■平成の大移動(築地から豊洲へ)
ゴタゴタした末に、やっと10月11日に築地から豊洲に東京都の市場が移転して営業が始まった。しかしながら、その前に意外と知られていない築地市場の大きな問題4つが横たわっている。 あまりマスコミに登場しないが、1つ目はネズミ、2つ目はアスベスト、3つ目は土壌汚染、4つ目は遺跡である。
この中で特に問題となっているのが、ネズミである。
「ドブネズミ」 「原爆マグロの碑」は引っ越さない。
築地市場には多くのネズミが住んでいる。なにしろ食べ物が豊富なのだから、当たり前である。
水産卸売り場は水が好きな「ドブネズミ」、青果卸売り場は穀物好きな「クマネズミ」がいる。「大きな奴は猫くらいの大きさだぞー!」と市場関係者が、女房に話していた。
現在の数は不明だが、1000匹以上はいるようだ。
市場の建物解体で住処を失うネズミ達は、新しい住処を求めて必ずどこかに去って行くはずだ。
築地場内市場の最終日(10月6日)の「ターレ」(Turret Truck)
ネズミの引っ越し先は場外市場が近いのでそこに行くか、銀座まで行くか、或いは隅田川を泳いで渡り私の住む勝どき地区まで来るか?、それはネズミに聞いてみないと分からない。
東京都は9月から徹底的な駆除をすると言っていたが、それでは今までは放置していたのか?
「豊洲市場は安全だが、安心ではない」と言った小池都知事は、この問題をどうする?
築地市場入り口の取得物掲示板「メカブ」、「リーフグリーン」、「メカブスープ」、「バッグ」、「冷凍ハンバーグ」など多彩な落し物がある。
築地市場は古い市場なので、建物の多くにアスベストが使われている。
この除去をしないで解体したら、環境汚染で大変なことになる。
また地下には歴史的な埋蔵物もあるようだし、原爆マグロも埋まっている。更に戦後は進駐軍のドライクリーニング工場があったので、化学物質の除去も必要であろう。
午前5時に大移動が始まった。(我が家の窓から)
そんなことを考えていたら、10月11日の豊洲市場のオープンに合わせて、築地市場で業者が使用している荷物運搬車(ターレ)の引っ越しがあると知った。なにしろ2600台ものターレが引っ越すのであるから、これは見ものである。
その日は10月7日~10日の午前5時から8時までと決まった。
晴海地区の交差点で一般道と交差する。(午前5時10分)
ターレは今回だけ特別に、未開通の都道2号線を築地市場から豊洲市場まで走る。私は念の為に、前日の夜は目覚まし時計を掛けて寝た。
我が家の窓から見ていたら、7日の午前5時にターレの大移動が始まった。数枚の写真を撮って、すぐに1階に降りて晴海地区へ向かう。
この上り坂を登って豊洲大橋を渡ると、豊洲市場になる。
一般道と交差する場所には、やはり大勢のカメラマンとTVクルーが来ていた。当然、近所のアマチュア・カメラマンも来ている。
20台ずつくらいのターレのグループが目の前を通り過ぎて行く。
100台くらい去って行ったら、もう後はパラパラとしか来ない。
空が明るくなって来たので、家に戻る。女房は飽きもせず、窓からターレを見ていた。
まだ残り3日間もあるので、あと3回は楽しめそうだ。
大移動から遅れて1人で進むターレ。
(おまけの話)
中央区の区報に興味深いお知らせが載っていた。
それは小池知事のお騒がわせのせいで築地市場の移転が延期となり、その為に途中まで完成している環状2号線が東京オリンピックまでに開通しなくなってしまった。
そこで一部開通予定部分を一般公開するというニュースがあった。
東京都はオリンピックまでに開通出来なくなった批判の矛先を逸らすためか、完成している部分の一般公開が9月15日に行なわれた。
環状2号線は一般道なので、両側に歩道がある。
右奥のビルが私の住むマンション。(前方に進むと豊洲市場)
この道路は我が家のすぐ北側を通っている道で、家の窓からも良く見える。公開される部分は、まさにその部分なのである。
一般公開は正午からだが、近隣住民には午前10時から優先的に入れる入場券が配布された。
午前10時から我が家の前の高架道路に車で上る導入路の部分から、家族3人で歩いて入った。
雨の中を見学者が歩いて行く。(豊洲方面から築地方面を見る)
生憎の小雨模様だったが、土曜日ということもあり、かなりの見学者がいた。今回の見学会で車道を歩けるのも最後である。
途中では道路工事車の展示、オリンピック選手村のモデルハウス、そして豊洲大橋からは東京消防艇の祝賀放水もあった。
この道路の開通は小池都知事のせいでオリンピックには間に合わなくなってしまったが、一部開通は11月からだそうだ。
環状2号線の築地方面はここで終り。
突き当りの築地市場が移転しないので、この道の全線開通はオリンピックに間に合わなくなった。