■またまた秋吉敏子さんの名盤紹介。
先日に続き,秋吉敏子さんの作品にノックアウトされました。
秋吉敏子さんの「ザ・トシコ・トリオ」です。
1956年録音。エド・シグペンとポール・チェンバースという猛者を従え,
堂々と渡り合っているところが凄いです。
大物二人を相手に「巨匠の胸を借りる」というような要素は微塵も感じさせません。
「日本人」というところを恥じていないところも凄いです。
それをハード・バップ全盛の1956年にやっていたのですから。
1曲目は「ビトウィーン・ミー・アンド・マイセルフ」。
これはどう解釈したら良いか分からないのですが,「わたしとわたし自身の間に」
ということでしょうか。
日本の民謡や童話のようなオリジナルメロディーにバッハのような旋律が挟まります。
バド・パウエルも「バド・オン・バッハ」という曲を作っていますから,
秋吉さんがご自身のルーツを書き表した曲なのかも知れません。
エド・シグペンに和太鼓のように叩かせていても,
それが胡散臭くならないのはさすがです。
「蘇州夜曲」は2分弱です。スタジオで発作的に録音した曲なのでしょうか。
そして,ラスト,「朝日のようにさわやかに」がこれまた素晴らしい。
秋吉さんは,曲の引用がうまいのですが,この曲でも「朝」の曲なのに「チュニジアの夜」を引用しています。
YOUTUBEで試聴できます。
少し前に紹介した「リメンバリング・バド」では,
「パリの舗道」でガーシュウィンの「パリのアメリカ人」を引用していました。(1958年にアメリカから逃げるように渡仏して,
芸術家として尊敬されたバド・パウエルを表しているようです)。
バドの影響を感じさせながらも,しっかりとご自分の個性を確立させているところが脱帽です。
当分は秋吉さんのピアノの魅力から逃れられそうにありません。
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