■学習していない私
49階のスカイラウンジで、ジジイ達と懇談をしていた時のことである。 私の隣に座っていたXさんは、最初の内は元気過ぎるくらいに発言していた。
暫くして気が付いたら、なんだかとても静かになっている。
私は、『Xさん、大丈夫ですか?』と聞いたら、Xさんは『大丈夫』と答えた。
でも、なんだか変だ。

そこで、『気分が悪そうだが、救急車を呼びましょうか?』と言った。
でもXさんはまた、『大丈夫』と言う。
そこでソファに寝かせて、奥さんの携帯電話に連絡した。
だが生憎、彼女は外出中で電源を入れていない。
仕方ないので、部屋に送ってベッドに寝かせて私は出掛けた。

その後、同席していたYさんから電話があり、『Xさんの奥さんから電話があった。Xさんは脳梗塞で入院した。幸いに大事には至らないようだ』と言っていた。
後で女房にその時の状況を話したら、『それは典型的な脳梗塞の症状よ。部屋に連れて行って寝かせている場合じゃない。一刻を争うような事態なんだから、救急車を呼ばなきゃ駄目じゃない』と、怒られた。

でも、大事に至らないで良かったー。
その時に私より年配の人が4人もいたのに、判断が悪かったなー。
あれで重大な結果を招いたら、奥さんに恨まれるところだった。
以前に同級生のS君がゴルフの最中に心筋梗塞になったが、その時も私はそこにいた。私は全く学習が出来ていない。
自分が元気だと、なかなか具合の悪い人のことが理解出来ないのである。
そろそろ私もアチコチと具合が悪くなる年齢なので、Yさんに頼んでおいた。
『私が大丈夫と言っても、その時は救急車を呼んでね』・・・・と。

(おまけの話)
このマンションで、私は色々な人とのコミュニケーションを計っている。
中には問題オヤジもいるが、その場合は適当な距離をおいている。
時々、ランチをご一緒する夫婦がいる。
計画するのはいつも私だ。なぜかそうなってしまった。
女房が銀座で新規開店のチラシをもらって来たので、そこへ行ってみた。

3500円の和食のランチが、500円引きになる。
その店は私はまあまあだと思ったが、元料理研究家の女房の意見は厳しい。
『あの値段で、あの料理ではお客は来ない』と言う。
食後に「和の後は洋」という女房の提案でフランスのカフェに行く。
ここはお客以外は、まるでフランスの街角の雰囲気である。
カプチーノを飲み、600円でミニフランス旅行をした気分になった。
