■直接コミュニケーションを取る事の大切さ。
おはようございます。 今日もこれから除雪・・・。
今年は雪,多いですね。
さて,
「もう,本当に最近の若いもんは・・・」
と言うようになったのはおじさんになったしるしですが,最近は他愛もないことは電話や直接に会った時に話し,肝心なことはメールで伝えてくる友人が増えているように思います。わたしはそのようなとき,敢えて折り返し電話をするか,直接会うようにします。
やはり肝心の話は語調を聞いたり,表情を見ないと真意は分かりません。
話しにくいことを敢えて肉声で話すわけですので,少しのリスクが伴いますが,声は空中に飛んでいき,文字になって残らないので,得ることのほうが大きいと思います。
直接コンタクトを取る事の大切さを痛感する話を知りましたので,お伝えします。
少し前にもこのブログで書きましたが,20世紀を代表するクラシック音楽の指揮者にヘルベルト・フォン・カラヤンという方がおられます。《楽壇の帝王》と呼ばれていました。
残念ながら1989年に亡くなられましたが,彼のCDは音源が発掘されるなどして発売され続けています。彼のことを調べていると,来日の折りに2つのアマチュアオーケストラの指揮をしていることを知りました。早稲田と上智,二つの大学の学生オーケストラです。
「3分間の名スピーチ」という本に書かれていましたので引用します。
昭和48年の秋のこと、日本にヘルベルト・フォン・カラヤンさんが来日したとき、すばらしい逸話が生まれました。それはカラヤンさんが学生のアマチュア楽団(上智大学オーケストラ)のために、みずから指揮棒を振ったという話です。
カラヤンさんは世界第一級の指揮者です。また、この天才音楽家は気むずかしいことで知られており、関係者は大変な神経の使い方だという報道も新聞をにぎわしていました。
ところでここに、新聞には報道されずNHKのテレビだけに流されたひとつのニュースがありました。それが冒頭に述べた素人管弦楽団の指揮という美談です。
それには次のようなひとりの女子学生の積極的な行動がありました。彼女はテレビに映るカラヤンの表情を見て、なんと人間的深味をたたえた顔だろう、この人はきっと心のやさしい人にちがいない。私たち素人の管弦楽団を指揮してくださらないものだろうか、お願いしてみよう、と思いたったのです。そしてドイツにはよい果物が少ないそうだからと蜜柑を一籠もって訪ねました。
はじめに、マネージャーと面会して手順を考えていました。するとなんと思いがけなく廊下の向こうからカラヤンさん、その人がくるではありませんか。彼女は思い切って積極的に声をかけ、あいさつしました。
「日本ではあなたのことを神さまのように思っています。とても私たちアマチュア楽団などの指揮なんかしていただけないと思いますが、もしその夢がかなえられるなら、と思ってお願いにまいりました。」
彼女はドイツ語を習っていたので、これだけの言葉を一生懸命覚えて行ったのだそうです。そして・・。
テレビのニュースは、学生たちの楽団を前に、あの瞑想スタイルで、しなやかに指揮をする神秘的なカラヤンの姿を映しました。
カラヤンさんは、「私は神さまなんかじゃありませんよ。若い人のアマチュア楽団の指揮をしないなんてことはありません」とやさしく語ったということです。
(注:カラヤンは1時間以上の時間を取って,上智大学オーケストラを指揮し,ベートーヴェンの「第九」の指導を熱く行なった)。気むずかしくて有名な世界最高峰の指揮者と素人楽団のとり合わせ、この奇跡のような出来事をあなたはどう思いますか。
話を交わすことで、人と人とのむすびつきができるのです。言葉を交わすことで人間関係が生まれるのです。もし彼女がカラヤンさんと廊下で会ったときに、「あとにしよう」と声をかけなかったら、このすばらしいエピソードは生まれなかったでしょう。
人との出会いを大切に。そしてチャンスを逃がさずに。積極的に声をかけて。
(引用はここまで)。コミュニケーション,本当に大切です。
きょうはそんなことを考えながらカラヤンの指揮する「第九」を聴いていました。