■2つの内、どちらが怖いか?
暑い日が続いている。
毎日、3回ほど中央区役所からメールが届く。『本日は暑さ指数が「厳重警戒」以上と予測されています。炎天下の活動は控え、こまめな水分補給を心掛けて下さい』という内容である。
そして時間別に気温と警戒内容が書かれている。
例えば、「激しい運動は中止」とか、「積極的に休憩」などと書いてある。
3月までなら、ここは中国人観光客で溢れていた。
それでは出掛けるのを止めるかといえば、それでも私は出掛ける。
最近は新型コロナウィルスと熱中症の2つの危険があるが、「どちらが怖いか?」と考えて悩むが、私は怖いのは「熱中症」の方である。
その理由は8月18日の東京都のコロナの死者は3人で、熱中症の死者は26人だからだ。これから判断しても熱中症を恐れるべきだろう。
記念写真撮影のベストポイントの二重橋。(撮影する人は誰もいない)
「これだけ暑いと、あの場所はどうなっているか?」と、変なことを思い付いた。その場所というのが、コロナ騒動の前は中国人観光客で溢れていた皇居二重橋である。
都バスを「東京フォーラム前」で降りて、徒歩で皇居方面に向かう。
バス停から皇居までは日影は無く、砂利とコンクリートの照り返しがキツイ。
二重橋の下には川鵜がいるだけ。
皇居前に着いたら、誰もいない。こんな光景を初めて見た。
そこにいるのは皇居警備の警察官3人、それに私と川鵜3匹だけだった。
ギラギラと照り付ける太陽で暑くて熱中症になりそうで、写真を撮ってすぐに戻った。そしてミストを噴射している、丸の内仲通りを歩いた。
丸の内仲通りのミスト。
昼時だったので、サラリーマン、OLがランチを食べにビルから外へ出て来ていた。でも以前のような人数ではない。
きっとテレワークの社員が多いのだろう。
東京駅から都バスに乗って、有楽町駅前で降りる。
そこから歩いて「マロニエゲート」に行き、女房に頼まれたフランスパンを買う。そして暑い中を歩いて、今度は三越デパートに向かう。
ここは日本を代表する大企業が集まっているので、ミストもケチらない。
夕方のTVニュースでは気温は34.2度だったようだが、直射日光の当たる道路では40度は越えていたと思う。食パンと水羊羹を買って、外に出る。
デパートの中には人がいたが、外は暑くて歩いている人は少ない。
バス停の先に、ミストの噴射が見えたので、そこに向かう。
若い女性が両手を広げて、ミストを浴びている。
そして気が付いた。「こんな暑さの中で、オリンピック競技は無理だ。
選手は熱中症になってしまう」。
コロナ騒動も簡単には片付かないだろう。
また世界的に名のあるプロ選手は「将来の稼ぎをコロナと熱中症でフイにしたくない」ので、オリンピックは出ないのではないかと思った。
もちろん私もオリンピックは楽しみにしているが、今日の暑さで期待が萎んだのである。
東京駅が見る場所でも、ミストは景気良く噴射していた。
(おまけの話)
「北海道は梅雨が無い」と言われて伊達市に行くようになったが、梅雨らしきものがあった。「夏は涼しい」と東京の人は思い込んでいるが、真ん中の方は東京並みに暑い。
伊達市は気候温暖で住み易く、道内からも移住して来る人がいる。
8月の平均気温を調べたら、23.2度で、最高気温は31.5度だった。
やはり伊達市は涼しいのである。
晴海通りの三越デパートの少し先のミスト噴射。
伊達市に滞在するようになって、最初に驚いたことがある。
一緒にゴルフをした地元のKさんが、盛んに「暑い。暑い」と言う。
温度計を見たら、25度だった。東京の夏で25度なら、「寒い」と言う。
伊達市の住民は気温が25度を越えると、暑いと感じるようだ。
いま全国で話題となっている「熱中症」とは無縁の世界で、伊達市の住民は幸せだ。
ここは道路から少し引っ込んでいるので、歩行者はミストに当らない。
夏に伊達市に行くようになり3年目くらいになると、私の体は伊達仕様となったようだ。
だからKさんと同じように、25度で暑いと感じるようになってしまった。これが後々、困ることになったのである。
滞在先のゴルフ場が中国資本に売却されてしまい、我々は夏を東京で過ごすようになった。すると我々はもう伊達仕様の体になっていたので、東京で過ごす夏は死ぬほど暑かった。
ミストの真下に行けば、少しだけ涼しく感じる。