■その時そこにいる
(2016年11月28日) 11月24日の朝にいつものように午前5時過ぎに起きたら、前日の天気予報と違い雪が降っていなかった。それが午前6時頃になると、急に雪が降り出した。
それもかなり激しくだ。
やはり最近の天気予報は「良く当たる」と思い直した。
居間のTVを点けたら、「11月に雪が降るのは54年ぶり」だと報じていた。
11月24日の朝の雪。(41階の自宅居間から撮影)
写真が趣味の私は「紅葉と雪」という絶好のチャンスを逃すまいと思い、午前8時に家を出た。しかし41階から見たのと違い、道路に出たら「みぞれ」だった。仕方無いので家に戻る。
1時間くらいして外を見たら、前より激しく雪が降っていた。
そこで改めて家を出る。
しかし、また階下は「みぞれ」だったので家に戻った。
寒いのに散歩をしているババ2人。(武蔵野公園)
そんな時に同じマンションの友人のMさんからメールが入り、「明日の早朝に写真撮影に行かないか?紅葉と雪という都会では珍しい写真が撮れると思う」とあった。
そこで撮影場所を探して、多摩方面の友人達にメールで問い合わせた。
その答えは「都心と違い、多摩方面は3~5センチの積雪」だった。
空気が非常に冷たく、水が温かいので「川霧」が発生していて幻想的である。(武蔵野公園)
翌日の午前5時45分にマンションの友人と3人で、私の故郷の小金井市に近い武蔵野公園に向かった。まだ外は暗いし、とても寒い。
7時に武蔵野公園の駐車場に着き、すぐに撮影開始となる。
道路の水たまりは氷が張っている。
銀杏の木の周りだけ雪が無い(野川公園)
野川に出ると空気と川の水の温度差により、川霧が発生していて幻想的な風景だった。モミジも寒さで凍っている。
そんな寒い中でも散歩をしているジジババがいるのには驚きだ。
「健康のため」と思っているんだろうが、健康に悪いんじゃないかと思う。
モミジも凍り付いている。(武蔵野公園)
あまりに美しい風景なので、いつもより大分、多くの写真を撮った。
友人のプロカメラマンのO君が言う「良い写真を撮る秘訣は、その時そこにいること」というのが実感として分かった。
道路の水たまりも凍っている。(武蔵野公園)
その後に小金井公園に行き、少しばかりの写真を撮る。
どうも最初の武蔵野公園があまりに良いシャッター・チャンスに恵まれ過ぎたせいか、この後の深大寺でもシャッターを押す気力が萎えてしまっている。
やはり何事も「段々、良くなる」というのが良いようだ。
葉っぱも凍る寒さだった。(武蔵野公園)
(おまけの話)
「深大寺で蕎麦を食べよう」ということになったら、一緒に行ったMさんは「私の知っている店に行こう」と言う。
この辺りは私の方がよほど詳しいが、恥をかかせても悪いのでその店に行った。店の名は水神苑というのだが、ここは料理屋で「蕎麦屋じゃない」のを私は知っている。
真っ赤なモミジの葉が落ちて、赤い絨毯のようだった。(小金井公園)
店に入りメニューを見る。ソバは1種類しかなく1000円もして、他は懐石料理である。
私は言った。「ここは出よう。私の行き付けの蕎麦屋なら田楽などもあり、店も風情があるし、新蕎麦を楽しめるよ」と言ったら、2人は了解した。
店を出たら女将さんが追いかけて来た。
「何か粗相でもありましたか?」と言う。
私は「いいえ。私達の食べたいものが無かっただけです」と答えた。
朝日を浴びて、木の影が伸びる。(小金井公園)
車に乗って駐車場を出たら、Mさんが「シートベルトをして!」と言う。私は「大丈夫。すぐ隣の店です」と言って、隣の大師茶屋に入った。
大師茶屋で「モリ蕎麦」と「味噌田楽」を注文し、店外の緋毛氈の敷かれた席に着いた。2人は「ここの方がよっぽど深大寺らしくて良かった」と言ってくれた。
女性がいるからといって「見栄を張らないこと!」とMさんに言いたかった。
お寺の天井裏もモミジも赤い。(深大寺)