■工事現場を楽しむ
(2015年6月3日) 私の部屋の目の前では、高層マンションの建設が続いている。
私が越して来た時は、そこには古ぼけた都営住宅が5棟と何軒かの商店が建っていた。
その土地を東京都が民間に払い下げたので、大手不動産会社が買い取って、そこを再開発して高層マンションを建てることにしたようだ。
29階まで完成(5月30日現在)
先ずは都営住宅を壊して、更地にする。
それに半年近く掛かっていた。
毎日、窓から見ていると、工事は遅々として進まない。
ロスに住む女房の従兄弟が建築家なので、時々、写真を撮って工事の進行状況を知らせた。
マンションが完成すると、浜離宮恩賜庭園は見えなくなる。
私が腹を立てている朝日新聞は見えなくならない。
土台が出来たら、マンションの形が海岸でよく見かける波消し用コンクリートの塊であるテトラポッドのような三角形だった。
これは角部屋を増やして、販売価格を高くして売るための奇策かもしれないと思う。
トレーラーで運ばれた資材をクレーンで吊り上げる。
この二ヶ月くらいで、急速に工事が進んだように感じる。
毎朝8時の朝礼で全作業員が集まりラジオ体操をして、現場監督の話を聞いた後に解散となり、各自の持ち場に散って行く。
これを見るのが楽しみだったが、建物が建つに連れて朝礼をする場所が無くなり、それぞれが担当の各現場で行うようになったようだ。
クレーンの先端金具。 駐車場は築地市場。
最近は工事に遅れが出ているのか、朝の6時過ぎから現場に来て作業をしている作業員もいる。建物が高くなると、大型クレーン3台で資材を屋上の階に引き上げているのが見える。
クレーンの土台部分をチェックする作業員。
なにか問題が起きたようだ。
ある日の朝である。 いつもと違い、作業が始まらない。
どうしたのかな?と思っていたら、作業員がクレーンの先端に向けて登り出した。
これは見ていても怖い。
地上からの高さは、今でも150メートルはある。
クレーンを調べるために登って行く作業員。
先端まで行った作業員は、なにか修理をしているようだ。
そして、またクレーンの先端から降りて行った。
その後は何ごとも無かったように、いつもの様に作業が始まった。
この面白い現場も、いまは29階まで出来上がって来たので、完成時の53階まではもう残り少なくなった。
完成は来年のようだが、外から見える工事はあと2ヶ月くらいか?
クレーンの先端まで登った作業員。
(おまけの話)
私はこのマンションに引っ越して来たのは、新築から3年経ってからである。だから建設中のことは知らない。
古くからの住民に当時のことを色々と聞いてみた。
安全ベルトをしているが、怖くないかなー?
この場所は上から2枚目の写真で再確認してみて下さい。
工事は完成までに3年以上も掛かり、工事関係者が大勢出入りしていたそうである。最盛期には1000人を超す作業員が、毎日、工事の為にやって来ていた。
マンションの真向かいに今は無くなってしまったが、セブンイレブンがあった。
クレーンでパネルを吊り上げる。
工事関係者は出勤する時に、そのコンビニで昼の弁当を買い、高層階に上がって行く。作業者は上がったら最後、夕方帰るまで下に降りないのである。
そのお陰でコンビにはみんなが驚くほどの大変な売り上げを上げて、更に次にはその場所にマンション建設が決り、オーナーは莫大な立ち退きの保障金をもらった。
そして、噂では幸運が2度続いた夫婦は、スペインで老後を過ごすために移住したそうだ。「人生というものは、どうなるか分からない」の見本みたいな話である。
吊り上げられたパネルを敷いて行く。
高層マンションは全てパネル構造になっている。