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[2020.02.19]
■奥京都の旅(3)・・・茅葺の宿 
(2018年02月09日) 
 
この日の朝は前夜が熟睡した後なので、頭がスッキリしている。 
窓から外を見たら、暗い中を漁船が2艘出て行くのが見えた。 
その背景にはボンヤリと舟屋が見えている。 
 
晴れなのか?、曇りなのかはまだ分からない。 
昔は舟屋の数だけ漁師がいたそうだが、漁師の息子が大学へ行くような時代になり、今では漁師も少なくなってしまったそうだ。 
 
朝になり、太陽の光が当った舟屋。(私が泊った向かい側の舟屋の宿から撮影) 
 


空が明るくなって来たら、向かい側の山が朝日でピンク色に染まって来た。舟屋もハッキリ見える。空を見上げると、快晴だった。 
朝食を早目に食べて、漁から戻る船を待つことにした。 
 
8時過ぎになり、有線放送が聞こえた。 
船が漁から戻って来た合図である。左手から船が湾に入って来る。 
その船の周りをカモメが群れをなして飛んでいる。 
 
定置網漁から戻って来た漁船に群がるカモメ。 
 
 
急いで漁港に行って、漁から戻った船から上がる魚の仕分けを見る。 
最近は値段の張る魚が獲れないそうで、「イワシばかりだ!」と漁師は嘆いている。 
 
しかしこの日は違った。なんとマグロが7匹も獲れたのである。 
漁港は驚くほどの数のトンビが獲物を狙って飛び回っている。 
これも壮観である。 
 
伊根漁港でマグロをクレーンで吊り上げる。 無数のトンビが群がる光景は驚く。 
 
 
伊根を出て次の目的地である天橋立に立ち寄ってから、与謝野町に行く。Mさんの計画では、この町にある観光地の「ちりめん街道」の「旧尾藤邸」でランチをする計画だ。 
 
この町は丹後ちりめんで一世を風靡したことがあるが、今は全く寂れてしまっている。旧尾藤邸に着いたら、「ここは見学だけで、以前から食事は出していません」と言われてしまった。 
 
前日の高台から同じ舟屋を見下ろす。 
 
 
仕方ないので、どこかで食事と思ったが、この町にレストランは無いそうだ。 Mさーん!! 
食事は諦めて、次の目的地の美山に向かう。腹が減って仕方がないので、途中のコンビニに立ち寄る。 
 
昨日は昼飯を抜き、今日はコンビニのオニギリじゃ豪華旅行の企画が全く情けない。更にレンタカーに付いているカーナビが安物のせいか、まともに案内もしない。 
空腹の上に何回も遠回りをするので全く腹が立ち、どこかに八つ当たりしたい! 
 
美山に向かう道路は雪が多く、除雪作業中だった。 
 
 
美山の茅葺の里に着いたら、午後4時過ぎだった。 
伊根町では昨日は大雪だったのに深山では雪が降らなかったようで、藁葺き屋根の雪が落ちてしまい斑模様で様にならない。 
 
今は雪灯籠のイベント中なので、暗くなって来たら蝋燭に火が灯った。 
見物客に外国人が多いのにビックリする。しかもやはりアジア人が多い。 
 
天橋立で「股覗き」をする私。 
 
 
Mさんは「茅葺の里に宿を取った」と言っていたのに、来てみたらそこから20分も離れた場所だった。 
彼は大手企業の営業技術を担当していたと言っていたが、現役の時は仕事は大丈夫だったのかなー? 
 
宿に着いたら入り口に貼り紙があった。 
「到着されましたら、お電話下さい」と書いてある。 
人手不足で手が回らないのだろう。 
 
この宿は10室ほどの大きさで、別棟に立派な茅葺の食事処がある。 
それなのに、今夜の宿泊客は我々2人だけだった。 
 
茅葺の里の前の畑ではイベントの最中だった。 
 
 
(おまけの話) 
夕食の時間に食事処に行くと、まあまあの食事が用意されていた。 
鍋ものもあり、「鳥鍋」で軍鶏、コーチン、ロードアイランドの3種類の鳥肉だった。この宿の奥さんが話好きで、我々の食事の時も離れずに2時間も話し込んでしまった。 
 
亭主は現れなかったが、元は酒造メーカーだったのが40年前に大手酒造メーカーに太刀打ちできなくなり廃業して宿を始めたのだそうだ。 
 
前日の高温で屋根の雪も落ちてしまい、まばらになっていた家が多い。 
 
 
亭主は道楽者で、若い頃から狩猟、犬の飼育、写真撮影、ニワトリの飼育をしていて、その上、大酒飲みだそうだ。 
犬は10数匹、ニワトリは世界中の珍しい種類を飼っている。 
だから夕食が鳥鍋なんだと分かった。 
 
長男は後を継いでいるが働くのが好きでなく、長女はこの仕事が気に入っているが、兄と仲が悪い。次女はカナダ人と結婚していて、両親とはあまり話が出来ないなどと愚痴を聞かされた。 
 
暗くなるとライトアップされる家もある。              
 
 
その後はなんだか人生相談のようになってしまい、なんだかとても喜ばれてしまった。宿に泊まってオーナーの人生相談に乗ったのは、この年になり初めての経験である。 
 
食事を終り夜道を歩いて部屋まで戻ったが、すっかり体が冷えてしまった。布団に入ったら、電気湯たんぽが入っていた。 
こんな電気製品があるのを初めて知った。  
 
暗くなると急速に気温が下がり、観光客もまばらになる。 
香港から来たカメラマンは、私達が帰っても彼は帰らずに頑張っていた。 
 
 
 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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