■埼玉県のパルテノン
(2015年3月11日) 「首都圏外郭放水水路」という言葉を聞いたことのある人は少ないと思う。しかし、ここはいまや大変な人気スポットで、見学することすら難しい。
特に外国人観光客に人気で、どこで知ったか連日のように押し寄せている。・・らしい。
首都圏外郭方水路の建物「龍Q館」
この施設は説明書にあることを簡単に言うとこうだ。
「溢れそうになった中小河川の洪水を地下に取り込み、地下50メートルを貫く総延長6.3キロメートルのトンネルを通して江戸川に流す、世界最大級の地下水路」だそうである。
コントロール・ルーム。
私はこの施設を沖縄から上京するFさんのために一緒に見学しようと思い、インターネットで予約を試みたが、いつも満員で予約が取れない。
そこで腹が立って、メールで問い合わせた。
「いつでも満員で予約が出来ない。キャンセルが出たら知らせてくれ」・・・と。
地下への入り口。
ある日のことである。
施設の係員の女性から電話があった。「急に1名のキャンセルが出ましたが、参加しますか?」。
もちろん私は大喜びで参加を表明した。
そして午後3時からの見学会の為に電車を乗り継いで現地に向かった。
鉄製の仮設の急な階段を下りる。
現地の埼玉県春日部市までは大江戸線「勝どき駅」から2回の乗換えと、町営バスを利用して2時間も掛かる。
バスは終点の「龍Q館」まで乗るのだが、電話で聞いた時には「りゅうきゅうかん」という字がこんな字とは思わなかった。
国土交通省の立派な施設なのだから、若者に媚を売るような変な名前は止めて欲しい。
ここでも係員の説明とご注意がある。
3時から始まる見学会には20名が集まっていた。
係員によるビデオと模型での説明があり、出発に際してのご注意、そしてなんと柔軟体操まで行われる。
階段途中での立ち止まり、撮影は禁止と言われて心配になる。
圧倒されるコンクリートの柱の林立。
防空壕に入るような入り口から、階段を使って降りて行く。
しばらく降りて行くと、目の前に圧倒的な光景が広がる。
まるでギリシャのパルテノンが地下に現れたような感じだ。
地下に降りても決められた綱が張られた場所以外は、歩き回ることは禁止である。たった15分の滞在では短いと感じたが、これは見る値打ちがある。しかも無料である。
昨年の10月の大雨以来、5ヶ月で6回の使用があった。
(おまけの話)
今回の件で、私は文句を言いたい。
・見学の申し込みは28日前の深夜の0時から始まる。
そんな時間じゃ私は起きていられないので、翌朝の5時に申し込む。
するといつも満員となっている。電話で聞いたら、3分で塞がってしまうそうだ。
第一立抗の深さは、地下72メートル。
・見学の前に係員が言った。
「この施設は見学用に出来ていないので、地下に降りるには仮設の階段を110数段歩く。自信の無い方は、ここで待っていて下さい」。
すると2人のバアチャンが見学を中止した。
申し込みが出来ないで残念がっている人が沢山いるのだから、見学をしない人は申し込まないでくれ!
貯蔵した水を江戸川に排水後は、ブルトーザーで汚泥を集めて外に出す。
・往きは施設の人に聞いて、電車の時間を合わせて町営の100円バスに乗って行った。見学が終りバスの時間を調べたら、帰りのバスは出たばかりで1時間待ちだった。
どうせなら、見学に合わせて10分の時間調整をしてくれれば、私は乗れるのにー!
往きのバスで気が付いたが、駅から施設まで乗り降りする人は誰もいなかった。
江戸川に排水を流す水門を開くモーター。