■豪雪地帯の温泉に行く (栃尾又温泉)
清津峡では早朝の時刻の路線バスを乗り損なうと、次は2時間半も来ないので、温泉宿の主人に車で越後湯沢駅まで送ってもらった。 11時30分発の『MAXとき317号』に乗り、次の駅の浦佐駅で降りる。
そこには栃尾又温泉の今夜の宿泊予定先の自在館の人が迎えに出ていた。
マイクロバスで40分くらいで栃尾又温泉の自在館に到着する。
この辺りは温泉街道であると同時にコシヒカリの産地の真っただ中でもある。
栃尾又温泉は特にラジウム温泉として有名である。
ラジウムが出す放射線が体に良いという。
でも一般人と違い、私の場合は前立腺に埋め込んだヨウ素125から出ている放射線と温泉の放射線がぶつかり合って、どうなるんだろう?
栃尾又温泉も天然掛け流しではあるが、湧出量は毎分50リットルくらいで、それほど多くない。
この源泉の特徴は37度という体温くらいの温度で、湧き出る湯の中に長い時間浸かることにより、色々な効能が出て来るという。
宿には5ヶ所くらいの風呂があるが、露天風呂は無い。
旅館の地下1階から長い曲がりくねった階段を60段降りると、そこに温泉がある。
脱衣所で服を脱ぐ時は寒いので、風呂に入るとその瞬間だけは暖かく感じる。
でも暫く入っていても、いつもの温泉のような気持ちの良さはない。
試しに隣の上がり湯に入ってみた。
こちらは41度くらいはありそうだ。また元の風呂に戻ってみた。熱い湯に入った後なので冷たくて驚く。
でも、毎年3回はここへ来ているという90歳の爺さんは、『1時間以上入っていると、ジワジワと体が暖かくなり、出た後はポカポカするようになる』と言っているが、私はそんなに長くは耐えられない。風呂というのは熱いのに限る。
夕食はまた岩魚を焼いて出して来た。
本場のコシヒカリは炊き方が少し柔らか過ぎて、私の好みではない。その代わり、漬物の野沢菜が追加するほど美味しかった。
昨夜、早寝をした2人は今日は強制的に起こしていたが、それでも9時には我慢出来なくなって寝てしまった。
私も仕方なく寝た。ジジイは早寝で困る。
(おまけの話)
私が今までに行ったことがある秘湯に順位を付けると、こうなる。
1、酸ケ湯温泉(青森県) 八甲田山の山中にある硫黄温泉で、ヒバの木で作られた1000人風呂がいい。実際には500人も入れるか疑問だが・・・。冬が特にいい。
2、玉川温泉(秋田県) 八幡平の山中にあり、癌治療に有効と言われている北投石があることで有名。風呂は酸が強く、入るだけで皮膚が痺れて痛い。
3、泥湯温泉と河原毛大湯滝(秋田県) 硫黄温泉で硫黄が濃い。ガスも出ていて、私の行った翌年にはガスで死者も出た。近くの河原毛大湯滝は落下する滝の水が全てお湯である。
4、鹿の湯温泉(栃木県) 酸性・含硫黄温泉で、なにしろ温度が高い。
ここで初めて48度の風呂に入ったが、皮膚が痛くて10秒も入っていられない。
5、五色温泉(北海道・ニセコ) 硫黄分がほど良く、なんとも気持ちが良い。
伊達に滞在中は何回か入りに行く。昨年は露天風呂が改装中であったが、この夏には出来あがっているだろう。楽しみである。
*番外編 チェナ温泉(アラスカ) 4年前の冬にオーロラを見に行った時に入った露天風呂である。
500坪はあろうかと思う広さである。
氷点下42度の中で水着を付けて入った。
水面から上る湯気が頭に付いて凍り、白髪になったように見える。
まだまだ入りたい温泉は山ほどある。死ぬまでにあと幾つ入れるか?