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[2020.07.27]
■分かる芸術と、分からない芸術
 
ネットを見ていたら、「THE UKIYO-E 2020 」というサイトに突き当たった。早速、開いてみた。 
 
すると「世界最高水準の浮世絵版画が上野に集結!太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団という日本を代表する浮世絵の3大コレクションが総力を結集し、選りすぐりの名品約450点をご紹介」と出ていた。 
 
       上野動物園の隣が「東京都美術館」 
       雨の中をパンダを見る為に並んでいる。 


早速、見に行くことにしたが、ここもコロナの影響でチケットはインターネットだけの予約受付であった。 
予約開始日の7月15日に、ネットでそのサイトに接続した。 
 
そして7月23日午前11時10分の、初日の入場券が手に入った。 
料金はここでもシニアは優遇されて、1000円だった。 
 
      「東京都美術館」の入口はこも先の地下一階にある。 
 
 
私は浮世絵を見るのが好きだ。特に私が好きな作者は「葛飾北斎」である。両国駅の近くには「すみだ北斎美術館」もあり、何度か北斎の浮世絵を見に行った。 
 
ある時に、ネットに浮世絵の人気投票が出ていた。 
第1位 葛飾北斎、第2位 歌川国芳、第3位 歌川広重、第4位 喜多川歌麿、第5位 葛飾応為で、やはり北斎がみんなも好きなようだ。 
 
     「THE UKIYO-E 2020」(日本三大浮世絵コレクション) 
 
 
23日の初日に、上野動物園のお隣にある「東京都美術館」に、時間に合わせて出掛けて行った。 
入口でチケットを確認され、20分おきに50名くらいが会場に入る。 
 
私は入口で560円を支払い、音声ガイドの機器を借りた。 
これが思ったより良く、音声ガイドで私の知らないことをたくさん教えてくれた。初日のせいか浮世絵の好きな人ばかりのようで、なかなか先に進まない。 
 
葛飾北斎の 名作「富嶽三十六景」の中から(神奈川沖浪裏) 
 
 
雨に濡れたままで館内に入ったので、冷房が効き過ぎていて寒くて風邪を引きそうだ。ここでの鑑賞は次の東京芸大の予約時間までの1時間10分を予定していたが、とても足りない。 
 
私の好きな北斎と広重は出口に近い所に展示してあるので、途中をパスした。もし次回があれば、その時は2時間は必要だと思った。 
でもパスしながらも、横目で素晴らしい作品を見られてとても良かった。 
 
    歌川広重「東海道五十三次」の中から(岡崎宿) 
 
 
(おまけの話) 
浮世絵を見た後に、次の芸術鑑賞で近くの東京芸術大学美術館に行った。ここでは同じ日から「あるがままのアート、人知れず表現し続ける者たち」という特別展が開催されている。 
 
こちらの芸術展は、嬉しいことに誰でも無料で見られる。 
しかし他の展示会と同じく、インターネットで希望の日時の申し込みが必要である。 
 
東京芸大への道で、ボランティアが雨の中で炊き出しを行っていた。 
 
 
東京芸大の門を入り、2人の高名な芸大卒の画家のことが思い出された。どちらも私が伊達市に滞在中に知り合った人達で、私の住んでいたゴルフ場のコテージの隣人達だった。1人目は細密画の巨匠の「野田弘志」画伯である。 
 
彼の画法は現地でプロカメラマンが写真を撮り、アトリエでそれを見ながら写真より更に素晴らしい細密画に仕上げる。見た目は写真のようだが、近付いて見ると全く違う。 
 
    野田弘志画伯の作品「天皇皇后両陛下の肖像画」 
 
 
野田画伯はワインが大好きで、酒が飲めなく芸術には全くの素人の私に「存在の美学」という難しい芸術論を語る紳士である。 
 
私は野田画伯のアトリエにも入れてもらったことがあるが、広くて素晴らしい部屋で、NHKが取材して放映したこともあるほどだ。 
平成天皇ご夫妻の肖像画を描いたのも、野田画伯である。 
 
       大藪雅孝画伯から頂いた、彼の分厚い作品集。 
 
 
もう1人は東京芸大の元教授で、売れっ子画家で惜しくも亡くなった 
大藪雅孝画伯である。 
大藪夫妻はゴルフが大好きだったので、よく一緒にプレイをした。 
彼には「さすがに芸術家だ」と感心させられたことがあった。 
 
ある時、大藪画伯から「毛ガニの絵を描きたいので、カニを買って来てくれ」と言われたので、「伊達市のスーパーに買いに行く」と言ったら怒られた。 
 
「あるがままのアート展」の折り紙の動物。 
(特別の4作品以外は、撮影可) 
 
 
大藪画伯「生きていなくては駄目だ。だから有珠漁港で買って来てくれ」私   「カニは動かないから、生きていても死んでいても同じでは?」大藪画伯「全く違う。違いが分からないのか?」 
 
この他にも「子牛を描きたい」、「帆立貝の稚貝を描きたい」などの注文に応えて私は助手のようだった。東京では青梅線の奥多摩の多摩川沿いに住んでいたので、2回ほど訪問した。惜しい人を亡くした。 
思い掛けず上野の森で、伊達市の2人の芸術家のことを思い出した。 
 
          芸術は凡人には理解が難しい。 
     この他にも多くの私の理解を越える作品が展示されていた。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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