね?そして、これらの宗教では、必ず生前の行いが悪い人は”地獄”に送られる!とされている。針の山、鬼、血の池…等が皆さんの持つ地獄のイメージでしょうか?日本人が持つ地獄のイメージの大半は、仏教のものと思いますが…
”地獄”という言葉はサンスクリット語の「ナラカ」という言葉を意訳したもので、このナラカの音写した言葉が「奈落」だと言われている。従って本来、奈落と地獄は同じものなんだそうで…。
仏教では、死者は冥土で生前に犯した罪の裁きを受け、様々な欲に捕らわれている者は、天道、人間道、修羅道、餓鬼道、畜生道、地獄道の六道の辻に立たされるという…。この内、最上位の天道(インド土着の神々が住むところ)でさえも、苦しみの輪廻する世界に変わりなく、輪廻しない「涅槃」へ解脱するには悟りの境地に達さなければならないようなの…。ただ、一般には天道は極楽というか天国とされてもいるんだけどね。
一般に地獄と呼ばれているのは「地獄道」のことで、地獄行きかどうかを判断するのが、閻魔大王という事になる。
恵心僧源信(942~1017)の「往生要集」によると地獄には、人々が互いに殺しあった後、生き返ってまた殺しあう等活地獄、鬼にノコギリや斧で身体を切り刻まれる黒縄地獄、ずっと鬼に攻め立てられる衆合地獄、鬼が鉄棒で身体を打ったり鍋で煮られる叫喚地獄、今までの4つの地獄で受ける10倍の苦しみを受ける大叫喚地獄、更に焦熱地獄、大焦熱地獄と続き、最も激しく長い苦しみを受ける阿鼻(無間)地獄とあるそうなの…。ここまで来ると、人間の世界で言うところの2億4千万年を1日として、それを2億4千万年ですって!一番軽い地獄でも1兆6200億年だそうで、地獄には136の行き場所もあるんだとも言われている。そして、刑期を終えると、輪廻転生によって再びこの世界に生まれ変わるとされている。
キリスト教では、「最後の審判」の時にすべての人間が天国行きか地獄行きかを判断されるとしていて、キリスト教の地獄は、永遠の責め苦を受ける世界であって、堕ちたら2度と這い上がる事が出来ない!仏教の地獄が変な例えかも知れないけど、かなりの時間がかかるにせよ有期刑だとすると、こちらは完璧な終身刑という事ですわ。
ただ、カトリック教会の教義によると、多くの人間は、まず天国と地獄の間にある「煉獄」に行くとされていて、煉獄とは、地獄に落ちるほどの重罪を犯していない者が、小さな罪を償うために一定期間服役する場所だそうで、有期刑とう点では仏教の地獄のイメージに近いのかもね?でも、プロテスタントの教えでは、煉獄の観念が免罪符の取引につながるとして、煉獄の考え方を否定してますわ。
イスラム教でも、やっぱりこの世の終末と共にすべての人間が「最後の審判」を受ける!とされていて、その時は生きている人間だけではなく、すべての死者が墓から出されて復活するんだと!イスラムで死者を火葬にせず、土葬にするのはそのためですわ。
復活した人間は、生前の行いを記したノートをもとに、楽園(天国)行きか地獄行きかを判定される。地獄は深い穴の中にあり、罪人がそこに転落すると地獄の7つの門へ至る…。このうち、最上層にある「ジャハンナム(ゲヘナ地獄)」は、罪を犯しながら懺悔しなかったイスラム教徒が入る地獄!そこはキリスト教の煉獄と同じシステムで、一定期間服役して犯した罪を償えば、ムハマンドの慈悲により出してもらえるが、それより下層にある地獄は、キリスト教徒、ユダヤ教徒、ザービア教徒、ゾロアスター教徒、偶像崇拝者、偽善者が入れられる地獄で、入ったが最後、永遠の責め苦を受けなければならない!火の衣服を着せられて頭上から熱湯を注がれ、鉄の棍棒をふるわれたうえに煮えたぎる湯を飲まされ、しまいには炎で焼かれる恐ろしい世界ですって!まぁ、イスラム教の教えによれば、イスラム教徒以外のものは、もうすでに、地獄行き決定!なんですけどね…。
怖いですね…地獄…。皆さんは地獄ってあると思いますか?私個人的な意見を言わせてもらったら、答えはYesだろうね。だって、一度そういう世界見せられてるし…。私たちは生きているだけで、罪を作っている動物だから、私なんか人間が出来ていないから、毎日のように、反省と懺悔の繰り返しだけど、地獄に行かないで済むように、善行を残る人生たくさんして償わないと!と思っていますわ…。