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[2007.05.25]
■ニコラさんの驚くべき人生
 
久しぶりにピザを食べに行った。 
私がピザを食べに行くのは決まって横田米軍基地の前の『ニコラス』である。この店は48年ほど前に父親に連れて行ってもらって以来、ずーと贔屓にしている。 
 
イタリアンレストランニコラ  
 
当時はまだピザというのは一般的な食べ物ではなく、お客はほとんどがアメリカ軍の軍人とその家族であった。 
 
薄暗い店はなんだか秘密めいていて、また周りがアメリカ人ばかりなので、外国に行ったような気分になれて楽しかった覚えがある。 


ここのピザはアメリカ式のピザである。 
いま時の薄い生地のピザと違い、シッカリした生地の上にタップリのチーズで、その上にお好みで具を乗せて焼いてくれる。帰りにはついお土産まで買ってきてしまう。 
このピザを食べたら、他の店のピザは食べられない。 
 
この店は終戦後、ニコラ・ザペッティというイタリア系アメリカ人が横田と六本木に店を出した。どういう経歴の人か知らなかったが、ある時、なにかでそのニコラという人のことを書いた本があるのを知った。 
 
早速、アマゾンから取り寄せた。 
その本の名は『東京アンダーワールド』である。 
戦後の無秩序の中の闇世界で生きて来た男の話で、これは面白い。 
多くの政治家、芸能人、力道山、ヤクザなどが登場する実話である。 
是非とも読んでみて下さい。 
 
(お勧め度☆☆☆☆☆です) 
 
ニコラスのピザ(17番) 
 
現在は経営者が変り、日本交通が経営しているが、このピザハウスにこんな歴史があるのを知って、ますます贔屓にしたくなった。経営権を巡る日本交通とニコラとの裁判の経緯も面白い。 
 
 
(おまけの話) 
戦中派の私の世代は戦後のアメリカ文化の影響を強く受けて育った。アメリカ軍は進駐軍と呼ばれ、その豊富な物資に憧れた。我が家では米軍基地からの横流し品のハムや缶詰が食卓に上ったのを覚えている。 
 
私が生まれて初めてコカコーラを飲んだのは大学1年生の時に水道橋の『窓』という喫茶店でだった。『なんて薬臭くて不味い飲み物なんだろう』と思った。 
 
初めてソーセージを食べたのは、小学生の時に神宮外苑にコニーアイランド・ショーがやって来た時に父親に連れて行ってもらい、そこでホットドッグを食べた時だった。 
 
初めてグレープフルーツを食べたのは、大学生の頃に、オヤジが入院した時に私の彼女がお見舞いに持ってきてくれた時だった。 
 
このように私の世代は『あの時、あの場所で初めて食べた』という記憶が沢山ある。そういう食べ物の思い出の無い若い世代は可哀そうだ。 
 
小金井の自宅から 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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